レンタルスペースビジネスは、コロナによって「終わった」のか? 貸し会議室など30室以上所有の筆者だから言える!レンタルスペース市場の本当の本当
◆ 自己紹介
皆さまこんにちは。はじめまして。若杉真里と申します。
こういった不動産投資系の記事はHN(ハンドルネーム)も多いと思いますが、あえて本名での登場です。
本名で登場するからには、できるだけ情報を「正確」に、「責任を持っ」てお伝えしていきたいと思います。
私は2017年から貸し会議室運営を始め、現在では都内および首都圏に直営レンタルスペースを個人では3室所有、管理レンタルスペースは30室以上。
当初、私自身直営の貸し会議室は3室と少なかったのですが「貸し会議室を作って欲しい」「貸し会議室を管理して欲しい」という希望が周り(主に大家さん仲間)から出てきました。
それを機に次から次へと『レンタルスペース作成依頼』が増え、今でもその声は尽きることがなく、このコロナ禍の中で3月からレンタルスペースを新たに6室OPENさせました。
内容としては貸し会議室にとどまらず、パーティースペース・塾の空き教室・ホテルなどレンタルスペースの管理は都内に30室を超え、もはやこれが私の専門・本職となっています。
したがって私の収入源は、月々のレンタルスペースの管理料+レンタルスペースのプロデュース費用が主となっています。
オマケとして書きますと、都内に築古戸建て1戸・築古アパート一棟・横浜、埼玉、東京都心に中古区分マンション合計13室持っております。こちらはメガ大家さんと比べますと、まだまだ大家としては新米です。
これを読んでいる方達は、「大家さん」や「大家さんになりたい方」、その他トランクルーム投資家さんやコインパーキング投資家さん、コインランドリー投資家さんなど、不動産投資に興味のある方も多いかもしれません。
そう、レンタルスペース投資も不動産投資のうちのひとつ。大家業と共通している部分もあるため、大家業と並行して行なっている人も沢山います。
ご存知の通り、初期費用早期回収、高い利回りがウリとされているので、まだ始めていない人も「気軽に始められそう」と興味のある人も多いかもしれません。
ですが、思ったよりもレンタルスペース投資はとても奥が深いです。下手に手を出すと、すぐに撤退なんてことも。
あまり競合が増えても困るのですが(笑)、レンタルスペース運営の専門家として皆さんの「知りたい!」に応えていきたいと思っています。
◆コロナでレンタルスペース市場は本当に終わったのか
最近の皆さんの興味関心はまさにこれ!ではないでしょうか。
先ほど述べたように私はこのコロナ禍が始まった後、ここ半年で東京都内に6室を新規オープンさせています。そして管理物件はこの6室に加え3室、つまりこの期間だけで9室も増やしたことになります。
具体的に言うとこの半年で、パーティースペース2室・貸し会議室4室をOPENさせ、管理物件はこれに加えてカップルスペース2室・貸し会議室1室増えました。来月からはビジネスホテルの空スペースの管理も始まりますが、ここ数年で一番の勢いで私の管理する物件が増えています。
では私は、「終わった」市場でこんなにビジネスを展開させて大丈夫なのでしょうか?
その問いに答える前に。
コロナ禍の中でこれだけ沢山のスペースをOPENすることが出来たのには、いくつかの理由があります。
そのうちの一つに、
「撤退物件が増えて、かなり条件や立地の良い物件に空きが出ている」
ということがあります。
このコロナ流行が始まって以降、レンタルスペース運営は撤退が相次ぎました。私の周りでも、いくつのスペースが撤退したかわかりません。
理由はさまざまで、「なんだか不安」「数字が落ちてきた」と早期に撤退した人もいれば、緊急事態宣言に入り、「もう絶望的だ」と撤退した人もいます。
このことにより、まさに今レンタルスペース市場は大袈裟な言い方をすれば焼け野原状態だと言えるかもしれません。
では、売上はどうなのか?と言いますと、2020年4月〜6月までは、ほとんどのスペースにおいて結構悲惨な数字が出ました。
レンタルスペース市場全体がそうであったと聞いています。ですが実は一部、ほとんど影響を受けなかったスペースもあります。
むしろエリアによってはこの時期に売上が伸びた所もあり、ここ一年で一番のひと月の手残り10万円だった物件もあります。これには理由があったのですが、これについては次回以降にお話しします。
では、2020年7月からはどうか?ということですが、悲惨だった数字も徐々に回復し、殆どの物件は利益が戻り始めました。まだコロナ前の数字には届かない所もありますが、最悪の状態は既に脱したということが言えます。
そして、コロナ流行前には売上がそうでもなかったのに、コロナ流行後予約がいっぱいになっている所もあるのです。
したがって、
「コロナ禍により、レンタルスペース市場は終わった」と言い切るのは早計であり、極端な結論だということです。
コロナウィルスの流行により、確かにいったんレンタルスペース市場は大きく変わりました。
予約でいっぱいだったエリアのスペースに閑古鳥が鳴き始め、そうでもなかったスペースの予約がいっぱいになっている。
つまりここで注目すべきは、
コロナ流行前とコロナ流行後では「人気のエリアもスペースも変わってきた」ということです。
どの市場も同じだと思いますが、市場は常に変化しています。
コロナ流行によって大打撃を受けたスペースもあれば、コロナ流行によって恩恵を受けたスペースもあります。
私も、コロナ流行前に作ったようなスペースは、コロナ流行後には作らないことにしました。そして、所有のスペースも、時代に対応して変化させています。
つまり、レンタルスペース運営にとって重要なのは
変化に対して柔軟に対応すること
だと私は思っています。
したがって、『レンタルスペース市場』自体が「終わった」のではありません。
『時代に合わせて変化しないスペース』および『変化に対応しようともしない運営者』が終わってゆくのです!(←やや厳しめ発言)
筆者がどのようなスペースを展開し、これまでのスペースをどのように変化させていったかは次回以降でご紹介させていただきます。
◆ではコロナに打ち勝つ戦略は?
