環境が良くてもお金がなくては活かせない
2年前の春の初め、思いがけず渋谷で
働くことになって
「ここで5年間がんばるぞ!」という決意と期待。
学生の頃から社会人の今までの相当な年数を
通過はするけど、降りて通うことが
ほぼなかった渋谷。
まして、大工事の真っ最中でどんどん変わっていく
ここに毎日通勤することの高揚感ったらなかった。
おしゃれな店で、個性的な同僚とランチして
キャッチな雑貨をたくさん見て買って
帰りは外国人観光客を観察しながら
アウトドアなバーでちょっと飲んで帰ろう!
といろいろ楽しそうな企画が頭を駆け巡ってた
でも、世の中はまだ感染症後半。
会社の規定で2人以上でランチも夕食も
いっちゃだめ。
同僚に美味しいお店を教わることもほとんどなく
ましてひとの顔を覚える歓迎会とか
簡単なものでさえ絶滅して
私はひたすら会社の食堂でランチを
たべることになった
ひとりひとり区切られたパーテーションの中で。
やがて会社のぼっちご飯令と
半分以上の在宅勤務は解除されたけど
入社して2年も経ったら
いまさら
そんなに仲良くなるきっかけのなかった同僚と
ご飯食べに行くことなんてなんとなくないよね。
ああいうのは最初に知り合った時が肝心だって
つくづくわかった
そして何より激務だった外資にいたころより
収入の大幅ダウンが徐々に痛くなってきた
ファッションや、雑貨や
デパ地下など徐々にお店はあいてきたけど
どうせ買えないとなると
不思議なものであまり見る気もしない
結局、コンビニでご飯をかって
家に帰って好きなアイドルのBDを見るという
地味な生活が大半だった気がする
あこがれていたマスコミ生活と実態は
程遠いものだった
どんなに魅力的な環境に身を置いても
本人がそれに打ち勝つ力がないと活かせない
いまさらながら環境は遅まきながら
十分になったのに
それをちょっとでも活かせず
もったいなかったなと後悔している
今度のところは長く受け入れてくれるだろうか
街は楽しませてくれるだろうか
そして私にその力が備わってくるだろうか
品よく、朗らかに、そして強くありたい