街は眠りて昼に走る
新年、特にすることもない。昨年祖母が亡くなったため挨拶に行くことも来ることもない。実情を明かせば新年に旅行に行く予定はあった。毎年恒例の妹たち家族との旅行。しかし今年もCOVID-19である。ともかく質素に静かに過ごそうということになった。
なので車の運転をした。私は普通自動車免許を持っているがここしばらく運転の機会が無く、本当に1年以上運転していないかもしれない。こういう状況の新年の都内ならば交通量も少なかろうと、母を強引に助手席に乗せてドライブに出掛けた。ペーパードライバー独りで運転する度胸は流石に無い。
出掛けた先は空港に近い工業地帯。確かにこんな日に走っているトラックは皆無だ、がしかし乗用車は走っている。我々と同じく遠出はしない人々が気晴らしに海近くの公園まで出掛けてきているようだ。
駐車場も混んでいる。だがこのお出掛けは“当たり”のようだ。久しぶりに野良猫に遭遇する。いや厳密には地域猫かもしれない、全く物怖じしないどころか私から携帯猫用食料をせしめた。おそらく周囲の工場で働く人達に可愛がられているのだろう。
よく休日にしか運転しない人物をサンデードライバーと言うが、私はその上をいく「盆暮れドライバー」という概念を提唱したい。文字通りお盆や年末年始の大型休暇の時期にのみ運転する人物のことだ。行楽地へ向かう際に運転手が足りず仕方なくハンドルを握る運転手など、サンデードライバー以上に“のどか”な運転をする。私は現在この盆暮れドライバー状態なので、今年はリハビリをしていかねば。
何もない公園だが眺めは良い。そうだ私にはあのピカピカの黒い自転車がある。晴れた冬は写真が映える、明日は自転車でここまで来てみよう。
澄んだ世界になるように。
今日の英語:Drive