ドクターX 感想(ネタバレ有り!)
ネタバレ沢山ありますのでご注意!
なるべく話の流れ順に書き出そうとは思うけど、所々前後するのはご容赦ください。
自分がどんなシーンでどう感じたのか、の記録を目的としてますので、悪しからず。
感想
いつも思うけど、どういう伝手でどっかの国の大統領の手術受けることになるんだ?
多額の金と宝石を受け取ってルンルンの晶さん。未知子の声に気づいてー!って思ったけど、これも伏線だったとは……
大統領の命救ったのに、大海原に簡易ボート落としてその上に未知子も落とすって、扱い酷すぎて笑ってしまった。
そして丁度良い所にいる森本先生(田中圭)。未知子にたかられてる上に名前も忘れられてる笑可哀想だと思うけど、笑っちゃう。
海老名先生の1日にも満たない天下、最高でした笑
加持先生達のしら〜とした雰囲気と、ナレーションの組織は衰退の一途を辿っていた、というセリフが、海老名先生の浮かれ具合との温度差激しくて腹抱える。
蛭間名誉会長には大きいお花沢山届くのに、海老名先生には小さいお花1つ。それでもめっちゃ喜ぶ海老名先生が微笑ましい。
神津がやってきて、蛭間名誉会長が海老名教授に席開けて、って間接的に院長のお役目御免するの良い。言い方がもう面白いんだよね。
蛭間院長、あなたも神原医師紹介所に来るんですか。そして麻雀で晃さんに勝つとか……相当お強い……。要求するのは、未知子ね。
未知子は行方不明扱いされててちょっと憐れ。
30歳の有能な神津が、50代以上のやる気や能力の無い医師達を毛嫌いする気持ちはわかる。私も同世代の社会人なので…。でも、それだけで人間を評価しちゃ駄目よ…。
この描写は、今の現代社会というか、年功序列が強い巨大組織あるあるで、共感した。若い人材を院長に抜擢している分、日本の大手企業より柔軟性があるように感じたよ。東帝大学病院は。
医療現場にもKPI導入するのは良いけど、どんな数値設定してんのよ!?15時間労動って、普通に労安法違反でしょ!?神津の経営方針にドン引きした。医師も人間だし、ロボットじゃないんだよ…。誰か労基にチクれ。
200件/月のオペに未知子は喜ぶのは想定内
15時間労動に納得いかない人は退職しろってメールが、いつメン+αが飲んでいる時に届く。大間(今田美桜)の酔いっぷり&煽りっぷりwww海老名先生のネクタイ頭巻いた過程、気になるな〜。きっと奪い取ってるよね。
いつメン達は酒の勢いで強気でいるけど、何だかんだで退職はしない。うん、あるある。
神津、双子だったか。弟…入院してるんじゃ?って思ってたら、後半の方で比呂斗が多可斗に成り切っていることが分かった。一卵性だからバレないか…。とはいえ、30も生きてきたら、生き方や性格の違いが顔に出てきそうだけど。
森本先生、銚子でゆっくりやってると思ったら、東帝大病院に戻ってきたんだ。神津のストッパーには…なれないよね。
トイレは誰が聞いてるか分からんから、噂話は控えなさいって……。って思ったけど、神津は人から恨み買われても気にしなさそう。とはいえ、いつか誰かに何されるか分からんから、上手く立ち回ってくれって心配になる。
→本当にそうなるとは思わんかったよ…
まあでもトイレで海老名先生が寝てるとは思わんよな。他の先生達も居室のソファで仮眠取ってるし。
森本先生、オペ前に倒れるとは!冒頭の二年前手術〜がまさかここで効いてくるとは。
オペを見守る比呂斗、未知子に向かって「あのおばさんやるじゃん」的な発言。年上でも、能力ある人は素直に認めるのも、この世代の特徴よね。しかし、言い方が本当上から目線。
多可斗が開発した人工心臓が、本人が使えないのが泣ける……。自分の為にも開発したと思うので……。
→まさかこの道具が終盤に効いてくるとは……
比呂斗、まさかのオペ室登場。いつもの未知子の登場シーンと全く同じ演出で登場。比呂斗の提案が合理的と思った未知子が素直に受け入れる。
このシーン、未知子どう反応するんだろ?ってドキドキしたのよね。世間一般的には、ある程度年行った人は自分の考えに固執して、客観的に良い意見でも受け入れなかったりしがちだし。でも、比呂斗の意見を受け入れたのが、やっぱ患者第一の未知子だ〜って思った。この術式のお陰で、森本先生も再び外科医として働けるってのが良い。
比呂斗、晶さんから名刺受け取るも、くちゃくちゃにするのね……この二人になんの因縁が……?
