落ちこぼれてしまった高校生活

中学生の時までは授業をちゃんと聞いて宿題をしていたら、テストではちゃんと良い点がとれていた。高校は進学校に無事合格した。そこ迄は順風満帆であった。

ところが、高校生活が始まり数ヶ月たった頃、授業がちんぷんかんぷんになっているのに気づいた。理数系は手遅れだった。定期テストはなんとかごまかせても、数学の実力テストは、最初にある数問だけを解き、その他90パーセントを占める計算式等は、手のつけようがなかった。毎朝の英単語テストは毎回不合格で、毎日放課後、部活前に職員室に行き、追試を受けていた。
英語の授業の時に答えられなかったら、まず一回目は起立させられたまま授業を受け、二回目答えられなかったら椅子の上に正座、三回目は廊下に立たされていたような気がする。いつもドキドキしながら、難しい問題が来ませんように、と願っていた。

私の高校生活は今思えば結構暗い。部活は小学、中学、高校と剣道部だった。それだけは続けた。何度もくじけそうになったが、その度に励ましてくれた母には今でも感謝している。一つの事を続ける苦難、喜びは、剣道を通してしっかり学ぶことができたように思う。とはいっても、私の成績が上がるわけもなく、なんとか毎日ごまかしながら、辛うじて高校を卒業することができた。周りのみんなは大学へ進学していった。就職すると言うと、皆が「なんで?」と言ったが、私はとにかく「勉強」から逃れたかった。そして自由になり、働いてお金を稼ぎ、思い通りに生きていきたかった。勉強から解放されて自由な世界が私を待っていると信じていた。仕事を始めるまでは…

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