それもやがて土に
ベランダに設置した撹拌式コンポストには、現在猫砂の処分は控え、生ゴミとミルワームの死骸を投入している。
爬虫類の餌用に養殖しているミルワーム。日々発生する死骸と食べ残しの野菜屑をコンポストに投入しているのだが、このミルワームの成虫の死骸がなかなか分解しない。他の野菜屑や魚の骨は問題なく分解されるのだが、どれだけ撹拌してもミルワームの1cmほどの黒い外骨格は黄土色のチップ材の中で漂い続ける。点々とミルワームの“殻”が浮いている様子はあまり気色の良いものではない。
しかしミルワームことゴミムシダマシの生態を考えれば当然のことだと腑に落ちた。この昆虫は地面に落ちた植物や動物の死骸を食べて生活している。その死骸は生命活動が停止した時点から腐敗が進行し、環境によっては菌類やカビの浸蝕も発生する。ミルワームはその中で腐敗や浸蝕に呑み込まれない抵抗力を持っているのだ。その抵抗力が死んだ後も活きているため、コンポストの発酵の中でも外骨格が残り続けるのだろう。
昆虫類を愛する人達には当然の基礎知識かもしれないが、私が日常から実感できたことは大いなる感動であった。
爬虫類の餌として養殖している以上の愛情は注げないが、私の目を開いてくれたことには感謝と敬意を。
今日の英語:Protector