相棒のようなワークチェアに出会った日。浅草橋・WORKAHOLIC にて
在宅勤務がスタンダードになって1年以上が過ぎた。間にあわせで買ったワークチェアではそろそろ体も心もきつい…という人も多いのでは?
今まで以上に自宅内でオン/オフの切り替えを求められるこの時代だからこそ、長く使い続けるための“相棒”のようなワークチェアがあれば心強い。
そこで洗練された高機能オフィスチェアのセレクトショップ、WORKAHOLICのショールームを訪ねた。
1組あたり2時間。プロがつきっきりで選ぶ一脚
入り口すぐにはコーヒー、紅茶などが楽しめるバーカウンターが。そこを通ると見えてくるのが、吹き抜け感のある広々とした空間に、ズラリとならぶワークチェアの数々。ここ「WORKAHOLIC」では、国内外17メーカーから厳選されたプロダクトが、常時70脚以上そろっている。
「デザインはもちろん、実際に試して機能的にも『本当に良い』というものを重要視してチョイスしております」
こう話してくれたのは、「WORKAHOLIC」でバイイング、そしてチェアコンシェルジュを務める伊藤僚範さん。昨年から今年にかけて、テレワークで自宅作業をする人が増えたこともあり、「ワークチェア」の需要が高まっているという。
「座面が固いダイニングチェアを作業用に使用して、姿勢が崩れ体の不調に悩まされて訪れる方もいらっしゃいますね。私どもは、チェア選びはもちろんですが、デスクワークにおける正しい知識や作業姿勢、自身の身体のメカニズムなどを理解していただくところまでサポートさせていただいております」
そのため、1組あたり約2時間もの時間をかけて、担当のチェアコンシェルジュがその人に合った一脚を選ぶ。現在、コロナウイルス感染症拡大防止のため、完全予約制での案内となっており、なおのこと“自分だけのイス”をじっくり探すことが可能だ。
心地よい作業環境は「座り方」から
在宅時間が長くなると、必然的に家を心地よい空間にしようと心がけるもの。とくにデザイン性、機能性を両立したチェアが家にあるだけで、気持ちの面にも安心感など良い影響をあたえる。
「もちろん、その際にはデスクも必要となってきますが、まずは自分の体に長い時間触れているチェアの方から探していくことが大切。そこからデスクなり小物なりと、アイテムを増やしていくのがベターですね。基本的な選び方ですが、座面や背面のシートが体にフィットしていて感触の良いもの、そして体の大きさにあったものを選んでみてください」
だが、自分に合った製品を買ったところで、「正しい姿勢」で座らなければ元も子もない。伊藤さんいわく、よくありがちな悪い姿勢が、画面をぐいっと覗き込んで前傾になること。肩や腰に負担がかかり、なおかつ呼吸も浅くなって集中力が途切れてしまうので、いま一度自分の座り方を見直したい。
「人間の体は、2本足で立った状態がもっとも自然な構造となっています。直立したときに、首から肩、背中から腰へかけての2か所がゆるやかなS字にカーブし、足の裏がしっかりと地面に着いている状態が正しい姿勢となり、イスに座った場合も、これを基に考えます。よく『背筋を立ててまっすぐ座りましょう』と教えられますが、それは筋力で上半身の姿勢を支えている状態なので、疲労してしまい長時間作業する人には向きません。
ですので、深く座って背中のS字をキープできるよう、以下のポイントに気をつけて自分の座り方をチェックしてみてください。」
正しいワークチェアの座り方
1. 腰を椅子の奥まで入れ、チェアの背面に密着させる
2. リクライニング機能を使いやや後傾に
3. 太ももが床と平行になる高さに座面を調整
4. 足先は前方向へ軽く伸ばす(椅子の脚に乗せるのはあまりおすすめしません)
5. デスクがお腹に当たりそうなくらいチェアを前に
6.肩が上がらず前腕が水平になる高さにアームレストや座面の高さを調整する
※6で脚が付かなくなる場合はフットレストを使用する
自分だけのワークチェアと出会う
