浅草演芸ホール 5月上席夜の部感想(2022/05/02 浅草演芸ホール)

 こんばんは、久我宗綱です。本日の更新は先日行った寄席の感想です。
 浅草演芸ホールのGW特別興行に行ってきました。目当ては夜の部だったんですけど昼夜入れ替えなしだったので、昼席の途中から入って夜席の終わりまでいました。たまにこういうことやりますけど、トリが二回楽しめるというのが非常にお得感があります。
 昼席はなんかすごい人が入ってる感じがしました。わざわざ平日狙って入ってこれなんだから、休日はもっと凄かったんじゃないでしょうか。黄色い着物でお馴染みの林家木久扇師匠が先週の笑点で宣伝していたようで、こんな入りになったんでしょうね。他にもそのご子息林家木久蔵師匠とか、前まで笑点に出てた二代目林家三平師匠など、広い層に名が知れてる人が出てましたし。
 夜の部もだいぶ入ってた感じはしました。二階は見てないけど、一回はほとんど埋まってたんじゃないですかね。

というわけで、こちらが演目です。感想は今回もより抜きで書いてます。(以下敬称略)
昼席(途中から)
偉人たちの春 林家三平
天狗裁き 柳家さん喬
浮世節 立花家橘之助
明るい選挙 林家木久扇
夜席
初天神 林家さく平
高砂や 入船亭小辰
MCタッパ 柳家わさび
漫才 ホンキートンク
長短 古今亭文菊
ぐつぐつ 柳家小ゑん
粋曲 柳家小菊
加賀の千代 春風亭一之輔
鯛 柳家はん治
奇術 アサダ二世
粗忽の使者 柳亭市馬
〜中入り〜
堪忍袋 柳家喬之助
家見舞 入船亭扇遊
漫才 風藤松原
町内の若い衆 五街道雲助
紙切り 林家正楽
時そば 柳家喬太郎

高砂や 入船亭小辰
 秋に大師匠(師匠のそのまた師匠のこと)の名跡である入船亭扇橋を十代目として襲名予定の小辰師匠。出囃子の「いっさいいっさいろん」は歌が入る珍しいタイプ。この曲って元ネタはなんなんだろう。詳しい方いましたら教えてください。
 結婚式に仲人として出ることになった男が、「謡」の稽古をご隠居につけてもらうものの、本番しくじる話。
豆腐屋の売り声の部分に工夫があり、ここが非常にコミカルで笑わせどころとしてうまく機能していたと思う。今後より一層伸びていきそうなので要チェックですね。

長短 古今亭文菊
 文菊師匠はあの泳ぐような高座への出がまずいい。非常に美しい所作。それでもって毎度お馴染みのつかみがある。中身については書かない。これはまず最初は実際に生で見て欲しいからだ。これも非常に好きです。
 そんな中でも師匠の持ちネタの中で一番好きなのがこの「長短」。気の長い長さんと気の短い短七の話。この反対の気性の二人の演じ分けが見事なんですよ。表情も声も。是非一度ご覧になっていただきたいものです。

ぐつぐつ 柳家小ゑん
 新作派の小ゑん師匠は代表作の「ぐつぐつ」。これがもう受けたのなんのって、ドッカンドッカン爆受けって感じでしたね。この話は言ってしまえば、「おでんたちが会話する」という噺なんですけど、それ以上のものに仕上がっているというのが小ゑん師匠の腕ですね。
 個人的にはこの噺には円丈師匠の影響を感じます。しかし、この名前出すたびに惜しい人が亡くなってしまった、もっとたくさん聴いておくべきだった。今聴けるものは今聴かなければならないとしみじみ思います。だから本当はもっと寄席に通いたい。

紙切り 林家正楽
 今日はまずお馴染みの鋏試し「相合い傘」から「三社祭」「大黒様」でお後と交代。今日は少し持ち時間が短かった感じ?あと「三社祭」は非常に細かくて、それにも時間がかかってそうでした。

時そば 柳家喬太郎
 喬太郎師匠は古典新作どちらもこなす二刀流で、しかも両方腕があるのだから参ってしまうのだが、それ故ネタ出しでない場合、まず「古典なのか……新作をやるのか……今日はどっちだ……」ってのをマクラ聴きながら身構えてしまうことがある。
 そういったことを踏まえての本日のネタは「時そば」。う〜ん、なるほど。
いい感じにちょっと寒い寄りの気候の日だったのも話にうまくつながっていた感じですね(後年見返した時のためにメモしておくと、この辺りの数週間は記憶の乱高下がめちゃくちゃだった)。
 やっぱり、喬太郎師匠は安定感があります。外さない、必ず笑える。かといって守りに徹してるわけではない。ちゃんと挑戦もしている。信頼できる噺家さんですね。

というわけで、感想をお送りしてきました。次回も多分寄席の感想です。多分というか、もうほとんど文章はできてます。それではまた。

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