ネコーヒー:ブレンド #27杯目

 家族の知人の話。母が歌を教わっている声楽のT先生が半年ほど前から猫を飼い始めた。アンジーという名のサバ白の美少女。T先生はアンジーの食餌に気を払い、部屋もとても綺麗に片付けている。キャットタワーも完備した申し分のない環境だ。
 それなのに12月の始め頃からアンジーは体調を崩した。腹水が溜まってしまい食事もままならない。原因は不明。しかしこのままでは衰弱するだけだと回復手術に踏み切った。すると原因が判明、猫用おもちゃの部品だった。
 鳥の羽を使ったおもちゃがあったのだが、その鳥の羽をまとめる金具を飲み込んでしまっていたのだ。金具といっても文字通り爪の先ほどしかない。しかしそれがアンジーの小さな胃袋に詰まってしまったのである。今は手術も無事に終わり回復を待っているとのこと。ともあれ一安心だ。
 どれだけ家を片付けて危険を排除しても、いつか思わぬ事故は起きる。そう考えると初代の猫たちからテトとマユに至るまで、この散らかった我が家でよくぞ健康に生きているものだ。随分と運が良いのだろうが“何かあるかもしれない”ということは常に心に置いておかねばならない。

 猫と暮らすということは、猫の従僕になるということなのだから。


今日の英語:Accident

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