チョコレートとロマン派と(ピアノ練習日記)
今年はバレンタインデーに、職場の人にチョコレートを配ってみました。人数が多くて全員にはまわらなかったけど。個包装になっているものを1個ずつあげただけなので、プレゼントというほどでもなかったのだけど・・・思いのほか好評で、あとから何人もに「どこのチョコ?」と聞かれたのが嬉しかったです。これ↓
作曲家のエリック・サティからとった名前のチョコレート屋さんです。これは自分用に買ったものです。ちなに隣の緑の箱は、デメルのトリュフ。デメルはバレンタインの時期に1つは欲しくなります。パッケージが美しすぎるから!
チョコレート、小さな黒いかたまり・・・と言われればそれまでですが、その1粒にショコラティエの思いや工夫がたくさん詰まっていますよね。
ところで、最近ピアノでよく弾いているのが「ロマン派」の音楽。これがなんだか、チョコレートに通ずるものがあるなあ~と思うようになりました。
クラシックは時代によって曲のスタイルが違っているのですが、私がよく弾いているのはバロック派(J.S.バッハなどの曲)です。ロマン派(ショパンなどの曲)は、子どものころに習った曲の大半がそれだったので、特に今弾きたいという感じではなかったんですよね。
きっかけは、フォーレの月の光という曲です。初めて聴いたときにその切ない旋律にめろめろになり・・・いつかきっと自分でも弾いてみたい、と思いました。それで夏すぎからちょこちょこ弾き始めたのですが、いつまでたってもしっくり弾けるようになりませんでした。
曲が技巧的に私には難しく、苦手な奏法が多用されているというのもあります。でもそれ抜きにしたって、どうしてこんなにぎこちない?なぜサラサラ弾けるようにならないの?
それで、いったん"回り道"することにしました。ロマン派は、曲自体は習ってたけど自発的に勉強してないし、その時代の音楽の全体的なことについてはあんまり知らないんだよなあ・・・と思ったので。同じ時代のもう少し易しい曲をいくつか弾いて、その時代のスタイルに慣れようという作戦です。この曲集を使っています。
やってみて思ったのは、どんなに短く簡単そうに見える曲でも、作曲家は一音一音にこだわりをもって、細やかに音を選んでいるということです。特にいくつか音を重ねたときの響きがとても繊細。ほとんど同じようでいて、3つの音うちの1つだけ半音変えた和音、とか。だから、注意を払わずなんとなく弾くと、すぐ音を間違えたり、音が欠けたりします。
まるでチョコレートのように、工夫が凝らされている・・・しかも、作曲家によってその味つけが全然違う!だから、弾きにくい曲があったら、その作曲家の曲をいくつかあたって「その人らしさ」を感じ取るようにしたほうが早いかも・・・と思いました。
フォーレの小品集を調べて楽譜を購入しました。好きなピアニストの花岡千春さんが校訂しているものが出ていてラッキー!
指づかいやペダルを踏むタイミングなどが細かく書かれていて、それを見てもういちど「月の光」をさらい直しました。自分が思っていたペダルのタイミングと、書かれているタイミングがずれていたりして・・・ここで踏みかえると音がスッキリするんだとか、旋律の流れを止めずに済むんだ、とか新しい発見がいっぱいありました!信頼できる校訂版があると、とても頼りになりますね。作曲者や曲の解説もついてるし。これから楽譜買うときは、校訂者をよく調べようと思いました。
というわけで、いろいろありましたが形にしたものがこちらです!
よかったらお聴きください🎶
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