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バッハ!

 蜜蜂と遠雷、一週間で文庫版の上巻を読了。今週は電車に乗っている時間が一番楽しかったかもしれない。「え、もう降りる駅?」ってなることもしばしば。電車を降りてからホームの椅子に座り、キリのいいところまで読んだり・・・信号待ちの間に取り出してちょっと読んだり・・・。

 目次ページやコンクールで演奏する曲一覧ページのレイアウトが、なんかレストランのメニュー表みたいで面白いですね。特別な日に行くレストランの、コース料理のカードみたいなやつ。

 第一次予選の課題「バッハ:平均律クラヴィーア曲集」についての描写が、お話のなかで時々出てきました。バッハの雰囲気はわかるけど、どんな曲だか全然わからずもどかしかったので、AppleMusicで探してみたら、ラッキーなことにエル=バシャの音源が引っかかって出てきました。

 数年前に「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」でこの方の演奏を聴いたことがあるのですが、わたしのなかで彼の音のイメージは「高級レストラン」です。最高の食材を選び、熟練のシェフが仕立てた前菜やスープのような、上品で味わい深い音なんです。タッチは軽く粒が揃っていて、聴いていて大変心地よい。

 そんな人のバッハの音源、みつけちゃった!やったー!!と、聴き進めていたら途中で覚えのある曲が出てきました。3番。この曲だけ特に気に入って、昔よく聴いていた気がする。

 バッハを初めて習ったときは、堅苦しくて謎・・・と思ったけど、やっぱり好きかも!超カッコイイ!!と意識が変わったは大学生のときです。講義のなかで紹介された音源、そのいきいきとした演奏に心奪われました。バッハって・・・こんなだったの・・・知らなかったよ・・・!?

 わたしが衝撃を受けたその演奏は、アルゲリッチ。パルティータ第2番の第6曲。第5曲のロンドから第6曲のカプリチォへ、勢いよく突入するのを聴くと興奮する。めちゃハマって当時は延々と聴いていたけど、これもAppleMusicにありました。(アップルミュージックすごいなあ~)

 バロック時代の音楽は身体活動とか、人間の動物的な本能とむすびついた、瑞々しく生命力にあふれたものが多いなあという印象です。当時の楽器はまだダイナミックの変化をつけにくかったのを、楽曲の音符の多さ、細かさで表現したので、飾りがいっぱいついた華やかさも魅力ですよね。

 いきなり現代の話にとびますが「千本桜」という曲が、子どもたちにとても人気があって、何がいいんだろうと思って聴いてみたら、前奏の装飾が細かくて勢いがあるんですよね。わたしは初めて聴いたとき「これ、バッハと同じタイプじゃない??」と思いました。千本桜がすきな人はきっとバッハ、というかバロックの音楽も好きになるだろうな。

#日記 #音楽 #クラシック #蜜蜂と遠雷 #ピアノ #エッセイ #コラム