2021年6月1週のアフリカニュース:エジプトとスーダン軍事訓練、クーデター対応、アマゾンのアフリカ本社、ナイジェリアTwitter禁止、WW1のセネガル人兵士、コンゴのアプリ、仏とアフリカ
2021/6/2-2021/6/8にシェアしたアフリカニュースです。
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この週は大きな話が多かったですが
エチオピアとの緊迫を背景にエジプトとスーダンの合同軍事訓練を行った話、
マリ、チャドと続くクーデターとアフリカ連合の対応、
米国企業アマゾンがアフリカ本社を南アに建設、その土地を巡るいざこざ、
ナイジェリア大統領とTwitterのバトルでナイジェリアは国内のTwitter利用を禁止、
第1次世界大戦でフランス軍として戦ったセネガル人兵士の物語がブッカー賞受賞、
コンゴの火山噴火で家族が再会するためのアプリをコンゴ人が開発した話、
ここ最近のフランスとアフリカの関係性について。
#アフリカ 892 2021/6/2
【エジプトとスーダンの合同軍事訓練 エチオピアとの緊張を背景に】
エジプトとスーダンの合同軍事訓練。
ずっと揉めてるナイル川ダムですが、強硬姿勢を崩さないエチオピア、これで3か国の戦争にでもなったらまた大変ですよね。
エチオピアが経済的補償をするしかないんでしょうか
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・エチオピアとの関係緊迫を背景にエジプトとスーダンの陸海空軍の合同軍事演習「ナイル川守備」が終了
・両国の参謀総長はエチオピアに直接言及はしていないが、紛争となっているナイル川ダムについて
軍事介入の準備が出来ているとのメッセージになっている
・エチオピアのナイル川ルネサンスダムについてはエジプト、スーダンとも水量減少による経済ダメージを懸念
Egypt, Sudan conclude joint military drill amid tensions with Ethiopia
https://www.africanews.com/2021/06/01/egypt-sudan-conclude-joint-military-drill-amid-tensions-with-ethiopia/
#アフリカ 893 2021/6/3
【アフリカ連合のクーデター対応 マリとチャド】
マリ->チャド->マリとクーデターが続きましたがアフリカ連合の対応、
治安面など考慮して受け入れたり制裁したりのよう。
並べてみるとアフリカはクーデターたくさんですね。2010年代前半が多くて、その後はむしろ減っているのかも。
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・アフリカ連合AUは先週軍事クーデターのあったマリに対し、
AUでの活動停止と制裁の可能性を発表
・マリのGoita陸軍大佐は昨年8月にはケイタ大統領を退陣させ、
今回は暫定政権のトップを退陣させた
・AUの活動停止は標準的な手続き
・今年4月チャドでは大統領が前線で死亡、軍隊はその息子を後継に据えた
->AUは承認。憲法に則らない政権移行に対する手続きに反する
・マリ人アナリスト:チャドでの安全懸念を考慮した決定だろう
マリは民主制、複数政党があるが、チャドは30年間軍事政権
・チャドはサヘル地域、チャド湖地域の治安に大きな役割。過激派対策での出兵にも貢献
リビアの安全危機から中部アフリカを守る役割も
・コンゴの政治アナリスト:AUのダブルスタンダードだ
8月の際は軍に文民政権を強いたが、軍はそれに不満だった
・2010年以降のクーデターとAUの対応
2010年ニジェール:会員停止
2012年マリ:会員停止
2012年ギニアビサウ:会員停止
2013年中央アフリカ:会員停止、制裁
2013年エジプト:会員停止
2015年ブルキナファソ:制裁
2019年スーダン:会員停止
2020年マリ:会員停止
Coups: Why the AU acted tough on Mali but ignored Chad
https://www.africanews.com/2021/06/02/coups-why-the-au-acted-tough-on-mali-but-ignored-chad/
#アフリカ 894 2021/6/4
【アマゾンのアフリカ本社 雇用か伝統か】
アマゾンがアフリカ本社を南アフリカに建設予定、
その土地を巡って地元民が反対。
経済か伝統・環境保護か、どこでも起きる問題ですが、南アはアパルトヘイトの歴史と部族の主張で一層難しいですね。
部族を尊重した施設も用意しながら進める方向になるようです。
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・米国企業アマゾンのアフリカ本社の建設が南アで始まる
->ケープタウンの先住民コイサンKhoi and San族がいたが
ポルトガル->オランダに襲われてきた土地
->Khoi族は反対「世界遺産にしたい。コンクリートはいらない」
・アマゾンはすでに現地で数千人を雇用
->歓迎の声と反対派の抗議:コミュニティリーダーらと環境活動家
->ふたつの川が合流する場所で環境的に重要な場所
・南アでは土地の歴史と所有権について課題が多い、センシティブな問題
・ケープタウン市長「投資と雇用、伝統と配慮ある計画のバランスが必要」
ケープタウンは観光重視の都市だが、コロナ禍で経済ダメージ
・建設計画はコイサン族の伝統と歴史も尊重:先住民の庭や伝統センターなど。コイサンも雇用
->合意する人、まだ戦う人
・市長は4月に計画のゴーサイン。伝統保護のための2年間の停止期間ののち
Jobs vs heritage: The battle over Amazon’s new Africa HQ
https://www.aljazeera.com/news/2021/6/3/amazons-africa-hq-on-ice-as-communities-push-for-heritage-status
#アフリカ 895 2021/6/5
【ナイジェリアはTwitter禁止へ】
ナイジェリアとTwitterのバトル。
ブハリ大統領の激しめのツイートをTwitterが削除し、報復で(?)ナイジェリア政府は国内でのTwitter利用を停止。
表現の自由と規制の間で意見は分かれそうですが、Twitterが一方的だなあと個人的には思います。でも難しいですね
