見出し画像

【不動産取引】実家を売却するまでの記録⑤売買契約から決済引き渡し

持ち回りでの売買契約

売却先が無事に決定したので、買主さんとなる方と売買契約を行いました。今回は共同仲介だった事もあり持ち回りでの契約です。

重要事項説明書と売買契約書をそれぞれの仲介業者が売主と買主を回り、記名押印をして契約します。

この時に売買代金の10%の金額を手付金を受け取りました。

手付金は通常であれば物件の売買代金の5%から20%の範囲内で決める事が多いと言われています。

しかし私が契約する時はほとんど10%であることが多いように思います。

そして今回は売主の立場だったので重要事項説明書は簡単に流して終わりました。売買契約書に関する部分だけをきっちりと確認して無事に終了です。

決済までの過ごし方

次は決済と引き渡しです、買主さんへの引き渡しまでに可能な限り建物の中の残置物を減らしていく事にしました。

しかしワンルームマンションの引っ越しと違い、何十年ものあいだ大家族の過ごした一戸建てです。

尋常じゃないほどの荷物や思い出か詰まっています。

一昨年から古本を売却したり、家具を処分したりと徐々に片付けていたものの、この時点ではまだまだ荷物があふれています。

毎週末に兄弟で集まれる人が集まって処分しているのですが、一向に終わりが見えてきません…

なぜなら古い写真が出てきては懐かしんでみたり、昔の雑誌が出てきたら読んでみたり、思い出のあるものは取って置いたりするから進捗状況はまったく芳しくありません。

これは片付けのプロに連絡しよう!

と考えて…、何件かの遺品整理業者や買い取り業者に連絡をしてみました。

処分費用を見積もってもらったところ数十万円の見積もりがでました。

この見積もりを見て私の心の中では「これらの残置物を売却すれば恐らく数十万円にはなるはずなのに、なぜさらにお金を払わなくてはいけないのだろう…」というもやもやした気持ちになりました。

やはり自分でやるしかない!

この日から毎週末実家に通っては、いらないものをメルカリやヤフオクに出品したり粗大ごみに出したりと副業のように働きました。

時には貴重なコインや父親の隠し財産(へそくり)が封筒から出てきたりしたので、買い取り業者に一気に引き渡さなくてよかったと心の底から思いました。

こうしてようやく終わりが見えてきました。

ジモティーの力を借りる

しかしまだまだ残っています…最後の頼みの綱はジモティーです。

皆さんは「地元の掲示板ジモティー」をご存じでしょうか?

つい最近東証マザーズに新規上場したジモティーは、いらないものや欲しいものを掲示板に書き込むと引き取り手が簡単に見つかるすごいサイトなのです。

メルカリやヤフオクで売却して梱包発送する事にも疲れてきていたので、ジモティー(地元の人々)に取りに来てもらって一気に片付けてもらう事にしました。

早速ジモティーに登録して家中の写真を撮って引き取り手を探しました。

すると、ものの数時間で申し込みが殺到して一気に不要なものの引き取り手が決まってしまいました。

こうして何とか決済の前日に、様々な人々に自宅の思い出の品々は引き取られていきました。

本当に良かった、みんな次の持ち主に大切にしてもらうんだよ…

涙がキラリ、せつなさにキュッとなりました。きっと心と心をつないでいるのはかすかな光だと思いました。

そして引き渡し当日を迎えました

決済の当日は気持ちの良い晴天です、ついに長年お世話になった実家とお別れする日がやって来ました。

通常であれば、買主さんは住宅ローンを組んで購入する事がほとんどなので金消契約を銀行で行った後に引き渡しの手続きを行います。

今回も同様に買主さんの指定する銀行のローンセンターに売主、買主、不動産業者、司法書士が集合して決済、引き渡しが行われました。

約束の時間の30分前に到着すると既に買主さんが金消契約をされていました。契約時はお会いしたことがなかったので初対面です、とても感じの良いご夫婦でした。

銀行から売買代金が買主さんへの振り込みがされました。

そして売主である我々の口座に振り込みが行われた後は、固定資産税の日割り分を受け取り、鍵の引き渡し、司法書士への手数料の支払い、各領収書の受け取りが終わりました。

最後に仲介手数料をそれぞれの業者さんに支払うのですが、ここで業者間で仲介手数料の料率が異なると…

「あれ、なんで同じ売買金額なのに手数料がこんなに違うの?」

と思われると後で揉める原因になるので、さりげなく業者さんがトイレに行くように促したりと気を遣うシーンがあります。

こうしてものの1時間程度で決済と引き渡しが終了しました。

これで本当にさようならです、人の手に渡ってしまったあの家には入る事もできません。

そして暫くすれば重機で粉々に破壊されてしまうのです。

ここで再び涙がキラリ、せつなさにキュッとなりました。きっと心と心をつないでいるのはかすかな光だと思いました。

帰り道に駅前の飲食店でハンバーグ定食を食べて思い出を語っていると携帯電話が鳴っていました。

無事に決済が終了してホッとしていたので全く気が付きませんでしたが、なんと着信履歴を見ると4件も入っていました。

すぐに折り返しの電話をかけると司法書士から「所有権の移転登記が出来ません!」との連絡が入ってました。

いったいなぜなんだ…?

つづく

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか? 気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!