SOLITUDE DARKNESS FANTASY 57

パトルが洞窟に足を踏み入れると、ひんやりとした空気が全身を包んだ。奥から微かに滴る水音が響き渡り、壁には青白い光苔がぼんやりと光っている。その光が暗闇を照らし出すと、何かがパトルの視界の端で動いた。

目を凝らすと、それはコウモリのように翼を広げたカエルだった。だが、普通のカエルとは違い、異様に大きな目が仰々しく光り、まるでパトルの動きを追っているかのようにじっとこちらを見ている。その目は不気味なまでに赤く輝き、洞窟の闇の中で鋭い存在感を放っていた。

「……なんだ、あれは」

パトルが一歩近づくと、カエルは翼を小さく震わせ、甲高い声で鳴きながら飛び上がった。洞窟の天井近くを旋回し、さらに複数のコウモリカエルが姿を現した。どの個体も同じように赤い目でパトルをじっと見つめ、まるで彼の進む道を塞ぐように空中で羽ばたいている。

彼は大剣を構え、様子をうかがいながら少しずつ前へ進んだ。コウモリカエルたちは急には襲いかかってこないが、その動きからは明らかに敵意が感じられた。さらに奥へ進むごとに、洞窟の通路が狭まり、壁に刻まれた古代文字のような模様が浮かび上がってくる。

突然、一匹のカエルが鋭い声を上げ、他の個体もそれに呼応して一斉に襲いかかってきた。パトルはとっさに大剣を振り払ってカエルたちを払い落とし、狭い通路の中で素早く身をひるがえして反撃に転じた。剣が光苔のかすかな光を反射し、鋭い刃先がコウモリカエルの翼を切り裂く。

しかし、それでもなお次々と新たなカエルが襲いかかってきて、まるで無限に湧き出てくるかのようだ。パトルは息を整え、どうやってこの状況を切り抜けるか、素早く考えを巡らせた。

いいなと思ったら応援しよう!