この一件の後、未知子と比呂斗が、多可斗を助けるために、二人で術式を討論し合う。互いが互いの能力をリスペクトしてる所が感動。良いコンビになるじゃん……て期待しちゃうよね、思わず……。
未知子を見捨てた、という件で晶さんと未知子は冷戦状態。ノンアルを間違えて買ってきたり、目や耳な悪い、って嫌な予感しかしない……
→伏線だった
多可斗、今まで一緒に頑張ってきた企業切り捨てるとか、鬼かよ。兄と同じじゃん。って思ったら、同一人物でした。社長が六角精児だし、これ何か起こるよ。
→本当に起こった
何と、晶さんは30年前、比呂斗と多可斗とお母さんの手術してた!?
でも、多可斗は障害を追ってしまってて、それは晶さんのせいと信じ、ずっと恨んで生きてきた。そんな生き方可哀想と思うけど、きっと誰かのせいにしないとやっていけなかったんだよね。
結局多可斗は脳死しちゃうけど……辛くても、多可斗は企業したりしてたし、本人的には充実してたんじゃないかな?違うのかな?それを無視して、苦しむために産まれたんじゃない、って言う兄貴よ……。苦しむ時間が多くても、少しでも幸せと感じる時間があれば良くないか?って思ってしまうのは、やはり神の視点から見てる者のエゴかな。
浜辺で積年の恨みを晶さんにぶちまける比呂斗。目の前で倒れた晶さんを見捨てるのは、医師として一番やっちゃいけないでしょ。幾ら恨みあるからって。そんなんでよく医学部や医師国家試験通ったな。
晶さん、脳梗塞で昏睡状態。冒頭の耳や目が悪くなってたのは、単なる老いではなく病気でした。未知子の泣き崩れる姿が心に響く……。
足裏にへのへのもへじ書いて、その顔が笑えば足が動いたのが分かるから、と。早く目覚めて晶さん……と見てるこっちも手に汗握る。
そしてびっくりなのが、蛭間会長も晶さんのこと晶ちゃんって呼んで、比呂斗を近づけさせないからねって言うの……ジーンと来ちゃった。あなたいつも晶さんから多額の請求書送られてるのに(メロンもくれるけど)、いつの間にそんなに情が湧いてたのよ。もしかして、メロンのお陰??
未知子を外科医として尊敬する森本。尊敬するからこそ、その人となりを知りたい、知って少しでも近づきたい、って気持ち分かる。
堂々としてて強気な未知子。意外にも幼少期は臆病で、研修医時代も人体にメス入れる所で倒れるなんて。これは驚いた。
医学部入学したってことは、めげずに相当頑張ったんだろうな。
彼女の昔を知る人物は、彼女のことを臆病だけど、努力家で人一番心優しい、と語る。今の姿からは想像できなくて森本は驚くけど、キューバで死ぬほど努力したんだろうな、と。美知子の人一倍努力家な面も、森本にとっては尊敬しかなかったと思う。森本も頑張れ。
未知子の過去は、遠くに感じる未知子を身近に感じられる良いシーンだった。誰でも最初は完璧じゃない。そう言うメッセージを感じ取った。努力が全て実だなんて思わないけど、努力の大切さを感じた良いシーン。少年漫画的展開が好きだから、弱虫未知子がいかに努力してドクターXと呼ばれるでに成長したか、その一面を知れて個人的には満足。
比呂斗、やはり恨み買う。六角精児はいつ車に爆弾仕込んだの……?怖すぎる。
右腕と内臓破裂……。ちょっとエグい。晶さんの仇とは言え、執刀に当たる未知子。医者である前に一人の人間でもあるはずだけど、それでも医師として動く未知子に涙が止まらなかった。そんな切り替えできる??これも晶さんの教育の賜物なのか……。
多可斗が、自分が脳死して、兄の身に何かあった時に体を提供するって意思を残してて……。兄弟の絆を感じた。
弟は純粋に育った感じがするな。まあ、五体満足な兄は、苦し見ながら生きる弟見てたら鬱屈するよな……。そりゃ、晶さんに矛先向かっちゃうかも。人はそこまで強くないもんね……。
心臓は未知子が何とか修復。多可斗の肝臓を見て、晶さんの当時の手術状況を理解する。
→ここも後々に繋がってくるんよね…
それ以外は多可斗の臓器を移植。だが、心臓止まる。多可斗の心臓は使えないので、周りの医師達に何を言われようとも心臓マッサージを続けるも、響かない。そこで病室を抜け出して、晶さんを連れてくる未知子。晶さんならこうするって……
思わず、ヒンメルならそうする、が思い浮かんでしまった私。でも、ここら辺ずっと鼻水垂らして泣いてました。未知子は、人工心臓が多可斗に合わないなら、比呂斗にも適合しない、と判断して、一縷の望みをかけて晶さんの心臓を移植することに決めたと思う。瞬時にそう言う判断できるのが、流石天才外科医。(沢山の血反吐吐くような努力の賜だけど)
キューバ時代。晶さんと二人で誰彼構わず命を救う二人。晶さんが患者に掛ける言葉。日本語にすると、私失敗しないので。実は患者だけでなく、自分にも言い聞かせてる。
それが未知子の名台詞に繋がってくるのねーー!
