好きを喋るシリーズ❷アイドルって、世界なんだ。
世間で「アイドル戦国時代」と言われるようになって、もう何年たったんだろう。アイドルにあまり関心がない人からしたら、アイドルを好きになる=自分の好きなタイプの子を見つけて、擬似的に恋をするっていうイメージなのかなあと思う。でも私にとって“アイドルを好きになること”はそうじゃない。そりゃ「うわ〜かわいい〜〜」って刺さることもないわけじゃないけど、音楽、舞台、洋服、映画とかと同じように、そのグループの“カルチャー”を観てるっていう感覚(楽しみ方)だったりする。
現在24歳の私にとって、最初のアイドルといえばやっぱりモーニング娘。ごまきの茶髪ストレートは小学生女子のヒーローだった。オトナになるとは茶髪にすることだって、日本の小学生女子たちは全員思ってたと思う。
そして月日は流れに流れまくって大学2年生(おそらく2016年あたり)。私はとある理由で地下アイドルイベントの衣装スタッフになった。そこに出てたのは、バンもん、妄キャリ、drop、プティパ、神宿、ななのん、ゆるめるモ…。(懐かしいですね)
ここから始まった、私の地下アイドル掘りまつり。
地下アイドルの話。
アイドル=かわいい が全てじゃないことを私は「地下アイドル」で知りました。地下アイドルってそれまでのJ-popアイドルと違って、グループごとにその特有の“カルチャー”を抱えているんだって思ったんです。グループ名、コンセプト、衣装、楽曲、メンバーの個性、そしてそこにいるファン。全てがそのカルチャーの破片であり、世界なんだって。だから、歌が上手い、ダンスが上手いことが必ずしもそのグループのカルチャーにとって“正義”とは限らない。そう思って観るアイドルグループは、どこかアングラな内輪感があって、すごくグッときてしまったのです。
そこから沢山のアイドルをみてきました。そこでまずは、私が「地下アイドル」を好きになったきっかけをくれた2グループを紹介します。
❶神宿(かみやど)
原宿発の5人組グループ。神宿とは、「神宮前」と「原宿」を掛け合わせた名前です。
私が初めて神宿をみたのは、今から5年ほど前。こんな感じでした。
今見返すと、すっごく垢抜けてかわいくなったなあって。
私が神宿を好きになった理由は、ライブで観たこの一曲でした。
原宿戦隊神宿レンジャー。
オープニングからたまらなく不思議な一曲、、、気にならずにはいられなくて、、、。神宿のコンセプト感がぎゅっと詰まった一曲、まさにこれが神宿カルチャーだなあと思います。最近は「神宿っぽさ」がなんとなく広まってきて、ある意味普通の(神宿っぽさを感じさせない)J-POPも歌うようになったけど、私はやっぱりこの曲から感じる“神宿感”にマニアックさとか、コンセプチュアルな感じが見えてすごく好きなのです。
❷わーすた
ザ ワールドスタンダード。略してわーすた。
世界にkawaiiアイドルカルチャーを発信する、エイベックス所属の5人組。
わーすたも神宿同様、初めてみたのは5年ほど前。
(あかぬけてくのがまた応援したくなるね)
わーすたを好きになったきっかけはこの一曲。
うるとらみらくるくるふぁいなるアルティメットチョコビーム。
この一曲を要約すると、
「またたびを握りしめて5人の旅が始まり、そこでまじ強いトリケラトプスに遭遇。見つけた伝説の剣、エクスカリニャンは重たくて使えないし、トリケラトプスは一向に倒せない。しかし最後、うるとらみらくるくるふぁいなるアルティメットチョコビームを発射。無事に倒すことができた5人はそのトリケラトプスにとりおくんと名づけた」ていう歌です。
この曲の1番グッとくるポイントは、(この映像にもありますが)曲のラスト。トリケラトプスを倒せたその瞬間、踊り狂ってたファンたちは一斉に「倒せてよかった」的な顔して拍手。メンバー5人×ファンで作られたわーすたワールドに、私はうたれました。
そして、なぜ猫耳をつけなきゃいけないのかという違和感。猫耳をつけてトリケラトプスを倒してるアイドルが歌が上手いという違和感。かと思いきや急に沁みるバラードを歌い出す違和感。アイドル戦国時代、好きなグループを見つけるコツのひとつはこの「違和感」なのかも?とも思わせてくれたグループです。
ハロプロの話
そんなこんなでアイドルが好きっていうと「ハロプロはどうなの?」とよく聞かれます。
実はつい数年前まで、私はハロプロ(というかモーニング娘。)が苦手でした。
その理由は地下アイドル論で書いた「カルチャー」がグループから感じられなかったからです。歌とダンスが圧倒的にうますぎてしまい、歌い方・楽曲・ダンス(振り付け)・衣装・ジャケットデザイン・メンバーの感じ等々、そのグループの「コンセプト感」「らしさ」「ぽさ」が見えにくくて、完成されすぎた「1アーティスト」になってしまってる感じになかなかグッと来なかったのだと思います。(正直、デザインとか世界観まわりの作り込みが極端にダサいとこに引いてたっていうのもある)
しかし、アンジュルムの赤いイヤフォンを聴いたとき、私のハロプロ感が変わりました。
女の子の中にうずまく、「わがままかわいい強さ」と、そこからくる「儚さ、苦しさ」みたいななんとも言えない矛盾が、楽曲とパフォーマンスから見えて、「アンジュルムってこういうグループなんだ」って、楽しむコツみたいなものが掴めた気がしたんです。
そんなアンジュルムらしさは、頑張ってる感も楽しんでます感も過度にださないメンバーの姿からも同時に感じられて。すべてが一本に繋がっている気がします。
AKBグループの話
私、この2021年も結構AKBグループが好きなんです。その理由は今まで話してたこととは全く違くて、単純に「かわいい曲が多いから」。私は普段、女の子向けの商品を企画するプランナーのお仕事をしてるんですが、AKBの曲(歌詞)から一つの企画とか商品ストーリーを思いつくときがあります。時には女の子の甘さ全開で、時には女の子の儚さとか切なさがあって。女の子のいろんな世界観が、ある意味超王道な(いい意味でグループの個性がありすぎない)人たちが歌うことで際立って、聴いてるこっちが共感したり、変にリアリティを感じさせたりする気がします。
48グループで1番好きなのは絶対NMB。その理由は他のアイドルと一緒で、圧倒的なコンセプト感をメンバーや楽曲たちがびしびし感じさせてくるから。
この曲は絶対このグループが、このメンバーが、この衣装で、この声で歌わなきゃいけないって、そう思うんです。「愛こそがボランティア」なんて、AKBやSKEに言わせるわけにはいかないんです。それがNMBだし、そんなNMBが好きです。
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さて、ここまで好きなグループや好きなアイドルに対するこだわりみたいなものを書いてきました。
次回は「曲」ってところだけに絞って、色々かいてみたいとおもいます。