台湾放浪記 Day7 台湾を最後まで楽しむ【台北:中山→家楽富→松山機場→日本】
12人部屋の男性カプセルホテル型のドミトリーで寝た昨夜。
左右のオッサンの寝返りが奏でるシンフォニーで熟睡できなかった。こんな刺激的な体験ができるのだからドミトリー泊はやめられない。
心なしか日本から持ってきたモバイルバッテリーの調子がおかしい、というか作動しなくなった。
ショックでこれも隣のオッサン達のせいだ、と自分に言い聞かさねば心の平穏を保つことができなかった。
バッテリーが壊れた悲しさに包まれる中、まだ寝ている人のいるドミトリーではオッサンが襲ってくるかもしれないので、映画「クワイエットプレース」の住人のように音を立てないように帰国の準備をする。
誰かの放屁の音が聞こえてきた気がするが幻聴だと信じて作業を続ける。
日本行きの飛行機は今日の午後だからゆっくりできそうだ。
ゲストハウスのお姉さん
荷物を詰め込み、パンパンに膨れ上がったバックパックをゲストハウスに預け、受付のお姉さんに別れを告げる。
このお姉さん、チェックインの際にお釣りの金額(100元)を間違えていた。私は気づいていなかったのだが、直筆の謝罪文とともに直接謝罪に来てくれたのだ。
100元くらいでそんなに謝らなくてもいいのにと思ったのだが、その丁寧な対応に益々台湾のことを好きになった。ホスピタリティーってこういうことを言うのかもしれないな。
直筆の手紙は本当に嬉しかった。
それにお姉さんお綺麗だったし。
今回泊まったゲストハウスはこちら
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早餐(朝飯)
さあ、ゲストハウスを出てお土産を買いにいこう。
でもその前に、お腹が空いた。
昨日は高雄で昼間に食べ過ぎたので、夜はあまり食べていなかったもんな。
お土産屋への道中、早餐(朝ごはん屋)を見つけたのだが、店の前は既にローカルの台湾の方々で行列ができている。
その行列の様は外国人を寄せ付けないオーラを醸し出している。
そもそも店内で食べれるかどうかも分からない店構えだ。でも、ただ待ってるだけでは朝飯にありつけないので、一旦行列に並んでみる。
並んでいる間に、前に並んでいた台湾人の注文方法を観察して、同じように注文。豆乳だけは飲みたかったので、豆乳とパン的な漢字が書いてある何かを注文した。
※日常生活に困らない程度の中文(中国語)を早く身につけたいものだ
どうやら厨房では鉄板焼きのスタイルでお爺さんが我々の朝飯を作っているようだ。きっと何十年も同じ作業を繰り返してきたのだろう、その姿には無駄な動作が一つもない。
一つのことをやり遂げる情熱と輝きをお爺さんに見た気がした。
お爺さんによって調理された朝飯が我々の元にきた。パン的な何かはベーコン入りのクレープだった。もちろん豆乳も届いた。
クレープ自体に味はついていないのだが、ベーコンの塩気と胡椒が効いてて美味しい。そんな素朴さが豆乳とも合うので朝飯にはちょうどいい。
余談だが、店員のお姉さんに我々が日本人だと告げるとなぜか
「ペイハイダオ!(北海道)」
と笑顔で言われた。
うん、笑顔が素敵。
朝飯屋はこちら
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お土産を買う
朝飯屋を出て家楽富(カルフール)重慶店へ向かう。
お土産を買って帰らないと日本で待つ家族に何を言われるか分からない。そんなほぼ義務的な感情を抱きつつ、表情のない仮面を被ったかのようにお土産を選ぶ。
今回は初日に手に入れた5,000元クーポンのおかげで道中の移動や酒には困らない旅だった。それなりにクーポンを消費してきたつもりだが、まだ2,000元ほど余っている。このクーポンをこのカルフールで使い切る必要がある。
普段は買わないようなものも買える。2kgはあろう台湾限定キティちゃんのお菓子とほたて味のほんだしを6箱購入した。
あとはばらまき用にパイナップケーキを数点購入。これだけで2,000元(10,000円)なのだから台湾の物価が上がっているの感じる(日本の円安も要因の一つであろうが)。
キティちゃんのお菓子はバックパックに入らない大きさだ。
これで日本でもキティちゃんを片手に移動することが確定した。
キティちゃんを手で握りしめる度に日本で待つ家族の顔が思い浮かぶ。
これで帰国の準備は完了だ。
(ちなみに同行しているNさんはなぜか大きめのスーツケースを買っていた)
昼飯のワンタンメン
