SOLITUDE DARKNESS FANTASY 58

コウモリカエルの一匹が突然、長いべろを素早く伸ばし、パトルの腕に絡みついた。ぬめり気のある触感と強い力が彼の体を引き寄せようとする。パトルは驚きながらも瞬時に大剣を逆手に持ち替え、べろを切り払おうとした。しかし、べろは鋭い刃に触れた途端に素早く収縮し、再び別の方向から伸びてくる。

「しまった……!」

別のカエルがまたしてもべろを伸ばし、今度は足元を掴んだ。次々に襲いかかるべろが、まるで蜘蛛の巣のように彼の動きを封じようとしている。パトルは全身の力を込めて跳躍し、一瞬の隙を突いてべろを引きちぎるように切り払ったが、その隙にさらに別のカエルが彼の背中から迫ってくる。

「逃がすものか……!」

パトルは大剣を一気に振り下ろし、闇のオーラを爆発させて周囲のカエルたちを弾き飛ばした。闇の波動が洞窟内に響き渡り、べろを絡めていたカエルたちは一瞬ひるんだが、すぐにまた彼に襲いかかろうとする。

「まだ終わらないか……!」

パトルは一度後退して距離を取り、深く息を吸い込むと再び大剣を構え直した。このままではキリがない。何か打開策を見つけなければ、ここで倒れてしまうかもしれない。

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