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質屋がないんや
仕事が暇すぎて暇すぎて、やることが本当になくなってしまい、自分自身がいたたまれなくなり、ランチのラーメンを完食したその足でオフィス街に隣接する大きな公園に向かった。
当て所なく30分ほど散歩して、オフィスに戻るその道すがら、少し怪しげな風貌の男性に目が止まった。なにかブツブツ独り言を言っている。
見た目はお笑い芸人・千原せいじそのもの。少しだけご本人よりも目が小ぶりか。服装はTVで見かけるようなまさに千原せいじ。その男性が通り過ぎようとする私に向かって少し大きな声で話しかけてきた。
「質屋がないんやけど知らんか?」
今月49歳になる私。人生で初めて「質屋」の場所を尋ねられた。存在は知っている、しかし質屋には入ったこともない。そもそもこの街に「質屋」なんてあるんだろうか。
困っている様子だったのでGoogle Mapsで調べたところなんとこの街にも質屋が1件あった。あとちょっと歩けば行けそうな場所だ。
男性に場所を教えてあげ、途中まで2分ほどあるきながら話をした。彼曰く、質屋の場所を知っておくと非常に便利らしい。なぜなら
「飲んでいる時お金が足りなくなりそうになったらお金が借りられるから」
そもそもお金が足りなくなるくらいに飲まなきゃいいのに。でももうすぐ49歳になる大人の私は「それは確かに便利ですね」とお返事。
春の陽気に包まれた、月曜日の昼下がりのそんなひとコマ。