ネコーヒー:ブレンド #18杯目

 猫と人間の役割分担。猫はかわいい、人間は働く。
 相変わらずテトとマユは抱っこをさせてくれない。マユは強引に抱き上げることはできるが、全身で『不本意』を表現する。テトに至っては触る隙もみせない。私が煮干しを手渡しするときでさえ、極力私の手に触れないよう口の先で咥えようとする。かわいい。
 しかしそれでもご飯前になればマユは私に全力で体当たりしてくる。一般的には「すりすり」と表記するのだろうが、重量級で立ち合いに安定感のあるマユは体当たりと表現した方がしっくりくる。ちなみにテトは遠巻きに細い声で鳴くだけだ。かわいい。
 我が家では私が猫の食餌担当なので、当然仕事から帰宅してまずするのは猫たちへの給仕だ。うっかり「やれやれ」と腰を下ろそうものなら、周囲でご飯ダンスとご飯ソングのカーニバルが展開される。マユのステップとテトのコールは人間にくつろぐ隙を与えない。そして人間は「しょうがないなぁ」とニコニコご飯を給仕するのだ。
 猫はかわいいから仕方ない。人間は働くものだから仕方ない。

今日の英語:Servant

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