映画「星の旅人たち」を観て
7月13日、「星の旅人たち」という映画を観た。英題は「The Way」。2010年のアメリカ=スペイン合作映画で、エミリオ・エステベス監督の作品だ。
キャストは、トーマス(トム)・エイヴリー役のマーティン・シーン、サラ役デボラ・カーラ・アンガー、ジャック役のジェームズ・ネスビット、ヨスト役ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲンなどである。
あらすじは、
といった内容。
で、観終わっての感想。
この巡礼道の存在を知らなかった
この映画を観るまで、聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼道の存在を知らなかった。これだけ人生を重ねてきたのに、まだまだ知らないことはたくさんあると思った。でも、このように映画で知ることができるし、さらにその映像も見ることができる。だから、映画はいい。
今回は、巡礼道を一緒に旅したような気分である。
子どもを突然亡くしてしまう心情
さて、ストーリーに目を向けよう。ある日、突然息子を亡くしてしまったトム。トム自身もう、高齢である。息子は消息が分からず、ある日突然の事故で訃報を知る。それも、巡礼の道のスタート地点近くでの事故。
父親であるトムの心情は、どんな状態だったのであるうか。
だからこそ、そのやるせない気持ちも含め、息子が観ようとした景色をたどろうとしたのかもしれない。
巡礼先で知り合う人たちと芽生え始める友情
突然始まる巡礼の旅。トムは、ただ息子の遺灰をその巡礼の先々でまくことのみに巡礼に出かけたと思う。そこで知り合う、年齢や性別や国も様々な人たち。皆それぞれに、違う目的で巡礼に来たいた。その違う目的で来た人たちと知り合う中で、少しずつ友情が芽生え始める。時にぶつかり、時に仲間たちの気持ちに触れる中で、巡礼という一つの目的を持った仲間だという意識がそうさせたのかもしれない。
きっと、息子との心が少しだけつながった
息子が何を考え、何でこの巡礼をしようとしたのかは当然分からない。
でも、この巡礼の道を踏破したとき、少しだけ息子の気持ちとつながったのではないだろうか。
人は、家族であっても一人の人間であり、それぞれの人生がある。
それは、巡礼の仲間にも言えることである。
人生は孤独なのである。
しかし、一方でその孤独な人たちが、友情のようなものでつながることもできる。
無難に残りの人生を送ろうとしていたトムには、息子からの気づきのプレゼントだったのかもしれない。