さっき朝飯を食べたような気がするが、我々に残された台湾の時間はあと僅かである。休んでいる暇はないので、昼飯を食べに行くことにした。
飛行機の時間も差し迫ってきたので、荷物を置いているゲストハウス近くのワンタンメン屋に入ることにした。
店内はローカルな台湾人でいっぱいだ。少し並ぶことにした。
パンパンのバックパックやスーツケースを持った風変わりの外国人が入口で並んでいるのだから、その異様さにお客からの目線を感じる。
なお、こちらとしては飛行機の時間が迫っており、そんなことは気にせず
「早く食って席を譲ってくれ」
という念をお客に送っていた。
15分程待ってやっと席に通され、ワンタンメンを注文。
我々の念が厨房にも届いたのか爆速でワンタンメンが届いた。
この普段はゆっくり作業する癖に、たまに作業速度を上げる台湾人の仕事っぷりについて、私の中では「台湾七不思議」の一つと言われている。
言うまでもなくワンタンメンは美味しい。かなりな好吃(ハオツー)である。
ただ時間がないので食べた心地があまりしなかった気がする。
爆速で調理してくれた店員に敬意を示すため、こちらも爆速で会計を済ませて店を出る。
ワンタンメンのお店はこちら
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お爺さんタクシー
飛行機の時間まで時間がない。これはタクシーに乗らねばと思い、大通りを流していた車を捕まえる。
運転手に「台北駅!」と中国語で告げると、「乗れ!」と言われた気がしたので乗車する。
運転手はかなりな高齢である。多分80歳は超えているであろう。
こんな年齢になっても働いてるのはすごいなぁと感心した。
と同時にちゃんと台北駅に向かってくれるか不安なので、スマホのgoogle mapも稼働しながら助手席に乗っていた。
※外国では信用できるのは自分のみである
google mapを見て、私が「そこ左に曲がってくれ」というがお爺さんに私の言葉は届いておらず無情にもタクシーは直進していく。
もしかしたら広い道で我々を降ろすために直進してくれたのかもと一縷の望みを持っていたが、その道も素通り。
これでは飛行機に間に合わない。
お爺さんには悪いが
「ここで降ろしてくれ!」
と伝え、目的地から500m程離れた場所で降車した。
そこに怒りの感情などなく、歳を取っても仕事を続けるお爺さんに敬意の感情で溢れていた。
生涯現役ってこういうことなんだな。
帰国へ
日本行きの飛行機に搭乗すべくMRTで松山空港へ向かう。台北駅から松山空港へはMRTを乗り継いで約30分だ。
空港に到着し、余った現金で最後の台湾啤酒を購入する。
ちなみにこの7日間の酒量は
50本(350ml/本)だった。
オンラインチェックインを済ませていたのでそのまま搭乗口へ向かう。
手荷物はバックパックとキティちゃんだけなので機内へそのまま持ち入れることにした。
手荷物チェックのためバックパックをベルトコンベアに載せようとした時、遠くにいた空港職員女性から
「好大,日本人!(あの日本人の荷物めっちゃデカい)」
という声が聞こえてきたが、そんなことで止まってはいられない。おそらく機内持ち込みの制限重量ギリギリだったと思うが、何もなかったかのように手荷物チェックを通過した。
こんな時は強い気持ちを持つ必要がある。
30分ばかり待って搭乗アナウンスがあり、無事に飛行機に搭乗。
これで7日間に及ぶ台湾放浪に終止符を打たれた。
空港に降りれない
飛行機は問題なく飛行し、無事に羽田空港に着陸。
このまま自宅に帰れると思ったが、飛行機は空港に接続できない。
何事かと思ったがこの日の東京は大雪だった。
降雪による影響で空港の駐機場が大混雑。
我々の飛行機は滑走路付近で待機せざるを得ない状況だった。
最初は数分で動き出すだろうと思っていたが、1時間、2時間と時間が流れていき、乗客にも疲れの色が出てきている。
私も暇なのでモニター上のお絵描きアプリでキティちゃん塗り絵を3回程してしまった。
キティちゃんと遊びつつ、着陸から約3時間で空港に降りることができた。
7日ぶりに降り立つ日本。大雪過ぎてここはロシアかと思うくらい寒い。
台湾で緩み切った身体が寒さで軋んでいるのが分かる。
羽田空港から自宅まで頑張って帰宅し、長かった台湾放浪が本当に終わった。
キティちゃんは最後まで一緒だった。
台湾放浪記 完
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