#53 おまたせしました、おまたせしすぎたのかもしれません by サンガスタジアム by Kyocera
2020年2月9日
なんか急に雪が降り出した日でした。
…まぁ、2月上旬の亀岡だし別に珍しい話じゃないけども。
20年にも及ぶ紆余曲折の末、ようやく完成した念願の球技専用スタジアム……「サンガスタジアム by Kyocera」はこの日、セレッソ大阪とのプレシーズンマッチでこけら落としを迎えました。
間違いなく京都サンガFCというクラブの歴史の中で大きなキーポイントとなった一日で、敗れはしたもののこの試合をスタジアムで観る幸運に恵まれた誰もが試合の結果や内容よりもスタジアムへの興奮に感動を覚えたと思います。ただ、これはまだあくまでプレシーズンマッチ…練習試合です。これから明治安田生命J2リーグという公式戦が始まり、そして3月にはU-23日本代表の試合も組まれていた。当時の私はタイアップ的な意味で、2020年の大河ドラマの舞台の一つに亀岡市が登場し、それに伴い大河ドラマ館がスタジアム内に設置されるなど、紆余曲折の結果「最高に幸運なタイミング」でスタジアムをオープンさせる事が出来たと、少なくとも1月くらいまでは本気でそう思っていました。
その時の観戦日記↓
今日の日付は6月28日。
まさかここまで……公式戦でのこけら落としが行われていない、なんて事態になるとは夢にも思っていませんでした。
確保していたU-23日本代表のチケットは当然消え去り、最高のタイミングと信じて疑わなかった2020年が結果的に最悪のタイミングになってしまおうとは。しかも会場の一つとして予定されていたはずの2023 FIFA女子ワールドカップの招致も実現せず、サンガスタジアムは建設経緯はまだしも…建設してからもこんな向かい風って吹くものなの?と。
一時は今季のJリーグがどうなるか、さえも全くの不透明となり、今なおその先の約束なんて出来ない状況が続いています。サンガファンが長年抱き、叶ったはずの夢は一度水泡に帰したような感覚すらありました。東京オリンピックにしてもそうですが、何故にだと。何故よりにもよって今年だったんだと。出来立てのスタジアムは今もまだ人が使った痕跡も薄く、比喩表現でもなんでもなく新品の状態のまま半年近くが経とうとしています。きっとサンガファンの多くはその無力感に対して、Jリーグ全体の不幸を隠蓑にしてなんとか紛らわせようとしていたのではないでしょうか。この余りにも無情な世の巡り合わせに対して…。
それでも6月28日、ようやくここまで辿り着きましたよ。
その紫の客席に誰も人がいない事は惜しいですが、切る事さえ出来なかったスタートが今宵、ようやく切られるのです。
25周年を1-13という壮絶なラストで締め、26年目のスタートもいきなりこんな壮絶な入りとなってしまったサンガ。J1に上がったりJ2に落ちたり、たまに天皇杯で勝ってみたり、急に主力が大量に流出しては時折スター集団みたくなって、降格危機に陥ったかと思えば首位に立って………きっとサンガを見続ける事は一生ジェットコースターに乗り続けることと意味は同じなのでしょう。投げられた塞はようやく転がり始めました。いよいよ、いよいよ…。
いよいよサンガスタジアムの開幕です。
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