ep. 4-5 : "古着文化"のSDGs的大義
おはようございます。
いつにも増して最近は夜更かしをしてしまっている青木です。
#眠い
#オンラインゲームの再燃です
さて、今回はWTC Inc.社長である僕が最近感じた"古着文化"の根本的な「こういうものだよね」っていう気付き?のようなものをシェアできれば面白いと思いまして、徒然と書いていきます。
世界を取りまくファッション環境の変化について
結論から言いますと、SDGsです。
巷ではトレンドSDGs、経済のためのSDGsなんて言われてますが、ファッション業界にとっても大切な標榜になっていると思います。天然素材、特に動物由来の革や毛、先進国メイドのコットンなんかもとことん値上げになってきています。それは一重に原価高騰というだけではなく、職人さんの後継者問題や、産業としてのビジネスモデル(軽工業)がそろそろ立ち行かなくなっているということでもあると思います。
しかも運の悪いことに、プライドを持ってモノづくりをしてくれない人たち(大量生産、低価格販売化の促進)によって溜め込まれた製造ノウハウがメタデータ化することによって、原産国(工場地)を変えれば大概の国で作れてしまうシステムになっている、というのも大変な問題です。簡単に言っちゃえば、服作りを"明日のゴハンのお金稼ぎ"としか捉えていない大半の労働者さんたちによって、たくさんの"ペラい"服が作られてしまっている、ということです。
"このウール織物はうちの工場でしか作れない生地で、責任を持って作ってるんだ!だから高いお金払ってでも作りたいんだ!みんな買ってくれ!"みたいな気概のメーカーさんが少数になってInstagramでの発信もあり、持て囃されている(売れている)のも反面教師的に在している事実だと思います。
いろいろなブランドが、自分たちの強み・弱みを活かしてモノづくりをしていますが、結局のところ洋服の本質というのは「長く着れて丈夫で時代に関係なくかっこいいデザインである」に集約されるんじゃないかなぁと感じてる今日この頃です。
今日の"古着文化"が与える世界的なインパクト
今や、世界中で古着を着ることが当たり前になっています。
それは単にカッコいいからではない気がしていて、それはアメリカ、ヨーロッパの若者たちや韓国若者たちにまで浸透している「SDGsはイケてる」というイデオロギーが強烈に支持されている今日のファッションのトレンドを考えればごく自然なことなのかもしれません。
大量消費を辞めたZ世代の若者たちを見ていると、ハイブランド→セレクト系ブランド→古着という風に興味の矛先がステージ順に"降りてきている"ことが本流のように感じられます。
もちろんフランスなんかのファッション偏差値の高い国に関しては、メゾンのデザインソースとしてのストリート(≒古着MIXスタイル)が強く根付いていますので、この本流的な考え方に当てはまらないケースもあります。もともとヨーロッパはアンティークが強いですし。
確かに、最近の日本の古着ブームというのは少しビジネスライクになっている一面もあるのかもしれません。その象徴が卸売古着屋さんの急増だったり、古着屋マップのスマホ向けアプリ化だったりしますがそれはマス(大衆)の興味が古着業界に向いている証拠でもあります。
僕はその流れの中で、「今や作ることが難しいデザインや高品質の生地や経年変化感」を若者が潜在的に感じているんだと思っています。安くて奇抜でスタイリングのハズシになるような古着ではなくて、高品質で普遍的で今はもう作れない服としての古着の価値が今後もっとフィーチャーされていくことでしょう。フィーチャーというか、気づいていく感じ?です。それは完全にファストファッションへの時代的アンチテーゼでもあります。
もともと「ヴィンテージクロージング」という概念は日本人が作り出したもので日本が主な市場でしたが、そこに本場アメリカやヨーロッパ、さらには一人当たりのGDP生産額が日本より多い韓国までもヴィンテージを着る時代です。そりゃ買値も売値もあがっちゃうよね、お金持ちが欲しいモノなんだから、といった具合です。
この事実に気づいていない古着ファッショニスタや業界の人って、実は少なくないんじゃないかなと思います。
"古着”を楽しむこと
今や古着を楽しむことはお金のかかるものになりつつあります。
昔のように山積みの服の中から宝探しをするような感覚ではなくて、きちんと整頓されたラックの中から自分がYoutubeやInstagramで得た情報をもとにお目当ての服を探してまわる。それももちろん楽しいですが、僕からひとつアドバイスです。
ぜひとも、スタッフさんと話してください。そしてたくさん買い物を失敗してください。(笑)
ネットに上がっている情報は古着という文化のほんの表層にすぎません、掘れば掘るほど見になる情報がどんどん出てきます。それは古着屋店員が先輩から教えてもらったり買付先で得てきた"頭の中だけにある情報"で、これを古着屋さんは持ち味としています。
あとは、表層的な情報が多い最近は写真だけでその服が自分に似合うかどうかを判断しがちです。なので、無難なお買い物にどうしてもなってしまう=自分の引き出しだけで勝負してしまう。たまにはチャレンジングな引き出しをつくって「この服をどうやって自分のスタイルやワードローブの中に落とし込んでいこうか」みたいなある種の勉強素材があればもっと自分のスタイルにも幅が出てくると思います。今は失敗しても、メルカリやリサイクルショップもあるので、次にその服が欲しい人に簡単に出会える時代ですし。
とまぁいろいろ書いてみましたが、僕にとってはどれも大事な感覚で、こういう服の考え方もあるんだよ〜というのがシェアできればいいなと思いました。WTC Inc.のデザインや、次のコンセプトを考えるときにもこういうことを考えながら試行錯誤しています。
WTC Inc.も今シーズンのシャツ制作がスタートしていますので、まだの方はチェックしてみてください!
次回は、シャツ制作の速報と次の企画についてちらっと触れたらいいな〜と思っています。
so close to you,
WTC Inc.