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ロック史#14 : アリーナ/産業ロック



とある事情で死にかけてました。

すっかり遅くなってしまいました…!!!


前回はこちらから。

経済が明るい、みんな活き活きしてる80年代。

音楽ビジネスの規模が大きくなるにつれ、大衆ウケを狙いにいく、いわゆる"売れ線"の曲がロックからも出てくるようになります。



音楽と映像


ポピュラー音楽の産業化が起こった要因の一つが、映画との結びつき。

(今更だけどイントロからずっと最高じゃん)

70年代後半以降、映画のサントラが続々と大ヒット。音楽業界は映画業界と手を組み、聴き手の求める需要に合わせた曲が作られるようになります。

まあプリンスは売れ線とか関係ないけど。

今でいう"タイアップ"、日本では楽曲をヒットさせるために重要なプロモーション手段となりましたが、欧米では産業的・商業的だと嫌う人が多かったようです。

では欧米でのプロモ手段というと、それはミュージック・ビデオ

1981年にMTVが開局。

ミュージック・ビデオを延々と流し続けるこのケーブルチャンネルは、ポピュラー音楽の新たなプラットフォームとなり、MVの反響=曲のヒットというシステムが確立されました。

ミュージック・ビデオの注目はファッションの注目にも繋がります。

ニュー・ウェイヴ界では、グラムロックの中世的なメイクや衣装を汲んだようなニュー・ロマンティックが登場。

Duran Duran (1978-)

デュラン・デュランはビジュアルの良さも相まってMTVブームの火付け役に。

a-haは曲も映像も名作の「テイク・オン・ミー」でノルウェー人初の全米1位を獲得。欧米以外出身のアーティストが知名度を上げ始めるのは70年代後半からな気がする。やはりMVが大きいのかも。


産業ロック


パンクが衰退、ディスコの流行からニュー・ウェイヴの登場。ロックのモットーであった"反発"とか"過激"とかは何処かへ消えてしまったような…。むしろ大衆に合わせにいってる訳だから。

メロディアスでドラマチックな展開をする、ポップス寄りのロックは以前からあったものの、シンセが前面に出過ぎると安っぽく感じるというか、、、

たぶん聞いてもらったほうが早い。

ちゃんと聴いたらカッコ良いけどね。テレビでよく使われる曲は余計に産業的に思われるのかもしれない。

ジャーニーもスティーヴ・ペリーのボーカル含め素晴らしいバンドだが、いくらなんでもこのクソダサMVは頂けない。本当にダサい。

フォロー(?)をするとしたら、81年の『エスケイプ』は名盤。バラードが特に良いのよ。

他にもボストン、フォリナー、REOなど。

アリーナ・ロック


"産業ロック"と言うと悪口になってしまうので、大衆受け = 大規模 = アリーナ/スタジアムで最適なロック、とでも言っておきましょう(スタジアム・ロックやメロディック・ロックという呼び方もある)。

とはいえ、純粋に評価されているバンドも数多くいます(エアロスミスやU2もこの部類だし)。


ヴァン・ヘイレン

Van Halen (1972-2020)

アレックス・ヴァン・ヘイレン (ドラムス)
マイケル・アンソニー (ベース)
デイヴィッド・リー・ロス (ボーカル)
エドワード・ヴァン・ヘイレン (ギター)

他時期の主なメンバー
サミー・ヘイガー (ボーカル)
ウルフギャング・ヴァン・ヘイレン (ベース)

アメリカ西海岸出身。LAメタルの先駆けで、底抜けにパワフルなサウンドが特徴。内側からエネルギーが漲っていく感じ。

エディが普及させた、弦を指で叩くタッピング(ライトハンド奏法)は後のギタリストのテクニックに大きな影響を与えます。

代表曲「Ain't Talkin' 'Bout Love」「Eruption」「Jump」「Panama」「Dreams」など。


TOTO

TOTO (1976-)

スティーヴ・ルカサー (ギター、ボーカル)
デヴィッド・ペイチ (キーボード、ボーカル)
ボビー・キンボール (ボーカル)
スティーヴ・ポーカロ (キーボード、ボーカル)
マイク・ポーカロ (ベース)
ジェフ・ポーカロ (ドラムス)

他時期の主なメンバー
デヴィッド・ハンゲイト (ベース)
ジョセフ・ウィリアムズ (ボーカル)
サイモン・フィリップス (ドラムス)

アメリカ出身。鍵盤担当が2人という80年代ならではのメンバー構成で、音楽性はAOR(本史第10回参照)。ボーカル担当がいるのに歌える人が多い。

産業ロックと言われつつ、他のアーティストからセッション・ミュージシャンとしての依頼も多い実力派。実際マイケルの『スリラー』はTOTOの貢献がかなり大きい。

代表曲「Hold the Line」「Africa」「Rosanna」「I'll Be Over You」など。


ボン・ジョヴィ

Bon Jovi (1983-)

デヴィッド・ブライアン (キーボード)
アレック・ジョン・サッチ (ベース)
ジョン・ボン・ジョヴィ (ボーカル、ギター)
ティコ・トーレス (ドラムス)
リッチー・サンボラ (リードギター)

2016年からの在籍メンバー
ヒュー・マクドナルド (ベース)
フィル・X (リードギター)

米ニュージャージー出身、日本でも絶対の人気を誇るハードロック・バンド。デビューしてすぐ売れてから現在までバリバリ現役。

代表曲「Runaway」「Livin' On a Prayer」「Born to Be My Baby」「It's My Life」「Have a Nice Day」など。

こんなアンセムみたいな曲聴いちゃったら、産業ロックだってアツくなれるし良いじゃん、と言いたくなる。



今回はここまで。

次回は80年代のメタルを紹介予定。


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