台湾放浪記 Day3 台南弾丸日帰りの旅【台南:台南駅→安平古堡→安平老街→神農街→士林夜市(台北)
古都台南へ
台北滞在も3日目となり、台北で行くところが少なくなってきたなぁと感じていました。折角なら台湾南部にでも行ってみようと思い、高鉄(台湾新幹線)に乗って台湾の古都と称される台南へ向かいました。
※当日の夕方に台北で約束があったので日帰りの旅程となります。
台南とは
台南は台湾で最も早く開発された土地です。400年前にオランダ人による開発で現在の安平区周辺にゼーランディア城(現在の安平古堡)や港湾部の開発が進められました。
中国清朝時代になると明出身の鄭成功による政権が樹立。台南は台湾の首府となり、政治・経済・文化の中心として発展しました。ちなみに鄭成功はオランダ軍を打ち破り台湾を守護したことから、台湾の三人の国神と言われています(残りの二人は台湾建国の父である孫文と蒋介石)。
台湾の歴史は台南から始まったということから、歴史は浅いですが日本でいう京都のような立ち位置として、多くの観光客を魅了しています。
また、美食の街としても有名で、海老などの海産物を使用した担仔麺(タンズー麺)などがご当地の食事として挙げられます。
台南へのアクセス
台北から台南へは高鉄(台湾新幹線)お勧めです。所用時間は約1時間30分です。もしくは高速バスでアクセスできます。
現在、外国人向けに台湾新幹線割引切符が販売されていますので、近く新幹線を利用される方は以下のリンクより予約いただければと思います(2024年5月31日まで)。
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台南到着
高鉄台南駅から台鉄台南駅へ
台南を最後に訪れたのは数年前。
10数年前に台湾南部の屏東(ピンドン)という場所に長く滞在したことがあり、電車を降りた瞬間に感じる熱気と檳榔(ビンロウ:噛みタバコの元となる実)の木々が「帰ってきたなぁ」とあの頃の記憶を思い出させてくれます。気候と植物からしても北部と南部の雰囲気は違いますね。
そんな懐かしさと切なさの残るこの地に再び来ることができて大変嬉しく思います。
高鉄台南駅から中心部の台鉄台南駅へはローカル線に乗り換えます。ローカル線に乗り20分ほどで、ようやく台鉄台南駅に辿り着くことができました。
バス停が解読困難
目的地である安平古堡に行くためには台南駅からローカルバス(もしくはタクシー)に乗る必要があります。台南駅前には多くのバスが停車するため、その路線図は外国人観光客にとって解読困難です。
どのバスに乗っていいか分からないため、駅前に立っていた観光案内役のお姉さんに行き方を教えて頂きました。
教えられたバス停へ向かい、すごい勢いで乗り場にやってきたバスに乗車。現地住人をパンパンに詰め込んだローカルバスに揺られること20分、ようやく安平古堡に到着しました。
安平古堡
安平古堡(アンビングーバオ)とは
安平古堡は400年前にオランダ人によって建築されたゼーランディア城の跡地です。その後、鄭成功統治時代に増築を重ねられていましたが、中国の清朝時代になると、その重要性の少なさから放置され風化していました。
その後日本統治時代に再建され、第二次世界大戦後に安平古堡と名付けられました。
安平古堡散策
入場料を支払い、施設内に入ると資料館と売店が目に入ってきます。ひとまずこの施設限定の成功啤酒(ピーチオ:ビール)を売店で購入して喉を潤します。
グイッと啤酒を飲み干し、台南の歴史を学ぶため資料館へ向かいます。
施設内は台湾原住民と漢人(中国人)が生活していた時代から、オランダ統治下の出来事を経て鄭成功時代の流れまでの展示物を見ることができます(日本語翻訳の解説もあります)。
台湾の歴史の始まりを学べる貴重な場所なので、いつか足を運んでいただければと思います。
資料館を後にして展望台へ。酒の入った身体に鞭を打って展望台を駆け上がります。登りきった先の展望台には無限の景色が拡がっている...
