台湾放浪記 Day5 台湾の離島でバイク旅【高雄:東港→小琉球→瑞豊夜市→堀江→六合観光夜市】
台湾5日目の朝。
これまでノンストップで飲み食いし続けた身体の重さを感じる。
ゲストハウスの体重計がすぐそこに見えるのだが、体重計に乗るのは非常に怖いので視界に入らないように身支度を整える。目線を外した結果、ゲストハウスに泊まっていた女性を見つめてしまったのは仕方ないことだと思う。
昨日洗濯した着替えもしっかり乾いているようだ。温暖な高雄で洗濯をしてよかったと感じた爽やかな朝だった。
友人の二人と合流し、休肝日を取れない身体を少しでも労わろうと、セブンイレブンで滋養強壮剤を購入して服用する。なんだか、不思議な味でパワーが0.8倍くらいになった気がした。
気を取り直して大通りに出て、小琉球への玄関口の東港へ向かうべくタクシーを拾うことにした。
台湾でのタクシーの拾い方は日本と同じで、道路を走っているタクシーに向かって手を挙げてアピールするだけです。運転手が気づいたらこちらにもの凄い勢いで向かってきてくれる。
※最近はUberのアプリでタクシーを呼ぶことが多いらしい
高雄から東港まではタクシーで約一時間の旅。
道中タクシーの運転手との会話は弾むはずもなく、終始無言でタクシーは高速道路を飛ばしていく。
小琉球への玄関
小琉球への玄関「東港」
タクシーに揺られて東港に到着。
ICカードで支払おうとしたら現金のみと言われて、渋々少ない現金を渡して長い付き合いだった運転手と別れることができた。
(高雄から東港まで約900元でした)
昔、屏東から東港まで何度か来たなぁとか思い出す。
フェリー乗り場に向かうと、船のチケットの売り子の婦人から声をかけられた。しかし、台湾語訛りの中国語が聞き取れないのでやり取りに時間がかかってしまい、乗ろうとしている船の出発時間が近づいてくる。
焦ってきたので、婦人を連れて窓口で直接交渉。結局売り子の婦人と同じことを言っていたので、笑顔で婦人からチケットを購入した。
婦人からもらったチケットを握り締めて出発寸前の船に乗り込んだ。
揺れる船
乗り込んだ船は漁船より二回りくらい大きめの船。天気も良いし揺れることはないだろうと思っていたけど、港から10分くらいから海の波が豹変。
5秒ごとに襲ってくる縦揺れで一気に気持ち悪さのボルテージは合戦場の武士と同じレベルに。
あまりの揺れに前に座っていたお姉さんがエチケット袋にリバースしたような気がしましたが、精神を正常に保つため気づかないフリをした。
我々も目を閉じて、精神統一をしながら波が治まるのをただ待つのみ。
結局、波は治まることはなく、船は小琉球の港へ到着した。
この時点で握りしめた船のチケットはぐしゃぐしゃだ。
小琉球
バイクをレンタル
フラフラの身体で港に到着し、身体は休息を求めているような気がした。だけど、朝飲んだ滋養強壮剤が十二指腸辺りから「休むな!」と言っているような感じがしたので、バイクをレンタルすることに。
港周辺でバイクを斡旋していそうな婦人に声をかけた。
・・・
またもや婦人の中国語がわからない。
困っていたら、近くにいた若い婦人が英語を話せたので通訳してくれた。
バイク一台300元/日でレンタルできるということで、しばらく悩んでレンタルすることに。
デポジットとして日本の免許証を婦人に渡して、無事バイクを受け取ることができた。
バイクに跨り、ややアクセルふかし気味で港を後にした。
花瓶岩
小琉球の観光地と言えばここではないだろうか。
サンゴでできた岩が海風に侵食されてできた奇岩だ。
(見たままそのまま言ってるので正しくない可能性もある)
波打ち際で奇岩を見てはしゃぐ台湾人ファミリーを尻目に、我々オッサンからは何の感想も出ないまま無言で岩を見つめていた。
しばらく岩と海を眺めて、近くの寺を見学。
おそらく伝統的な建築技法を使っているであろうお寺は、奇岩よりもインパクトがあったのではないかと思うのは私だけじゃないかもしれない。
お寺を眺めて少し満足した気がした。
再びバイクに跨り、島の外周を走ってみることにした。
美食 -ハマグリ汁と揚げ魚-
島をゆるっとバイクで流していると小腹が空いてきた。
そういえば今日は船に乗る前に飲んだコーヒーしか摂取していない。
そのコーヒーも船の揺れのおかげでどこかに行ったような気がしている。
島の内地の方がご飯屋さんがあるのではないかと思い、内地に向けてバイクを飛ばす。するとなんとなく食堂の雰囲気のある建物を見つけたので、外にいた婦人へ声をかける。
なぜ日本人か聞かれたのは不明だが、おそらく外国人があまり来ないからなのと、私の顔が中央アジア風だからだろうと推測しておくことにした。
メニューを見てもよくわからなかったが、毎日の飲酒量がすごいことになっていたので、塩気のあるご飯を希望。結局、貝汁っぽい汁と焼き魚を注文した。
厨房で調理している風景を眺めているとすぐに注文した食事ができたようある。
出てきた食事はハマグリのスープと白身魚を揚げた料理だった。
スープから込み上げる匂いだけで白ごはんが進みそうな印象だ。
