
不思議な符合
「夢に関する図書館」を創りたいという強い思いから、手探り状態でこのnoteをスタートしたわけですが、ほどなくして一冊の本に出会いました。
それは、澁澤龍彦『夢のかたち』です。
澁澤龍彦は、フランス文学者であり、圧倒的な知の巨人であり、翻訳家であり、作家である方で、その著書に初めて出会ったのは大学生の頃でした。
当時、たくさん文庫本が出ていたので、むさぼるように次々と読み漁り、新作が楽しみだなあと思っていたところ、すでにこの世にはいない方だと知り、ひどく寂しい気持ちになり、涙があふれ出たことを思い出します。
その後、しばらく離れていた時期もありましたが、またここ数年、再び読み始めていたところで、つい最近手に取った本が『夢のかたち』でした。
これは、古今東西さまざまな文学者が、「夢」について触れた一節を引用したアンソロジーのような本で、なんだ、もうこんな昔に私がやりたかったことをやっていた人がいたんだ、という思いと、それがあんなに大好きだった澁澤さんの仕事だったということで、なんとも不思議な符号というか、苦笑するとともに、ちょっと嬉しくもあり、なにかつながるものがあるのだなあと実感したわけです。
澁澤さんが、この本を編んだのは今から40年も前のことですが、私はこの40年間に世に出された本や映画などもできる限り収集していきたいと思います。澁澤さんの思いを少しは継いでいけたらいいな、なんて畏れ多いことも思いつつ・・・