リーキーガット症候群とSIBOについて

ここ8年ほど胃腸の不具合(特に吐き気、胃酸逆流、胸焼け、下痢)を抱えていて、毎年胃内視鏡の検査もしていたのですが、ピロリ菌に起因する萎縮性胃炎がある程度でそこまで悪い状態ではないとの診断でした。

ではピロリ菌を除菌しましょうということになり、5年前に抗生物質での除菌に成功したものの、かえって胃の具合は悪化して、週に3-4日は吐き気で苦しむようになりました。原因がわからないと「機能性ディスペプシア」または「神経性胃炎」という便利な診断名で片づけられてしまい、心因性のものなのか・・と諦めていた時期もあったのですが、普通の生活ができないレベルまで来てしまい、駆け込んだのが統合医療内科でした。

ここで普通の胃腸科でしないような有機酸尿検査や遅延性アレルギー検査などをして、「リーキーガット症候群」という診断を受けたのが1年半前のことです。その際、「小腸内細菌増殖症(SIBO)」の可能性も示唆されました。

リーキーガット症候群とは・・・                   リーキーとは英語で「液体などが漏れる」という意味を持つ動詞リーク(Leak)の形容詞で、腸は英語でガット(Gut)ですので、リーキーガットとは「漏れやすい腸」=厳密に言えば、小腸の粘膜に分子レベルで穴があき、その穴を通って細菌やウィルスなどの異物が血管内に漏れ出すこと意味します。これにより、身体のあらゆる部分の血管内で炎症がやアレルギーが起こったりします。                         
SIBOとは・・・                           吸収不良症候群の一部であり、小腸の内容物の動きが悪いために、ある種の腸内常在細菌が過剰に増殖してしまう病気です。
小腸は胃や十二指腸で消化された食べ物をさらに分解して栄養素を吸収する働きを持ちます。腸管の内側には免疫細胞の約50%以上が存在しているため、健康な人においてはもともと腸の中でも細菌が非常に少ない部分であります。ですが、ストレスや抗生物質の過剰摂取などのさまざまな原因によって小腸内の細菌が異常に増殖すると、炭水化物およびビタミンB12をはじめとする栄養素をこの細菌が消費してしまいます。これによってカロリー欠乏とビタミンB12欠乏が引き起こされます。


胃内視鏡や大腸内視鏡でさほどの異常が見つからなかったけれど、小腸に原因があったとは、驚きでした。小腸はガンもほとんどできないので、今まであまり注目されることがなかったようですね。

このリーキーガット症候群とSIBOが原因でいろいろな食材や物質にアレルギーを起こしていたことが判明しました。(例:大豆、乳製品、カフェイン、化学物質、電磁波などなど)

では改善するにはどうしたらいいのか・・・

医師には高フォドマップの食べ物を避け、低フォドマップの食べ物を摂るように勧められました。

フォドマップとは・・・フォドマップ(FODMAP)は小腸内で消化・吸収されにくい糖類(Fermentable:発酵性、Oligosaccharides:オリゴ糖、Disaccharides:二糖類、Monosaccharides:単糖類、Polyols:ポリオール)の略称である。(ウィキペディアより抜粋)

小腸内で消化・吸収されにくい糖類が残存すると、小腸の表面から水を吸い上げて、消化管内に過剰に水分を滞留させます。消化管内に水分が溜まることによって、腹部の膨満感や腹部の痛みや、下痢などの原因になると考えられています。そして、私の場合は、アレルギー反応として高FODMAP食を食べると吐き気を起こすという厄介なことになっていたようです。

下記の表にあるような高FODMAP食を避けて、低FODMAP食を摂るように気をつけると、だいぶ吐き気の頻度が少なくなりました。

画像2

大好きだった小麦を使ったパンや洋菓子、それに小豆餡入りの和菓子やさつまいも、にんにくなども食べられなくなり、悲しいですが、確かにこの表の左側の高FODMAP食を食したあとはいつもおかしくなっていました。ゴボウなどは今流行りのゴボウ茶を飲んだだけでもひどい吐き気を起こします。大豆づくしのランチをいただいた時は本当に何日もひどい状態でした。

でも、長年わからなかった不調の原因がわかって、その原因となるものを除去すればだいぶ体調が改善されてきました。まだ週に1-2度は吐き気を起こすのですが、それは自分でも気づかないアレルゲンを食べてしまっている時だと思います。

長年の不調で体重が34kgまで落ちたこともあり、もう限界だ!と悲観していたこともありましたが、なんとか少しずつ体重も戻ってきています。

いろいろな食材を除去する生活は不便ではありますが、異常なほど吐き気でダウンしていたことを思うと、今の生活の方が楽ではあります。自分の身体の声を聴くこと、身体の悲鳴を聴くこと、そして自分の健康管理は自分にしかできない、自分を信じるしかない、と思って頑張っております。よく似た症状のお方がいらっしゃいましたら、お声をかけてくださいね。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?