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・ナイジェリア政府は国内でのTwitter利用を当面停止
->情報文化大臣がTwitterでアナウンス
->Twitterがブハリ大統領のツイート削除した2日後のこと
・ブハリ大統領のツイート:政府ビルを襲撃した地域分離主義者を脅す内容
・Twitter利用停止については野党、活動家、国際社会から非難の声:表現の自由を奪うもの
・Twitterは4月にガーナに地域本社の決定
->ナイジェリアはテック系への規制が厳しい
Nigeria announces shock Twitter ban
https://african.business/2021/06/technology-information/nigeria-bans-twitter/
#アフリカ 896 2021/6/6
【国際ブッカー賞:セネガル人兵士の恐ろしい話】
第一次世界大戦のフランス軍で戦ったセネガル人兵士のフィクションが国際ブッカー賞受賞。
この本は以前にセネガル人のアブさんが解説してくれたことがありますが、フランス語を英訳したものがイギリスの賞を受賞。
日本語翻訳もされるかもしれませんね。
150ページの短編ということで、フランス語や英語でトライするのもよいかも。
こちらはアマゾンの英訳ペーパーバック
https://amzn.to/3imX14G
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・小説“At Night All Blood Is Black,”(夜には全ての血は黒い)
->作者:David Diop デビット・ディップ 仏->英訳者:Anna Moschovakis
・第一次世界大戦のフランス軍で戦うセネガル人兵士の短編150ページ
・英訳フィクション分野で名誉ある国際ブッカー賞を受賞
・賞金5万ポンド(7万ドル)
・審査員「この悲劇的な物語は恐ろしさが語られ、その表現の美しさの間にある」
・作者Diopはパリ生まれの55歳。フランス人の母、セネガル人の父、幼少期はダカールで
・フランス軍で戦ったセネガル人についてはセネガルではよく知られているがフランスではほぼ語られない
「それでセネガル人戦士についての物語を書きたかった」
・フランスではすでに17万部売れた数々の受賞。受賞でより売れることを期待
‘Frightening’ Tale of Senegalese Soldier Wins International Booker Prize
https://www.nytimes.com/2021/06/02/books/international-booker-prize-at-night-all-blood-is-black-david-diop.html
#アフリカ 897 2021/6/7
【コンゴでアプリ 火山噴火後の家族を探すため】
火山噴火のあったコンゴで地元の開発者が家族を探すアプリを開発。いろんな場面で使えそうですね。
真っ暗な夜中に避難していたから離れ離れになりやすいんでしょうか、うまく再会できますように
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・24歳のコンゴ人、Victoireさんのチームは「火山警報ブレスレット」を開発
->バーコード付きのブレスレットとモバイルアプリ
->火山噴火後に避難した人々がつながり、行方不明になった子供を見つけるツール
「ゴマから避難する中で多くの家族が離れ離れになりました。
メディアを通さなくても子供を探せるようにアプリを開発しました」
・アプリはフェイクニュースを避け、今後の火山噴火情報を届ける機能も
・ICRCとユニセフによると100人以上の子供が親とはぐれており、多くがまだ親と再会できていない
App seeks to reunite families after DR Congo's volcano eruption
https://www.africanews.com/2021/06/04/app-seeks-to-reunite-families-after-dr-congo-s-volcano-eruption/
#アフリカ 898 2021/6/8
【フランスとアフリカの関係】
アフリカにおける最近のフランスについて謎でしたが
アフリカの中でも未来を向いていこうという人と騙されるなという人がいるようですね。
フランス否定派を抱き込んで進めていくフランスは流石かも。
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・カメルーンの脱植民地後の学者Mbembe氏63歳。南アで大学研究員
->フランスのマクロン大統領から第29回アフリカーフランスサミットの準備を依頼された
・マクロン大統領を「想像力に欠けている」と批判してきた
->フランスは旧植民地領、特に西アフリカで保護者的で有害な影響力を維持しているとして
->過去のフランス大統領はその関係性を終わらせると述べてきたが「francafrique」(フランス的アフリカ)と揶揄
・複数のアフリカンとの対話から変化の兆しも見える
「強者のみが安全と安定を維持できるという考え方が変わってきている。一晩では変わらないが」
・マクロン大統領はフランスのイメージアップに努めており、英語圏アフリカにも。今までは無視してきた
ルワンダ訪問での謝罪、南ア訪問でコロナワクチン生産の協力を約束、モザンビークの反乱対策への協力約束など
・マクロンの真意に対する疑念は多い
マクロンに協力するMbembe氏を純粋すぎると批判する学者も
・サミットはコロナで2度延期になったが10月開催予定
'Right moment': Scholar Mbembe on his role in France-Africa summit
https://www.africanews.com/2021/06/07/right-moment-scholar-mbembe-on-his-role-in-france-africa-summit/
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Blue Baobab Africa ブルー バオバブ アフリカ。 東京タワーの麓でアフリカとメンタルヘルスと色々のごちゃ混ぜをやっているカフェですがゴーイングコンサーンに疑念しかないので サポート頂けると嬉しいです。