ラヴェル:前奏曲
♪お気に入りのピアノの小品を紹介します。演奏も録ってみたので、よかったら聴いてください。
モーリス・ラヴェル(1875-1937)のピアノ曲で有名なものは「水の戯れ」や「亡き王女のためのパヴァーヌ」でしょうか。硬質で透き通ったクリスタルのような和音の響きや、高貴で上品な旋律にはとても憧れます。ただ、ラヴェルの曲、とても難しくて、弾けないんですよね。複雑な和音と、ちりばめられた大量の音符を読む根気が続かない…
そんな私でも、最初から最後まで弾ける曲が1曲だけあります。それがこの「前奏曲」――27小節の短い曲ですが、「ラヴェルを自分の手で弾ける!」それだけで嬉しくなります。たった1分半で、ラヴェルのエッセンスに触れることができる、宝物みたいな曲です。
この曲は1913年、フランスの作曲家ラヴェルが38歳のときに作曲しました。パリ音楽院のソルフェージュ(初見視奏=初めて見る楽譜を2〜3分、目だけで読み、その後いきなり弾いてみせること)の課題として作られたのだそうです。(なので、技術的にはそれほど難しくなく、練習すればちゃんと弾けます。)
楽譜はIMSLPから閲覧・入手できます。こちらからどうぞ。https://imslp.org/wiki/Special:ReverseLookup/6167