表面的な美しさだけではなく、本当にその人にあったワークチェアであるかを伝えることが「チェアコンシェルジュ」の仕事。実際に「WORKAHOLIC」を訪れた場合、どういった流れで自分だけの一脚を選んでいくのだろうか。
「まずはお客様の現状を知るために普段のお困りごとや作業内容、デスク環境などをお聞きします。実際の座ってみたいシート素材や特定のチェアなどあれば合わせて希望を伺いチェアをご用意します。その後、エルゴヒューマンやオカムラ、ハーマンミラーなどたくさんのチェアから説明で使用するものを用意し、身体のメカニズムや負担のかかりづらい作業姿勢をセッティングして体感いただきます。この部分は最も大事なポイントなのでしっかり時間をいただきご説明していますね。その後、どのように試して、何を重視して選ぶのかを説明し、店内チェアを自由に試していただきます」
そうした過程を経て選ばれた自分だけのチェア。ひとつだけでも満足感はあるに違いないが、家に書斎、リビングルームと、空間が複数ある人にとっては、それぞれにお気に入りを置いておきたいもの。
「たとえばホーグ社の『カピスコ』なんかは、乗馬の姿勢から着想を得られており、背もたれが十字形になっていて、前向き・横向きに座ることができます。余裕がある方はこうしたユニークな製品を別部屋に置いておくことで、いつもの毎日にメリハリがつくのではないでしょうか」
ランプや小物で作る自分らしさ
さらにチェア&デスク周りに置くアイテムにもこだわっていくことで、より快適さ、心地よさは極まっていく。まずは「デスクランプ」だ。
「まずオススメしたいのが、イギリスのスプリング式ランプ『アングルポイズ』(写真のグリーンは廃盤。その他のモデルは展示有り)。」自由にアームを動かして、好きな位置に心地よい灯りで手元やお部屋を照らす機能はもちろん、オブジェのような美しいフォルムが魅力。
「そして、掃除機のダイソン社から最近発売された『ライトサイクル』という製品。人感センサーで点灯ができる上、現在地の時刻に合わせた光の明るさや、暖色・寒色といった色温度を自動で調整してくれるという優れモノです」
そのほかにも「WORKAHOLIC」では、実用性の高い小物類を数多く揃えている。
「デスクの高さに合わせてチェアを調整すると、座面と足の高さが合わなくなることがあります。そんなときは、足元にフットレストが必要になってきます。オカムラの『ピエルポ』なんかは、前後が異なる角度で設計されていて、用途に合わせて好みの高さに調整が可能」
「あとは、ノートパソコンをメインにしている人向けにCBS(コルブルック・ボッソン・サンダース)社が開発した『オリプラ』というスタンドをご提案しています。目線を高く上がるので、姿勢が悪くならないのと、折りたたんで持ち運びできるので、カフェでもサッと取り出して作業することができます」
パーソナルトレーナーのような存在を目指して
コロナで思うように出勤できない中でも、「もっと活躍したい」「もっと成果を出したい」と意気込むビジネスパーソンは数多くいる。伊藤さんたちはワークチェアを通じて、そうした想いを実現できるよう、サポートしていく。
「チェア自体の性能に詳しい方は他のお店にもいると思うんですが、そうした機能説明だけじゃなく、お客様の身体の悩みなどを聞いて“カルテ”をつくり、『この座り方だと〇〇を痛めてしまいます。ですので、この製品でこう座ってみてはいかがでしょう……」と、もっと1on1で向き合っていきたいですね。いわゆる“大きいジム”というよりは、結果が出るまで寄り添う“パーソナルトレーナー”のような存在を目指していきます」
SHOP DATA
WORKAHOLIC
〒103-0002 東京都中央区日本橋馬喰町2-7-15
ザ・パークレックス日本橋馬喰町 1F
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土〜日 11:00〜19:30
※木曜・祝日は定休日
ご来店は完全予約制になります。 ご予約はこちらから
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