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ロック史#13 : ニュー・ウェイヴ
前回はこちらから。
"次回は本格的に80年代突入"と予告しつつ、今回も70年代後半の話がちょくちょく入ります。
ロックと電子音楽の接近
80年代の音楽といえば、テクノやディスコ、ユーロビートなど、エレクトロなサウンドを主体としたダンス・ミュージックが流行しました。
クラウトロック
クラフトワーク(1970-)に代表される、ドイツ出身の実験的なバンドは、国内でよく食べられるキャベツの漬物の名前をとって、クラウトロックと呼ばれました(若干馬鹿にしたネーミングだけど)。
クラウトロックの特徴は、パターン化したフレーズを繰り返すミニマル・ミュージックのような「反復」でした。
こうした動きは、日本でも同時期に起きます。
日本のテクノ
細野晴臣・坂本龍一・高橋幸宏によるYMO(1978-)が一世を風靡。
(ELPが既にやっていたが)シンセがギターの代わりになり、ベースもシンセで弾く。
ピストルズのジョニーが「ロックは死んだ」と言って脱退し、パンクが早くも衰退したのは、こうした時代の流れがあったことも起因の1つだっただろう。
あと平沢進率いるP-MODELもテクノを流行らせた一角です(海外ではもの凄い評価らしいが、すぐに理解できる音楽ではない)。
ロックでもサイケやプログレなど、挑戦的な試みとして使われたシンセが手頃になり、80年代に入るとそれらは違和感なく、寧ろ流行に倣って使われるようになります。
ニュー・ウェイヴ/ポストパンク
主にイギリスで起こったムーブメント。どちらも同じようなものですが、パンクの延長線上として音楽的に括られるのがポストパンク、電子音楽が流行ったという時代背景で括られるのがニュー・ウェイヴ、という区別で私はとらえてます。
パンク回で紹介したトーキング・ヘッズはどちらかというとポストパンクでしたね。
ポリス
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スチュワート・コープランド (ドラムス)
スティング (ボーカル、ベース、作詞作曲)
アンディ・サマーズ (ギター)
イギリス出身の3人組。ロック以外の様々な音楽性が含まれているニュー・ウェイヴ。ポリスの場合はレゲエ要素があり、ホワイトレゲエと呼ばれることもあります。
代表曲「Roxanne」「Message in a Bottle」「Every Breath You Take」など。
ロックのフォーマットでこのようなスタイリッシュで暗い曲も大ヒットするのが80年代以降。歌詞も暗いし。
ニュー・オーダー
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ジリアン・ギルバート (キーボード)
ピーター・フック (ベース)
バーナード・サムナー (ボーカル、ギター)
スティーヴン・モリス (ドラムス)
イギリス出身。前身はポストパンクを代表するジョイ・ディヴィジョンで、パンクなのに陰気な世界観が高い評価を受けました。
カリスマ性のあったボーカル兼作詞のイアン・カーティスが若くして死去。残された3人に女性のジリアンを加えニュー・オーダーになってからは、打ち込みの音を多用しました。
代表曲「Blue Monday」「Bizarre Love Triangle」「True Faith」など。
U2
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ラリー・マレン・ジュニア (ドラムス)
ジ・エッジ (ギター)
ボノ (ボーカル、作詞)
アダム・クレイトン (ベース)
アイルランド出身。とりあえずニュー・ウェイヴに入れましたが、規模感がレベチ。グラミー賞はグループ・アーティスト史上最多の獲得、コンサートの動員力もトップ中のトップ。今の今までずっとカッコ良い。
特にボノは慈善活動に積極的で、社会問題をテーマにしたメッセージ性の強い楽曲を数々発表しています。
代表曲「New Year's Day」「With Or Without You」「I Still Haven't Found What I'm Looking For」「One」「Vertigo」などなど。
ザ・スミス
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アンディ・ルーク (ベース)
モリッシー (ボーカル、作詞)
ジョニー・マー (ギター、作曲)
マイク・ジョイス (ドラムス)
短期の活動ながらイギリスの若者から熱狂的な人気を得た4人組。キーボードは使わず、シンプルで軽やかなサウンドが特徴。
後のオルタナに影響を与えるようなアングラな作風と、インディーズのレーベルに在籍し続けたことから、インディー・ロックにも分類されます(後々紹介予定)。
代表曲「This Charming Man」「How Soon Is Now?」「There is a Light That Never Goes Out」など。
その他にもロックとポップスの両立を追求したXTC、パブロック出身からその枠に留まらなかったエルヴィス・コステロ、ダークな世界観からゴシック・ロックと位置付けられたザ・キュアーなど、素晴らしいアーティストたくさんいます。
ノー・ウェイヴ
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しかし、ビッグウエーブに乗らなかった人たちもいました。ノー・ウェイヴというのはそういう意味です。
主にアメリカ(特にニューヨーク)で起こったムーブメント。結局アメリカとイギリスはいつも争ってるな。大衆向けでもあったニュー・ウェイヴに対し、よりアングラで前衛的な志向をもつジャンルです。
ブライアン・イーノ
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グラムロックバンドのロキシー・ミュージックに在籍したのち、脱退してからは環境音楽(アンビエント・ミュージック)を世に普及。リズムもメロディもない、新たな即興音楽です。
彼曰くアンビエントは「興味深いが無視できる」。作業用に是非。
またプロデューサーとしても知られ、デヴィッド・ボウイの「ベルリン三部作」、トーキング・ヘッズ、U2など多くの名作を手掛けました。
ノー・ウェイヴとは、の回答はイーノが制作したコンピ盤『ノー・ニューヨーク』で解決。かなりカオスな音楽なので初心者要注意。
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ソニック・ユース
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リー・ラナルド (ギター、ボーカル)
サーストン・ムーア (ギター、ボーカル)
キム・ゴードン (ベース、ボーカル)
スティーヴ・シェリー (ドラムス)
他時期の主要メンバー
ジム・オルーク (ベース、ギター、シンセ)
ボーカルが3人もいる変わり種。90年代にブレイクし、ノイズロックとしてグランジやオルタナに影響を与えました。サーストンの変則的チューニングが聴く人を狂わせる。
代表曲「Dirty Boots」「Kool Thing」「100%」「Bull in the Heather」など。
よし、今回はここまで。充実回になったっぽい。
次回はメタルか、産業ロックか…。