同人CDを一から作った話 - 同人CDの作り方
こんにちは。えんぶらー(@bluembler)です。
突然ですが、僕は普段は曲を作ってツイッターに投稿してニヤニヤする趣味があります。
気づけば初めて自作曲を投稿してもう5年近く経っていました。
そうなるとやっぱり作りたくなるんですよね、アルバム。
M3(国内最大級の同人音楽即売会)には何度も一般枠で参加しているのですが、サークル参加はしたことがなく。
「いつかはここでCDを売ってみたいなー」と思っていたのですが、CDの作り方が分からずなかなか手が出せなかったんですよね。
ところが、昨年何を思ったかデジタルアルバムをついにリリースしました。
そして半年経ったあたりで、これに数曲追加して完全版としてディスクを作るという構想が浮かびました。
そのために様々奔走したのですが、情報が少なく(自分に合った情報がなく)困っていました。
そこで、このnoteでは僕のようなCDを作りたい!という人が何を準備したか、何に困ったかを書き残していきます。
ターゲット層
・同人CDを作ろうと思っている
・作曲以外(デザイン、イラスト等)が何も分からない
・多少お金をかけてもせっかくなので良いものを作りたい
こんな人です。
「多少お金をかけても良い」とは、「自分が分からない分野は外注して良い」ということです。
とりあえず全部自分でやっちゃえーって人には役に立たないと思います。
用意したもの
1, 曲
2, ジャケットイラスト(入稿データ)
3, CD-R 2枚
4, 公開(販売)するサイト
5, クロスフェード
1, 曲
とりあえず曲は必要です。これがないと始まりません。
収録曲数に応じて値段を考える必要があります。
プロだとシングル2曲で1000円ですが、同人だと2曲なら100円~500円が一般的ではないでしょうか。
今回僕は、10曲でディスク版を1000円、DL版を800円にしました。
2, ジャケット(入稿データ)
ジャケットがあってのCDですよね。これを外注して描いてもらいました。
最低限、CDの表面となるフロントジャケットは用意する必要があります。
そのほかに用意すべきなのは場合によって異なります。
まず考慮すべきなのがCDケースを「スリムケース」か「ジュエルケース」にするか、です。
スリムケース・・・5mm厚、比較的安価、手焼きCDに多い
作成すべきもの:フロントジャケット(ブックレット)
CDラベル
ジュエルケース・・・10mm厚、比較的高価、メジャーCDと同じ
作成すべきもの:フロントジャケット(ブックレット)
バックインレイ
CDラベル
サイドキャップ(必要に応じて)
サウンドプレスさんから引用
今回はサウンドプレスさんの「ジュエルケースパック:【CDコピー】ジャケット2点パック 1枚もの(ペラ)」を選択し、イラストレーターさんとデザイナーさんに外注しました。
メインとなるイラストを描いてもらい、それを元にデザイナーさんに先に述べた必要なものを作成して頂きました。
プレスをお願いする会社さんによってテンプレートが異なります。そのため早めにどこに入稿するか決め、テンプレートをイラストレーターさんやデザイナーさんにお渡ししておくと良いでしょう。
また、データの入稿にはファイルの制限が多く、CMYK形式での出力やaiファイルが望ましかったので、それもデザイナーさんにお願いしました。
CMYK形式というのは印刷媒体での色表示形式です。反対にデジタル媒体ではRGB形式です。
音楽しか分からない人に例えると、「wavかflacで入稿してね」って言ってるのにmp3で送りつけるようなもんです。迷惑ですね。
ところがCMYK形式はIllustratorなどといったソフトでしか出力できないので、プロにお願いするのが手っ取り早いと判断しました。
ちなみに今回は帯キャップを作成しませんでしたが、帯キャップを付ける場合は3点パックになるようです。
また、今回は1枚もの(ペラ)を選びましたが、歌詞などを載せる場合は変化させてブックレットにすると良いでしょう。
3, CD-R 2枚
後述しますが、マスターCDというものを作成し、CDをプレスする会社に送る必要があります。
CD-RWはおすすめされません。データが劣化しやすいので。
今回はstudio oneのマスタリング機能を使い、マスタリング後そのままCDへ書き込みました。
4, 公開(販売)するサイト
いわゆる特設サイトと呼ばれるものです。
今回僕はBOOTHを利用することで、解説と販売を一度に行いました。
BOOTHは試聴機能が付いていたり音楽系の利用者が多いことから便利なんですよね。
5, クロスフェード
ツイッターでの販売告知は動画がおすすめです。所謂クロスフェードと呼ばれるものですね。
「どんな曲があるのか」「どんな雰囲気なのか」が一目で伝わります。
今回は歌ってみたの動画を作成している方に外注しました。
簡単なものであればすぐに自分でも作れますが、せっかくこだわったので、ということで。
また、曲のどのタイミングを使うかなども考える必要があります。
今回は動画作成者さんにお任せしましたが、販売ページでも告知することになると考えると、自分でも音源のクロスフェードは作成した方が良いでしょう。
↓これは自作のクロスフェードです
いざ、入稿!
今回の入稿で用意したのは
・マスターCD 2枚
・フロントジャケット 表&裏
・バックインレイ
・CDラベル
・印刷系4点のIllustrator上でのスクリーンショット
です。
ファイルのテンプレートやスクリーンショットなどの撮影方法は公式サイトに掲載してあります。
マスターCDのみ現物で郵送、そのほかのデータはzipに圧縮してアップロード。
これで完了です。
※注意
必ずaiファイルはデータ埋め込みを行ってください。ご指摘頂きました。
よく分からなければデザイナーさんと相談してください。
CDが完成したら
手に取ったときはやはり感動しました。
普通に売ってるようなCDが自分の曲で出来ているんですから。
さて、一通り完成の余韻に浸ったらやるべきことがあります。
CDDBへの登録です。
CDDBとは、CDを読み込んだ際に照合されるデータベースです。
これを登録しておくと、購入者がCDを各種読み込みソフトで開いた際にタイトルやアーティスト名が自動で判別・入力されます。
何種類かありますが、今回はよく使われるであろうgracenoteにしました。
これは主にitunesで用いられるCDDBです。
itunesでCDを開き、トラックを右クリックで「情報を見る」、ここから全てのトラックの情報を入力します。
入力が終わったら右上の歯車アイコンから「CDトラック名を送信」、これで完了です。
これで問題ありませんが、登録から実際にDBとして使えるまでには1週間程度要します。
実際の販売より前に登録を済ませておきましょう。
告知、そして販売
boothへ商品の登録を行います。
ディスク版は在庫が限られるので注意しつつ、DL版を用意しておくと良いでしょう。
公開されたらツイートで作って貰ったクロスフェードとともに公開しましょう。
まとめ
CD制作はめちゃめちゃ大変でした。
曲出来たからといってもその後の外注や納品、監督まで様々あります。
分からない単語も乱立するし、全然知らない分野のことも把握する必要があるので、一括してCD制作の参考になるサイトが見つかりませんでした。
同人CDを作ってみたいという人の参考に少しでもなれば幸いです。
利用、参考にしたサイト
外注
販売
CDプレス
CDDBへの登録