映画 ハード・ヒット 発信制限
まさにノンストップ。
爆弾を積んだジェネシスGV80(ヒュンダイの高級SUV)が釜山の街を爆走する!
悪役やどこか憎めないコミカルな役など、韓国を代表するバイプレーヤー、チョ・ウジンが単独初主演。
極限に追いつめられる男ソンギュ、実力派がシリアスに魅せる!
監督はThe Witch/魔女(続編となる増殖は5月23日公開)、ミッドナイト・ランナーの編集を担当したキム・チャンジュ。
2015年製作のスペイン映画のリメイク(暴走車 ランナウェイ・カー)
2022年3月10日に観賞、その前後に観た新作映画のなかではトップクラスに面白い。
ほぼすべての韓国映画に出てるんじゃないかってくらい、あちこちで見かける(気がする笑)超売れっ子バイプレーヤーがついに映画初主演!
今回のチョ・ウジンはコメディ要素0、とにかくノンストップ、ハード、シリアス。
ある日、運転中にかかってきた発信番号表示制限(非通知)の電話。
電話の主は車から降りれば座席の下に仕掛けた爆弾が爆発すると告げる。
警察はもちろん、家族以外の誰かに話したり、命令に背くことも許さない(犯人を不愉快にさせてはいけない)
犯人の目的も分からないまま、地雷の上に座っているような状態でひたすら車を走らせるソンギュ(チョ・ウジン)
人生を、家族、妻を犠牲にして、プライドをかけて尽くしてきた銀行はソンギュを簡単に見捨てる。
最後の頼みの警察も非情な判断を。
誰も助けてくれない。
人を踏み台にして得た幸せ、すべては6年前に。
極限状態のなかで娘は父親の醜さを知るが、それでも守ろうとする。
子が親を、親が子を、妻が夫を、夫が妻を。
すべてを失った男が見上げた澄んだ空に見たもの。
闘いはまだはじまったばかり。
無駄がなくスタイリッシュ、94分にぎゅうぎゅうに面白さを詰め込んだ感じ、時を刻む時限爆弾のような緊迫した音楽が秀逸。
ユーザーの目が肥えてるといわれている韓国での大ヒットも納得の一本です。
一番の見どころはやはりパトカーやヘリが入り乱れるカーチェイス。
今回のチョ・ウジンはほとんど座席の上での演技。
この役を演じるには相当な演技力、表現力がないと難しい。
そう素人でも分かるチョ・ウジンの凄み。
ハード・ヒットで初の悪役を演じたチ・チャンウク、警察特攻隊の女班長・パン班長を演じるチン・ギョン(自分と同学年の菊地凛子さん似のクール系大人美人)にも注目です。
自分以外は馬鹿だと思うのはやめた方がいい。
勝ち組と負け組、はっきり分かれるといわれる韓国。
裏にあるのは韓国の社会問題、詐欺まがいの手口で弱者を食いものにする人を見下す人々。
これはすべてを失った男がすべてを元に戻すための闘いであり、間違った自分の人生に気づき、再生し、新たな道を歩みだす男の物語なのだ。