私はコロナ自粛期間、そして自粛が終わってからも誰よりもビビって引きこもっておりましたので(←今でも実は地味に継続中)、とにかくレンタルスペースの動向をPCにかじりついてカチカチとリサーチしていました。
それにより少なくとも現時点で、私は『どのような』スペースを『どこに』作ればいいのか、見えた気がしています。
私がこれから参入しようと思っている方にとって重要視して欲しいのは、
・「生き残れるスペース」「生き残れるエリア」に作ること
・そのために、コロナ流行の間はどんな人たちが動いているのか?を分析し「ターゲット」を絞ること
だと思っています。
こちらを冷静に分析してレンタルスペース運営を始めれば、
・ 撤退が多く、競合が少ない
・ 撤退により、レンタルスペース運営可能な物件が増えている
という好環境を利用し、コロナ中も利益を得て、さらにコロナが終わった後に勝ちにいく
ということが可能だと思います。
株は下がりきった時に買え、ではありませんが、今まさにレンタルスペース市場参入はチャンスの時を迎えていると言っても過言ではないかもしれません。
◆レンタルスペース市場を見極めよ!素人が陥りがちな二つのこと
ここで勘違いしないで欲しい二つのことがあります。
まずひとつめの勘違い。自粛期間中に流れた噂が
1 「大きなテレワーク需要によって、貸し会議室はこれからチャンスだ」
というものでした。
ですが、30室の動きを見ている中で、実はテレワーク需要というのはさほど高まりを見せていません。エリアによっては一部それが主要な売上の所もあるのですが、全体として思ったよりもテレワーク需要が伸びていないのです。
少なくとも、私が持っている都内の30室の動きはテレワークに傾いておらず、むしろ別の需要に傾いています(これについても次回以降お話しします)。
ですから、「わーいテレワーク狙いだ!」とむやみやたらにテレワーク狙いの貸し会議室を作るのはやめた方がいいと思います。
テレワーク用の貸し会議室を作るのであれば、テレワーク利用が本当に求められている、テレワーク需要のあるエリアをきちんとリサーチしてから作るべきです。
そしてふたつめの勘違い。先ほどのサブタイトルにもあった、
2 「レンタルスペース市場は終わった」
というもの。
これは先ほども述べた通りです。すでにこの市場が終わっているのであれば、それを本業としている私は2020年10月現在、こんな悠長にnoteを書いていないでしょう(笑)。
◆結論:ネット情報に流されるな!大概の情報は「嘘」である
結構過激なサブタイトルではありますが(笑)、ここ数ヶ月、私はネットでのレンタルスペースに関する情報で驚いていることがあります。それは、先にも述べた二つの両極端な情報です。
A. 貸し会議室市場は終わった。もうこの市場に可能性はない
B. 「テレワーク需要」でこれから貸し会議室市場はどんどん伸びていく! 今こそテレワーク特化の貸し会議室を始めよう!
この二つの情報について私は、どちらも極端で、どちらも正しくないと思っています。
もちろん、私の意見も多くの情報のひとつであり、異論を唱える方もいるかもしれません。
ですが少なくとも都内で30室を運営しており、今もあちこちでレンタルスペースコンサルティングをしている『レンタルスペースどっぷり』『24時間レンタルスペースのことで頭がいっぱい』な私の発信はきっと皆さまの判断材料としてお役に立てるのではないかと思っています。
また最後になりますが、レンタルスペース運営はきちんとやれば結構良い事業だと私は思います。
このコロナ緊急宣言事態期間だけでなく、緊急事態宣言後も毎日家にいても生活できますし、ちゃんとやればある程度ぐうたらしながら稼げるのは大家業と同じです。(おかげで最近ブクブク太り気味です)
最近はレンタルスペース運営もポピュラーになってきたので皆さんご存知かと思いますが、初期費用の回収も早く、毎月の手残りも単なる会議室1室で5万円から8万円は目指すことができるという、区分マンションでは考えられない数字。パーティースペースなら年末だと通常時100万円手残りも目指せるという夢のある事業です。
ただ、失敗するとマイナスが出て撤退を余儀無くされるというのは他の不動産投資と同じ。しっかりリサーチして、正しい情報を得てくださいね!
次回は、『レンタルスペース事業にもある!手を出してはいけない物件とは?』というテーマで書いていきたいと思います。
代表取締役 若杉
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?