この時点で勝利は確定している。
まずはスープ。
磯の香りが引き立てる味は疲れた身体と胃に優しさを与えてくれる。
まさに「フバーハ」
次に揚げ魚。
歯ごたえのある肉厚の白身がいい。
トッピングの魚醤とチリソースをミックスしたようなタレが一層食欲をそそる。
これは「バイキルト」
小さな島の小さなお店なのにこのクオリティはすごい。
少し遠い場所にありますが、是非日本の皆様にも来ていただきたいお店だった。
※ちなみに台湾の居酒屋は熱炒(ルーチャオ)と言います。
今回行ったお店はこちら
↓
島のカフェ
食後に腹ごなしにバイクを走らせる。他に何もすることがなかったので島をもう一周回ることにした。
それでもただバイクを走らせてるだけで、日本での嫌なことを忘れていくような感じだった。
それだけ、この島の空気は優しかった。
海を見たくなって浜へ降りれそうな道を見つけ、ひたすら下っていくと、カフェのような建物を発見したので立ち寄ってみることに。
カフェの中は田舎のお店とは思えないほどにオシャレな雰囲気で店員さんも現地の若い方が運営されていた。
折角なのでコーヒーを一杯頂く。
お店の外の席はオープンテラスになっており、かなり開放的。
少し曇っていたのは残念ですが、晴れていれば最高の景色を眺めることができたのではないかと思う。
なぜか猫とニワトリが放し飼いにされていたのですが、人懐こい性格の持ち主だったので、「ケアルラ」くらいの癒し効果はあった。
カフェはこちら
↓
高雄へ帰る
カフェを後にすると、小雨が降ってきた。
雨の中をバイクで走っていると低体温症になるかと思うくらい寒くなってきたので港へ戻る。
それでも途中にタピオカミルクティーのお店を見つけてしまったので立ち寄った。
やっぱりこのお店のタピオカは美味しい。
次にこの味を楽しめるのはいつになるのか、複雑な思いを胸に秘めながら港を目指した。
港に到着し、レンタルバイク屋の婦人へバイクを返却。
現在と雰囲気の変わってしまった若い頃の顔写真が載った免許証を受け取り、「帰りたくない」と名残惜しい気持ちを隠すことなく、帰りの船に乗船した。
帰りの船はそこまで揺れことなく東港に到着した。
高雄の夜へ
瑞豊夜市
東港から高雄市内まではバスに乗車。約1時間で高雄に到着。
バスの車内はかなり広く、行きのタクシーよりも快適だった。
このままゲストハウスに帰るのはもったいないのでと、お気に入りの夜市である瑞豊夜市で夕食を食べることにした。
最寄りの駅である「巨蛋站」に到着し、歩いて約3分の場所に目的地の瑞豊夜市はある。この夜市、食事はもちろん美味しいのだが遊び場が多いと勝手に思っている。途中、いくつかの夜市飯を食べつつ、楽しく遊べるお店はないかと夜市内を散策する。
すると、とある女性店員さんと目が合ったので立ち止まる。
どうやらここはピンポン玉を投げて小さなコップに玉を入れる遊び場のようだ。楽しそうなので遊んでいくことにした。
・・・
簡単そうに見えて難しい。バウンドした玉が全くコップに入らない。
結局制限球数内では、目標の数をクリアすることはできなかった。
遊んでいる間、店員さんの「お前ら下手すぎるよ」という目線が冷たく感じた。切ない気持ちと純情な感情を内に秘めつつ夜市を後にした。
※遊び場の写真はないです。。
三多から中央公園へ
夜市を出た後も少し高雄の夜風に当たりたかったので中心部である三多へ向かうことにした。最寄り駅の「三多商圏」で下車して地上へ出る。
相変わらずデパートの密集地帯でここだけ風景は日本と変わらない。
三多から高雄の原宿と言われる「堀江」を抜け「中央公園」までやってきた。これまでかなりのご飯を胃に運んでいるにも関わらずお腹が空いてきたので、台湾の餃子チェーン店である八方雲集で餃子を食べることにした。
ニラ餃子と麺を注文し、美味しいのは見た目で分かるので、もう感想を言うまでもなく無言で口の中に餃子を運んでいた。
餃子のお店はこちら
↓
満腹になったところで、ゲストハウスの近くにある六合夜市をふらり。もうご飯はいらないのでただ歩くだけだったけど、現地の人と観光客が入り乱れる熱気溢れる雰囲気に力をもらった。
帰りにコンビニで本日10本目の台湾ビールを購入してゲストハウスに到着。
長かった一日が終わった。
五日目所感
台湾の離島小琉球。
そこに行くだけで日本で感じる嫌なことや疲れが吹き飛ぶと思っていた。実際、島でバイクを飛ばしていてそんな負の気持ちが消えていったのだが、それはこの島のおかげだけではないのではと思った。
バイクを飛ばしたり、現地の婦人と話している時、自分の発言がどのような結果に結びつくのかとか無駄なことを考えていなかった。所謂自然体でいられたことが、自分にとってプラスの方向に持っていくことにつながったのかもしれない。
「リセット」すること。
それが日本しかも都会である東京に住んでいる自分に足りないことなんだ。
当たり前のようで忘れていた。
そんな大切なことを思い出させてくれた台湾の小さな島。
いつかまた帰ってきた時に「ありがとう」と伝えたいと思う。
次回 「アヒルとの再会、そして高雄との別れ」編に続く