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夢をそのまま文章にする⑤

とても朧げだったり、妙に現実的だったり、夢はフィクションなのかノンフィクションなのかさえも曖昧なときがあります。或いは、虚構と現実が入り混じり、化学的反応を起こし、複雑な物語を編み出すときもあります。そのような、自分が見た夢をそのまま文章にします。しかし、あくまで夢なので、見たとき、かつ覚えていたときに限り不定期に更新します。暫くは、過去に見た夢でメモ的に記録したものの中から文書を推敲して掲載していきます。登場する人物、団体、地名などは現実のものもあれば、夢の中で生み出された架空のものもありますが、なるべく見た夢のまま表記したいと思います。また、夢なので、作文のセオリーに則って、段落を変えたり、一部を強調したりというような小説的な手法は極力排除し、基本、改行なしの一文として記します。夢の長さには長短があり、そしてそもそも夢というものがシームレスな構造上、意図的に時間を長くしたり遡ったり進めたりもしません。夢の始まりから覚醒まで、見たままの時間軸で記します。それではみなさん、今宵も良き夢を。

第五話 夢のなかで夢をみる

ポケットに手を突っ込みとても寂しい気分で佇んでいる自分。誰かに褒められたりすることを望んできたわけでもないし、誰かに特別非難されるために生まれてきたわけでもないが、今は寂寂とした乾いた空気が纏わりついて、どうしようもなく孤立している自分を見ている自分。やがて場面はひとり暮らしの質素な部屋のベッドに寝そべり天井を見上げている自分を見ている自分へ。やがて温かい羊水の中にいるような不思議な感覚と、永遠に奈落の底を落ちていっているような感覚に襲われ、もうどうにでもなれ、どうしようもないんだと諦めた気分で記憶が薄れていき長い眠りの中へと潜り込んでいった。夢の中で夢を見ている感覚と、現実世界のどうしようもない出来事の断片が複雑に絡みあって、どこか糸口のようなものはないかと必死で探しているようで探していない自分の気持ちを感じたと思ったとき、夢から目が覚めた。

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