支え合うコミュニティ

自閉症児を育てていると、「何か特別な才能があるんでしょう?」などと言われることがよくあります。確かに、世の中には、記憶力がずば抜けてよかったり、音楽や絵が得意だったり、計算が得意だったりというような人もたくさんいらっしゃいます。でも、大半は、うちの息子同様、特別な才能があるとは思えない、あるかもしれないけれどそれを見出すのは難しい、という状況です。でも、「そんな普通の障がい児者の普段の活動を、生産性のある活動に変換することができたら、彼らの社会参加や自立への一歩になるかもしれない」という思いが、青いTシャツ屋さんを立ち上げるきっかけでした。

自閉症児者の絵でオリジナルグッズを作って販売し、販売益からロイヤリティを還元して、更に保護者支援にも活用すれば、障がい者は、一方的に支援される存在ではなく支援する側にもなることができます。このように、支援する側される側という境界のない、お互いに支え合う関係が、障がい者の社会参加にはとても重要だと思います。

青は自閉症支援のテーマカラーです。青いTシャツをメインにしているのは自閉症啓発としての活動を表現するためです。「国連が定めた毎年4月2日の世界自閉症啓発デーに自分で作った青いTシャツを着てイベントに参加する!そんな展開をイメージしています。そして、「境界をなくす」という理念からすると、デザイナーは障がい者に限定する必要がないことに気づきました。むしろ、限定しないほうが、たくさんの方に活動に関わっていただけるというメリットがあります。

こうして考えたのが、「境界をなくしてだれでも参加できる支え合う関係」としての青いTシャツ屋さんというコミュニティです。あなたにこれを見ていただけたのは、たくさんの方の応援と協力のお陰です。その方たちへの感謝を込めて、この活動の輪を誠実に拡げていきたいと思います。
「ショップやSNSを見ていただくだけでOK!」
「誰かに伝えていただくだけでOK!」
もちろん、参加していただければ大感激ですが、そうじゃなくても、応援のお気持ちを、小さな行動に繋げていただけたら嬉しく思います。

※これは、青いTシャツ屋さんのリーフレットに掲載している私からのメッセージです。青いTシャツ屋さんをどう説明していいのか分からないとき、このメッセージがいちばん想いを伝えられるような気がするので、つたない文章ではありますが、そのままこちらに転載しました。

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