ロック史#16 : 80年代末のバンドブーム
ご無沙汰しております!
オアシスもリンキンも動き出してるので、私も動きます(謎理論)。
前回はこちらから。
レコードからカセット、そしてCDに移り変わっていき、音楽が飛ぶように売れる時代。
ニューミュージックの登場以降、歌謡曲とポップス/ロックの境目が曖昧になると、80年代後半の日本ではバンドブームが巻き起こり、昭和の終わりと共に歌謡も衰退することになります。
今回はそんな80年代の日本のロックを総括してみます(足りないところあったらごめんなさい)。
バンドの前に…ソロアーティスト
さらっと名前を挙げるだけになってしまいますが。
80年代のソロといえば尾崎豊、佐野元春、長渕剛、浜田省吾、このあたりでしょう。
フォークやポップ・ロックといった趣きが強め。「SOMEDAY」の鍵盤の感じとかは、個人的にブルース・スプリングスティーンあたりからの影響を感じます。日本語の歌詞が洋ロック的なリズムとバッチリ合っていて、"J-POP"の基盤になるような音楽が出来上がってきているように思います。
インディーズ・バンド
「インディーズ」が勢いを増す80年代。
「メジャー」の対義語は「マイナー」ですが、ここでは「インディー」。「independent (=独立した)」からきていて、日本ではレコード協会に所属していない事務所を指すようです。
インディーズのメリットは自由度の高さ。小さい頃は"インディーズ=売れてない"みたいなことだと思ってましたが、むしろバンドを演りたい人たちにとって熱いシーンだったのですね。
インディーズ御三家と呼ばれたのが、LAUGHIN' NOSE、THE WILLARD、有頂天。
ライブハウスや歩行者天国でアマチュアバンドがこぞって演奏するようになると、バンド・ブームが起こります。
ブームの中心バンド
70年代に比べて、80年代は有名なバンドが一気に増えます。その中から独断でピックアップ。
BOØWY
氷室京介 (ボーカル、作詞)
高橋まこと (ドラムス)
松井恒松 (ベース)
布袋寅泰 (ギター、作曲)
人気絶頂中に解散した伝説の4人組。ニュー・ウェイヴのようなソリッドでエッジの効いたサウンドが特徴。カチカチの演奏陣とそれを率いるヒムロックのカリスマ性が超カッコ良い。
代表曲「NO. NEW YORK」「DREAMIN'」「B・BLUE」「ONLY YOU」「MARIONETTE」など。
80sの良いところが全部出てる。
リフも音もボーカルも構成もメロディも完璧。
THE BLUE HEARTS
梶原徹也 (ドラムス)
真島昌利 (ギター、ボーカル)
甲本ヒロト (ボーカル、ハープ)
河口純之助 (ベース)
パンクのみならず、音楽史に残るバンド。ヒロトとマーシーはずっと一緒にやってるけど、やはりブルハの破壊力は格別。2人の真っ直ぐな歌詞と歌声に救われた人も多いでしょう。サブスク熱望アーティストの筆頭。
代表曲「人にやさしく」「リンダリンダ」「TRAIN-TRAIN」「青空」「情熱の薔薇」「夢」などなど。
全フレーズ大好き。
UNICORN
川西幸一 (ドラムス)
EBI (ベース)
奥田民生 (メインボーカル、ギター)
ABEDON (キーボード)
手島いさむ (ギター)
ブームを率いた代表的なバンドの一つ。奥田民生の天才(奇才?)っぷりに限らず、メンバー全員が作曲・ボーカルができるビートルズタイプで、音楽性も様々。再結成後も精力的に活動を続けています。
代表曲「Maybe Blue」「大迷惑」「働く男」「ヒゲとボイン」「すばらしい日々」など。
解散直前だから暗いけど、名曲だなぁ。
X (X JAPAN)
PATA (ギター)
TOSHI (ボーカル)
YOSHIKI (ドラムス、ピアノ、作曲)
HIDE (ギター)
TAIJI (ベース)
他時期の主なメンバー
HEATH (ベース)
SUGIZO (ギター)
日本が世界に誇るヘビメタバンド。ヴィジュアル系(後々紹介)のブームにパイオニアとして貢献。TOSHIの歌声が1番輝くのは、Xで居てこそ、YOSHIKIがドラムを叩いてこそなのよ。
代表曲「紅」「ENDLESS RAIN」「Silent Jealousy」「Rusty Nail」「Forever Love」などなど。
Xは1曲1曲の持つパワーがドデカい。まるでクラシック。
また、聖飢魔IIが地球征服しに来たのもこの頃。イロモノに誤解されがちだが、超実力派。
BUCK-TICKはゴシック・ロックの趣きで、派手さは無し。"ヴィジュアル系"というより"ヴィジュアルが良すぎる系"の櫻井さん。
その他有名なバンドとして、HOUND DOG、ZIGGY、米米CLUB、JUN SKY WALKER(S)、THE BOOMなど。
女性の活躍
女性ボーカルのバンドとして大きな影響力をもったレベッカは、85年に「フレンズ」とアルバムが大ヒット。
SHOW-YAは89年に「限界LOVERS」発表。ハードロック路線でガールズバンドのブームに火を付けます。
同年、プリンセスプリンセスは「Diamonds」で大ブレイク。B面が「M」という神シングル。
個性豊かなバンド
90年代に無双する小室哲哉が率いたTM NETWORKはシンセを大胆に導入し、新しいバンドのスタイルを開拓しました。
打って変わって、ザ・コレクターズに代表されるネオGSは60年代のグループ・サウンズに回帰したサブカルチャー。
非の打ち所がない曲だ、、、
この時代の中でも異彩を放つ筋肉少女帯は「元祖高木ブー伝説」という本来怒られるべき曲(本人は許した)でヒット。尖ってるわぁ。
イカ天ブーム
1989〜90年のわずか2年間で多くの名バンドを輩出したTBSの番組「三宅裕司のいかすバンド天国」。
毎週10組のアマチュアバンドが登場し、審査員に選ばれたバンドはチャレンジャーとして、イカ天キング(チャンピオン)と対決。5週連続でキングを防衛したバンドはメジャーデビューできる、という夢のある内容。
主な出身バンドは、FLYING KIDS、JITTERIN'JIN、BEGIN、たま、人間椅子、BLANKEY JET CITY、など豪華な面々。
(※太文字は本番組からメジャーデビュー)
曲調だけの印象でヘンテコなバンドかと思ってたら大間違いらしい。とてつもない天才バンドらしい。サブスク頼む。
今回はここまで。
次回以降、90年代へ。また日本の話か、欧米のオルタナに入っていくか、検討中です。