エポス ~ユニタスムーブメントに魅せられて~
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「エポス?」これが、このブランドに対する私の最初の印象でした。きっかけは、ユニタスムーブメントに惹かれ、「ユニタスを搭載した時計を作ってるブランドはどこがあるだろう」と調べていたとき、このエポスというブランドにたどり着いたのです。
正直、エポスというブランドは初めて耳にする名前でした。初めて画像で見て抱いた第一印象は、「主張強めで安っぽい」というものでした。以前の私なら、絶対に買わない時計です。
今振り返ってみると、私が時計に興味を持ち始めたのは、高級時計の持つ「ステータス性」と「外観の美しさ」に魅了されたのがきっかけでした。リセールバリューを考え、結果的に有名ブランドの時計ばかりを選んでいました。
そのため、以前の私は時計の外装にこそ注目していましたが、ムーブメントにはあまり関心を持っていませんでした。
ムーブメントへの興味の芽生え
そんな私がムーブメントに興味を持ち始めたきっかけは、いつ頃だったのか、はっきりとは覚えていません。ただ、あるときセイコーのヴィンテージに惹かれ中古のロードマチックを購入し、それを整備しながら知識を深めていくうちに、次第にムーブメントそのものに愛着を感じるようになりました。
自分でオーバーホールを始めると、「安心して触れる時計」という視点で時計を選ぶようになります。そんな中でユニタスムーブメントの魅力に気づきました。シンプルな構造で、名作と呼ばれるそのムーブメントは、大きくて動きが見やすく、ムーブメント好きにはたまらない存在です。
特にアンクルの動きに惹かれた私は、オープンハートの時計を探し始めました。その中で出会ったのが、エポスのオープンハートモデルです。このモデルはユニタスムーブメントを搭載し、表側からでもアンクルの動きがはっきり見えるという点で私の心をつかみました。
正直、デザインは好みではありませんが「ユニタスの動きを眺める用として割り切って買うかと、この値段なら後悔はしないだろう」と考えました。
エポスというブランドと購入の決め手
エポスは、スイスのブランドでありながら知名度は高くなく、価格も手頃です。調べたところ、機械式時計を専門に製作し、Etaやセリタなどの汎用ムーブメントを使っています。中でも ユニタス やプゾーといった名作と言われる ムーブメントを使っているモデルも多いです。
自社製ムーブメントこそ正義とされている現在の市場ですが 汎用ムーブメントは整備がしやすく 部品も手に入りやすいので自分で オーバーホールの手入れをするには最適です。
新品価格はもちろん、中古市場では数万円で購入可能という驚きのコストパフォーマンスです。
結局、中古で約5万円のエポス オープンハートを購入しました。
実物を手にした第一印象は、やはり「安っぽい」。しかし、それ以上にムーブメントの動きがよく見える点が非常に魅力的でした。オープンハートのデザインにより、表側からアンクルの動きや歯車の回転を楽しめるのです。
実際に使ってみて
実際に腕にはめて使ってみると、安っぽさは否めませんが、それを補って余りある魅力がムーブメントの動きにあります。表側からムーブメントが見える時計は、オープンハートやスケルトンでしか実現できませんが、このモデルはその楽しみを日常に提供してくれます。
また、同じユニタスムーブメントを使っていても、エポスのものとエベラールのものでは思っていた以上に仕上げに差があるのが印象的でした。同じユニタスでも明らかにグレードが違います。
仕上げや装飾が異なり、エポスのものは簡素な作りでした。2.3.4 番すべての歯車で金メッキ加工もされてません、ここ位はやって欲しかった、
しかし、それも価格を考えれば納得できるものです。
一方、よくいじってるセイコーのロードマチック、シースルーバックではなく全く見えない部分なんですが2番 3番 4番の歯車全て金メッキ加工されています。
やっぱりグランド、キングに次ぐ高級機だったんだと思います。
エポスの魅力と時計の楽しみ方
この時計を腕につけていると、ムーブメントが目に飛び込んできて思わず見入ってしまいます。
エポスは、日本で言えばオリエントに近い立ち位置かもしれません。スイス製でありながら、チャレンジングなデザインや構造を取り入れる姿勢が、他のブランドにはない魅力です。
時計は、実際に腕につけてみなければ本当の価値や魅力を感じ取れないものだと改めて思いました。エポスの時計は、安価ながらムーブメント好きの私に新たな視点を与えてくれました。今では高級ブランドの時計を所有していても、ムーブメントの動きが見えないとどこか寂しさを感じるほどです。
結局、このエポスの時計は自分にとって、時計として時間を見るのではなく、また高級時計のように美しい外装の仕上げにうっとりしてジュエリーとしてつけるのでもなく、 「機械としてユニタスの動きを見れるもの」として今日も 腕につけてしまっています。
この時計を通じて、時計の別な楽しみを見つけました。