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絶版のもう一つの教科書

ミールロシア語研究所が代々木の東口にまだあった頃。

予科で使っていた教科書で現代も入手可能なものについてはこちらで書きました。(私のレッスンにきてくれた人に伝えている関係で、記事は有料にしてあります)



当時、予科と本科で使っていたもう一冊の教科書はこちら。



「標準ロシア会話」(東一夫、多喜子 白水社) 絶版。


ミールロシア語研究所の大先輩に留学経験なしで通訳としてご活躍されている方がいらっしゃるのですが、その方にどうやったら通訳になれるのか、と昔お話を伺いにいったところ、「この本を夢に出てくるまでやりなさい」とのことでした。日常生活、ガイドの場面、想定されるあらゆる場面が網羅されています。

レビューでは「内容が古い」という指摘もあるのですが、確かに1970年代に初版が出たので内容が古いことは古いのですが、ソビエトとか、チェコスロバキアとか、いまはなき国名が記されてあったり。ただし場面状況は現代も使えるものがおおく、また古い語句については自分でネットで調べたりして修正できますよね。

東多喜子先生に、この本の改訂版を出すおつもりがないか、2013年頃にミール関係者が聞いたことがあるのですが、「改訂版を出すつもりはない」とのことでした。

「これをやれば日常ほぼすべての状況に対応できる」と、ミールに10年通っていた別の先輩もおっしゃっていました。私もこれを使って勉強していますが、やはりこの本、すごいです。ぜひ重版してほしいです。

この音源については、級友が苦労して神保町の古本屋街で手に入れて、私に夜行バスに乗って持ってきてくれました。レッスンにいらっしゃる方には、お分けしたいと思います。



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