夢をそのまま文章にする⑥
とても朧げだったり、妙に現実的だったり、夢はフィクションなのかノンフィクションなのかさえも曖昧なときがあります。或いは、虚構と現実が入り混じり、化学的反応を起こし、複雑な物語を編み出すときもあります。そのような、自分が見た夢をそのまま文章にします。しかし、あくまで夢なので、見たとき、かつ覚えていたときに限り不定期に更新します。暫くは、過去に見た夢でメモ的に記録したものの中から文書を推敲して掲載していきます。登場する人物、団体、地名などは現実のものもあれば、夢の中で生み出された架空のものもありますが、なるべく見た夢のまま表記したいと思います。また、夢なので、作文のセオリーに則って、段落を変えたり、一部を強調したりというような小説的な手法は極力排除し、基本、改行なしの一文として記します。夢の長さには長短があり、そしてそもそも夢というものがシームレスな構造上、意図的に時間を長くしたり遡ったり進めたりもしません。夢の始まりから覚醒まで、見たままの時間軸で記します。それではみなさん、今宵も良き夢を。
第六話 結婚式
ホテルの結婚式場のようなところにいて吹き抜けになった天井近くの窓から柔らかな光が降り注いでいるのが見える。式場のスタッフらしき人数人がマイクのコードを引っ張ったりガイドの高さを上げたり下げたりしている。入り口近くでは礼服を着た男性が台本のようなものを見て、上を向いたり遠くを見たりしながらひとり頷いているのが見えた。フィアンセなのだろうか、胸元にドレープの入った白いシャツを着て黒のパンツルックの女性が僕の隣に立っている。女性は僕よりも3センチほど背が高く、見た目は宝塚の男役のような感じだ。僕はといえば、まるで新世紀エヴァンゲリヲンに出てくる碇シンジのような白いカッターシャツに黒い学生ズボンを穿いていて、その女性を少し見上げるような感じで立っている。ふと気がつくと、その女性も僕も左手の薬指には指輪があって、どうやらそれぞれに結婚しているというのが理解できた。ただ彼女が僕の妻で、僕が彼女の夫という確信は持てないでいた。しばらくして大きな扉が開き参列者と思われる人々がガヤガヤと入場してきたがどの顔にも見覚えはなく、僕はそのホテルの結婚式場と思える場所にいる全ての人を誰ひとりとして知らなかった。バイキング形式の料理や飲み物が並ぶ一角があり、中では料理人やウエイターのような人たちが忙しなく動いていたが、参列者が座るための椅子やテーブルがない不思議な空間であることに気づいたとき、夢から覚めた。
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