と思いきや窓が汚れていて無限の景色とはいきませんでした。
本来であれば安平古堡の裏にある安平樹屋という場所にもいきたかったのですが、帰りの新幹線の時間もあるため断念しました。
安平樹屋はガジュマルの木で覆われた木々の中をアスレチック感覚で通り抜けることができます。お時間のある方はこちらにも寄り道してみてはいかがでしょうか。
安平樹屋については以下のリンクより解説があります。
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安平老街
昼食を食べに安平古堡の近くにある安平老街(ラオジェ:古い通り)へ。
美食 -担仔麺と蚵仔煎-
台南は海鮮が有名なので、「海のものを食べたいなぁ」と思っていたら、ドンと大きな看板が目につきました。蚵仔煎(オアツェン:カキオムレツ)って書いてあるので海鮮の店だろうなと推測し、爆速で入店。
蚵仔煎と台南名物の担仔麺を注文。
暴力的なエアコンの風量に身を震わせながら待っていると食事が届きました(ちなみに台湾のエアコンには基本的に暖房はありません)。
まず蚵仔煎。プリップリの牡蠣が口の中で踊っているようです。ケチャップベースのタレも酸味が効いてて美味しい。「これこれ」と心の中で唱えながら担仔麺を口に運びます。
※蚵仔煎の写真は撮り損ねました。
次に担仔麺。
海老風味のタレが麺に絡まってて旨みが濃縮されてます。麺の上に乗った肉もパンチが効いてて美味しいです。移動の疲れもあり、数分で完食してしまいました。
最近では台北や東京でも担仔麺を食べることができますが、本場の台南に来たらこれは食べとかないとですね。
美食 -珍珠奶茶-
胃は満たされましたが、身体が甘いものを欲していたので、この度で食べたかった二つの食事の内の一つである珍珠奶茶(チェンツーナイチャー:タピオカミルクティー)のお店へ直行しました。
私がこれまで飲んだ珍珠奶茶のお店でベストと思う店がこちら…
「茶の魔手」
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このお店の売りはなんといってもお茶のおいしさではないでしょうか。香ばしいお茶の風味がなんとも言えない味を醸し出しています。
しかも、この「茶の魔手」ですが、台湾南部中心にしか出店していません。そのため日本はもちろん、台北では飲むことができません。(一時期渋谷に出店していたようですが、現在は閉店しているみたいですね)
基本的に台湾南部では英語は通じることが少ないので、
「一杯、珍珠奶茶。半糖、微冰。(イーペイ、チェンツーナイチャー、バータン、ウェイビン)」
と言ったら何とか伝わると思います。
ちなみに「半糖、微冰」は個人的おすすめの配合比率です。
台湾南部に来たら是非飲んで頂きたい一品です。
以前私が「茶の魔手」について書いた記事はこちら
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神農街
神農街(シンノウジェ)とは
古き良き台南を感じることができる通りです。午後からゆっくりとオープンするお店も多く、ライトアップされた街はノスタルジックな気持ちを呼び起こしてくれます。
台南の若い人達が作ったカフェも多く、街歩きにもちょうどよい場所ですね。
時間の都合でお昼間のみの散策となったのですが、ちょうど昼食の時間とも重なって多くの人で賑わっていました。
今から駅までのバスを待つのも大変なので、神農街を抜けつつ、歩いて台鉄台南駅へ向かいます。そこからローカル線を乗り継ぎ、高鉄台南駅より台北へ戻りました。
今回滞在時間は数時間でしたが久々の台南を満喫できて満足できました。今回紹介できなかった場所には、林百貨店など日本に縁のある建築物も点在しているので、台南観光の際は一泊以上することをお勧めします(もしくは高雄からの日帰り)。
士林夜市(台北)
台北に戻り、日本からやってきた友人と合流。
台湾ぽい夜市に行きたいらしいので、台北最大の夜市と言われている「士林夜市」へ。MRTで最寄りの駅まで向かいます。
美食 -胡椒餅-
台湾に来たら食べないと帰れない一品と言われる胡椒餅(フージャオピン)を屋台で購入。当日合流した友人は貪るように食べていました。
美食 -生煎包-
少し歩いて生煎包(シェンツェンパオ)を購入。士林のこのお店のやつ謎に旨味が凝縮されてて美味しいんだよな。
こちらは3口くらいで完食。
原上海生煎包のお店はこちら
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美食 -大鶏拝-
またもや台湾に来たら一回は食べないといけない美食シリーズ。その名も鶏拝。ここ士林夜市にはただの鶏拝でなく“大”鶏拝なるものがあります。お店に向かい即時に購入します。
屋台のオッチャンにぶっきらぼうに渡されると...
デカい!そこには女性の顔よりデカい鶏の唐揚げが。
サクサク、ジューシーで旨味十分。
量が多いので一人では食べきれないかもしれませんが、台湾の夜市に行ったら一度は食べたい美食の一つですね。
今回行ったお店はこちら
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Day3所感
前回訪問時からの変化
久々の台南でしたが、以前と比べても安平のような観光地の状況は特に変化はありませんでした。気候についても暑過ぎず寒過ぎずで過ごしやすい時期に来れたなと思います。
また、駅前の案内スタッフに英語を話せる人がいたため、なんとかコミュニケーションをとることができました(前回はいなかった)。
台南を観光するなら
今回は日帰りの弾丸訪問でしたが、台南には林百貨店、花園夜市、月世界、烏山頭ダムなど訪れるべき場所が多数あるため、できれば宿泊したいところです。
ちなみに台南のゲストハウスに泊まるならこちらがお勧めです。
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と言っても、今回台南に来ることができて嬉しいです。懐かしの台湾南部の独特の空気と住人との交流から、日本で疲れていた身体が元気になっていくのを感じました。
やっぱり自分で自由に動ける旅はいい。たまにはこんな日々があってもいいよねと感じた台南訪問でした。
次回 Day4 哀愁の高雄編に続く