レプタイトルテ:シュガーレス #5個目
手のひらに収まる存在に、日々の喜びの何割かをもらう。
今日ようやく、リンさん(ヒョウモントカゲモドキ)が食事をした。旺盛にとはいかなかったが、標準的1食分のミルワームを食べてくれた。……長かった。食べなくなってから正味二十日もたっていないのだが、やきもきする日々の長いこと長いこと。とりあえず生きる気力があることが分かってひと安心だ。
スーさん(コーンスネーク)も拒食が続いたがリンさんほどの心配はなかった。ネット調べだがヘビの拒食はよくある現象であること、拒食中もスーさんはそれなりににょろにょろしていたこと、何よりスーさんは十分に育った成体でありもう何年も付き合ってきたこと。そういったこともありスーさんの拒食にあまり不安はなかった。ひきかえトカゲモドキの拒食はヘビほどよくある現象でもなく、リンさんはジッと寝てばかりで、さらにリンさんは去年生まれたばかりでお迎えしたのも今年から。触るはおろか掃除もして良いのか悪いのか、何をするにしても眉間に皺が寄らずにはいられなかった。
まだ油断はできないが、もっと暖かくなってリンさんの食欲が高まったら、ご飯にあれやこれや買ってみようと妄想は止まらない。
小さな美しい生き物が私の手の上で元気でいること。それが何より嬉しくいとおしい。