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後悔へ変わる前のオトナのうちに

表情が一瞬で変わって、君の頭の中を支配する感情と考えが見えた。
数分前までの出来事が何だったのかと言うくらい、もう覚えてもいられない程に。

「どうして?」と君は訊いたけど、自分も同じ表情をしていたら、どうにもならないからだよ。
人は、自分よりも強い度合いで同じ類の感情表現・行動をしている人を見ると、冷静になると聞いたことがある。
その時の自分はそれにも似ているけど、それよりも、目の前に居る君を落ち着かせたかった。

不安や心配、何でもいい。
それらを少しでも取り除いて、また笑って欲しくて。
だから少し、オトナであることにした。

自分というのが君にとって、一時通り過ぎただけの存在になってしまうかは、まだわからないけど。
これから先、君が生きていく中で、出会ったことを後悔にして欲しくないから。

とても誠実な君には、中途半端なことは出来ないから。
きちんと応えたいと思う。

自分以外の誰かへ向けるように自分のことを大切にするのは難しいけれど、それが君を大切にすることに繋がるのなら。

一緒に約束したことを、お互いに守ろう。

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