ネコーヒー:エスプレッソ #2杯目

 先日のサイクリングで訪れた運河、そこで昨秋に出会った猫と再度再開する。

 姿を目撃するのは三度目、そして今回は多いに距離を縮めることに成功した。周囲に人影が皆無であったのも幸いだ。

 猫は過不足なく均整のとれた造形をしている。そのためただそこにいるだけで風景は全くの完璧となる。

 うむ、美しい。

 さらに今回は接近するだけでなくその毛皮を撫でさせていただけるという栄誉を賜る。さすがに我が家の猫ほど肉付きはよくはないが充分に健康な体型。川面の乱反射を眺めてデフラグした脳に暖かいマイニャスイオンが染みていく。

 そこにいたのは昨秋と同じ三毛と黒斑。やや小柄な三毛と一回り大柄な黒斑、もしかするとふたりは夫婦であるのかもしれない。

 うむ、やはり美しい。

 私が給仕した猫用おやつを躊躇なく食べる三毛とは対照的に黒斑の眼光は炯々たり。人間へのガードが低い三毛と若干高い黒斑、そのふたりのバランスでこの何もない運河の縁で生き延びてきたのだろう。

 また来るよ。


今日の英語:Partner

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