ネコーヒー:ブレンド #3杯目
猫を家畜としてブリードしていった歴史の中で、素晴らしいのは模様でもなく毛並みでもなく、この≪性格≫がこのままだったことだ。
我が家の支配者、テトとマユ。ふたりとも保護猫カフェからお迎えした。これまでの猫は全て偶然に我が家に住み着くことになったので、自ら猫を≪選択≫するのは20年近い猫史の中で初めてであった。
懊悩した挙げ句に選んだテトとマユだが、カフェの店員からは「本当にいいんですか?」といったニュアンスのことをオブラート二重ぐらいにして訊かれた。普通は子猫、元気な猫、人懐っこい猫から譲渡が決まる。だがテトもマユも若いが成猫、猫らしくツンデレで抱っこが嫌い。しかもテトは神経質極まってケージ移動が苦手なため、一旦ケージに入れたら返却不可と何度も念を押された。
そんなすったもんだから約3ヶ月。今テトとマユは毎朝6時にニンゲンを叩き起こして朝餉を給仕させ、ヘトヘトに疲れて帰ってきたニンゲンを囲んで煮干しをカツアゲしている。
相変わらず抱っこは拒否の方針。しかし昨日は私が夕食を終えて部屋に戻ると、その私のベッドの上でふたりして寝転がっていた。相変わらず抱っこは拒否、しかしこんなことをされて心臓が震えずにいられようか。
私は猫の掌の上で転がされていると実感した一件。猫が素晴らしいのはこの性格ゆえと確信している。
今日の英語:Freedom