ネコーヒー: ストレート #19杯目

 時折我が家の庭にふらりと現れるキジトラこと“チンピラ”は健在である。先日も釣りに出掛けようとする私の前に立ちふさがって「旨いヤツ」を要求した。

 この威圧的な“チンピラ”の性別は不明だ。何故なら半径2mに近付かせてくれないし、もちろん後ろ姿も見せようとしない。ただ割りと細めな体型と顔つきから、私はこの“チンピラ”が雌ではないかと推測している。

 細身ではあるが痩せてはいないし、我が家にきて大声で恫喝してもスタンダードなフードには口をつけない。小分けにパッケージされた少々お高いフードでないと召し上がっていただけない。なのでおそらく近所に身の回りの世話をしてくれるケツ持ちがいるのだろう。

 彼女は食べるだけ食べてすぐにプイと去っていった。それでもまた来てくれないだろうかと願う、すっかり彼女を待つ愛人の気分だ。


今日の英語:Gigoletto

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