蛍光灯と水中の光合成

 小さく循環する水で満たされた空間。交感はなく、外側の雑音を中和する。
 久しぶりに水槽の掃除をした。玄関に置いてある60cmサイズ。昔は金魚やグッピーなど飼っていたが、今は私が惰性で管理している。現在の住民はプラティ6匹とプレコ1匹。プラティは何度か代替わりしているが、プレコはおそらく5年以上経過しているはずだ。
 あまり情熱がない状態で世話しているものだから、ここしばらくは数ヵ月に一度のフィルター掃除・交換とコケ剥がしぐらいだった。しかし流石に限度がある。ほぼ深緑色になったガラス面に光を透過させるべく、今日ようやく全体掃除に至った。
 水を捨てて魚をバケツに移動させ、砂利のみなった水槽を風呂場に移動させて清掃。しかし重い、さらに生臭い。コケを水槽用のスクレイパーで剥がし、砂利はお米を研ぐようにして洗い流す。それが放置のツケでなかなか終わらない。特に砂利は何度研いでも濁りが消えない。研いだ水も交換の度に水槽を傾けて流さなければならない。風呂の残り湯で洗ったのだが、比喩で無く残り湯全てを使い果たした。


 その甲斐あって水槽は3時間かけて透明を取り戻した。相変わらずプレコは物陰に隠れてしまったが、プラティはご機嫌な様子で泳いでいる。
 水草と魚が泳ぐ。それだけで光と空気の色が変わる。

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