未知子と言えば、私失敗しないので。これは、患者だけでなく、未知子自身にも言い聞かせてたのかな。そう思うと、やはり未知子は昔から変わっていない。臆病な一面もまだ残っているし(周りに見せないけど)、何だかんだ優しいし。
晶さんの喜寿の抱負動画のシーン、麻雀卓にエアー晶さん現れてびっくり。たしかここのシーンは無音だった。この演出、個人的に好き。エアー晶さんが出てきたから、亡くなっちゃったのかな、って勘違いしたよね。晶さんも、最善は尽くしてて。当時の医療では限界でも、現代の医療なら多可斗は救えるし、それを未知子に託すんだけど、既に多可斗は脳死してて、彼の臓器は比呂斗へ。何とも切ない……。比呂斗が少しでも早くそのことを知っていたら、こうはならなかったのだろうか。皆んな幸せだったのだろうか。IFを幾ら考えても意味ないけど、ついそう考えてしまう。
その動画を未知子は比呂斗に見せる。比呂斗は、自分が生きていていいのか?とポロっと言葉を漏らす。いや、あんたの体の中で、多可斗も晶さんも生きているんだから、簡単に死ぬんじゃないぞ!って思ったら、未知子がそんな言葉を言う。
未知子は去りながら独り言のように呟くんだけど(セリフ忘れた)、それは比呂斗だけでなく、晶さんにも言っているように聞こえて泣いた。ここも感動した所なのに、もう記憶薄れているのが悔しい。
請求書とメロンを渡しに蛭間院長に会いに行く未知子。まさかの加持先生の告白。コメディシーン何だけど、それまでのシリアスシーンに全ての感情を持って行かれているので、全く切り替えが出来ない。笑う場面なのに、感情引きずりすぎてて無理だった。
でも未知子の請求書が、城之内と合わせて3万円なのが笑った。未知子には、医師免許が必要ない仕事はやはり無理笑
晶さん、正直亡くなっちゃったのかな、って思ったら、人工心臓入れてたのね。いつか目覚める希望を持てたので安心した。城之内が、細胞を培養してるよ〜と反応ない晶さんに呼びかけるのが痛々しくて。辛くて。彼女自身も辛くなって、未知子が稼いできたお金を使うぞー!って言うんだけど、その言葉に反応してへのへのもへじが書いてある方の足裏を動かす晶さん。
お金を取られるってとこに反応するのが晶さんらしいし、やっと反応があったことが嬉しくて嬉しくて。さらに涙出てきちゃう。
まあ、比呂斗が多可斗の体と適合したり(一卵性とは言え、そこまで上手く行くもんなの?と疑問)、晶さんも人工心臓適合する(普通は適合するか検査してからだと思うので)のは、ご都合展開とも思えるけど、せめてそれくらいは救いが無いと辛いので、私はこれで良かったと思います。
劇中で、蛭間会長と晶さんは、自分は死なない気がする〜、って言う。蛭間は生きてて、晶さんは意識をまだ取り戻していない。でも現実は、西田敏行は亡くなってて、岸田一徳は生きている。このギャップが重くのしかかる……。
映画の最後に、Toshiyuki Nishida ~ We will miss you と一面に出まして……。最後の最後に、ああ、そうだ西田敏行の遺作だ、という現実を突きつけられた。そしていかに彼が皆んなから愛されていたか、改めて痛感する。同時に、もう蛭間院長を見れないんだ……と。西田さん、今までありがとうございました。天国でどうか安らかに……。
まとめ
前半はコミカルなシーンが多く、後半はシリアスでした。未知子の過去も、いかにして彼女がドクターXと呼ばれる程の技術を身につけたのか、分かる映画でした。ドクターXを今まで見てきた人は絶対見てほしい。脚本も演出も満足行くので、知らない人も楽しめるんじゃないかな?知らんけど(急に放置)
ただ、ティッシュは多めに持って行ったほうが良いです。私は音を立てたくなかったので、鼻水ひたすら拭いていた。上映終わってから一気に鼻をかみました。
これでドクターXも終わりだと思うと辛いけど、良いラストかと。記憶無くしてもう一度見たい映画です。