ネコーヒー:ストレート #37杯目
猫の姿を撮影してもその可愛らしさを上手く画像に収めることができないということは、猫を愛す者の共通の悩みだろう。
しかし我が家の場合はそもそも撮影がまずできない。いまだ野生を忘れぬテトとマユ、彼女らがオープンな寝姿を見せてくれるということがまず皆無。たとえ熟睡していても、人間が近付こうと1マイクロデシベルでも足音をたてればすぐさま目覚めて迎撃体制に入る。
そしてもう1音たてればシーツを蹴飛ばしベッドよりジャンプ、鮮やかに滑空して去る。
彼女たちは私の留守中はわざわざ私の布団で寝る。しかし私と一緒には寝てくれない。寝起きの顔を目撃できるだけでも幸運な方だ。そして私の画像フォルダには不機嫌そうな、いや「そうな」ではない、安眠を妨げられ忌々しげな表情のテトとマユの画像が蓄積する。
彼女たちが私を信頼してくれるのが先か、スマートフォンに私の足音を消す機能が付くのが先か。その日が来るのを待ちながら、私は歴戦の剣闘士さながらのマユの眼光におののきながら撮影している。
今日の英語:Covert action