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53.1周年

木曜日は彼とランチ。11時30分にお店で待ち合わせ。

車で向かってる途中で着信。

遅れちゃうって連絡かな?と思い出ると、そうではなく彼は彼で向かってるよ、の電話だった。

電話したまま車を走らせ、コインパーキングに駐車し、電話したままお店へ向かう。着いた?と言われたので今ここ、今はここ、と実況しながら向かう。

お店はビルの3階。彼はすでに店前にいたようだ。私がお店の下に着きそうなのがわかると1階に降りてきた。私を見つけ、「いたいた」と明るい声で嬉しそうに私を出迎える。

2人でエレベーターに乗った。3階に着くまでに彼がキスをしてきた。

お店に入り、個室に通され、ご飯を食べる。もちろん隣同士で。

私が半分くらいしか食べてないのに彼はもう食べ終わり、私を後ろから抱きしめてきた。

ゆっくり食べていいからね。と言われたけど、なかなかに食べづらい。

もぐもぐしてたら、彼が「我々、1年ですなぁ」と変な口調で話してきた。と同時に、カバンから赤いラッピングのプレゼントを出し、私にくれた。完全にもぐもぐしている私に。

え?え?となりながらも開けると、素敵なスカーフ。

彼が「バッグに付けてたでしょ。」と言う。最近秋用のバッグに変えたのだが、その前に使っていたバッグにスカーフを付けていたのだ。多分彼の前でそのバッグだったのは4.5回くらい。

よく見てるね、嬉しい!ありがとう!と言うと、見てるさ。とご満悦な表情。

綺麗なピンクのスカーフ。きっとあのバッグにつけたら可愛いだろうな。嬉しかった。

こういうの買ったことないからよくわからなくて…。と言っていた。

あまり買わない?ホワイトデーとか。と聞いたら、いや、買ったことない。お菓子配って終わりだ。と。

彼が私にくれるものはピンクが多い。可愛い女の子のイメージをしてくれてるのだろう。

決して私がピンクの服を着てるわけではないことはここで強くいっておきたい。むしろいつもモノトーンコーデなことをお伝えしたい。


1年だよ、すごいよねー。
いろんな拗ねを経て、1年が経ったね。と彼が言い、

そうだね、それの対処もだんだん上手になってきたね。と私が答える。


1年経っても変わらないのが本当に嬉しいよ、と私が言うと、

だって変わらず可愛いし、好きにさせ続けてくれるから、大好きなままだよ。と彼が言ってくれた。

およそ2時間ほど食事を楽しみ、店を後にした。

私を見送ってくれた。少し離れて振り返ったら、彼がまだ私を見ていて互いに手を振った。

すぐに電話が来て、
「なんでそんなに可愛いの?これ以上可愛くはならないだろうなって思ってるのにさらに可愛くなるのやめてくれるか」と冗談混じりに文句を言われた。

可愛いなーってしみじみ思う。と相変わらず褒めてくれる。さらには、ぞっこんだ。と昭和丸出しの表現。そして私が家に着くまで電話を切らない彼。心配なのだろう。大丈夫なのに。


私は家に着き、彼は会社に着き、一旦電話を切った。

私はそのあとギャラリーに行き、アートに触れ、実にいい休日を過ごした。


夜はジムに行き、終わる頃に彼から電話がまた来た。

改めてプレゼントのお礼と、私ばかりもらってごめんね。を伝えた。

そんなの全然いいんだよ。と彼が言う。

今度何か作っていこうかなとぼんやり考えた。

最近彼がハマってる言葉で、
安心安全の俺 というのがある。

謎の言葉なのだが、「あなたのことだけ。何にも心配いらないよ、他に女なんぞいないよ」の意味だ。

そのことについて彼がいきなり

「俺いつも安心安全って言うけど、やっぱそれってどこか退屈?ミステリアスな部分があったり、他の影があったりした方がいいのかな?…って言っても何も危険な匂いもさせられないんだけど。」と言った。

私は言葉を最後まで聞かず
「いややだよ。私は安心できないとだめだなー。あなたしかいないよって言ってくんないと無理。」と言った。

「実際あなたしかいないよ」と彼が笑った。

大好きも可愛いも言ってくれて理想的だよ。と言うと、ほんとのことを言ってるだけだよ。と言われた。

今週は何だかあっという間に過ぎてしまい、また土日がきてしまった。

金曜の夜の電話の時、しばしバイバイだね。と言うと またそんなこと言うー。と困らせてしまった。

また月曜日ね。早く月曜日になって、早く声が聞きたいな。

そう思ってベッドに入り寝た金曜日の夜。

今朝起きて、支度をしていたら彼から電話が。

どうしてだろ、土曜日の朝なんて珍しい。

電話に出ると、用があって会社に来たとのこと。一瞬でも電話できるタイミングがあるとかけてくれる彼が大好きだし、私が元気がなくなると困るから気にかけてくれてるんだと思う。彼は明日ゴルフだから今夜は練習行かない。となると今日1日本当は電話がない日。でもこうして今隙を見てかけてくれる。

おはよう、の言葉が聞けて嬉しかった。


少し話して電話を切った。いつもの土日より、日中もLINEがきていた。
私が返すとわりとすぐに返信があった。

夜になり、私は彼に
【おてがみ】
というタイトル付きでLINEを送った。

この日は私たちの1年記念日だからだ。

私も好きです。と伝えてから1年が経った。
あなたのおかげで毎日が楽しい。
こんな私によく付き合ってくれているなーという想い。
伝えたいメッセージは大好き。ずっとずっと大好き。
ということを送った。もちろんもっと可愛らしい文章で。


しばらくすると彼から
【へんしんのおてがみ】
というタイトルで返事がきた。

根気負けして首を縦に振ってくれた日から1年。

あの頃と全く気持ちが変わってない。変わらない気持ちにさせてくれてありがとう。

可愛くて愛しくて、拗ねるところも全部大好きだ。これからも笑顔で幸せな日を一緒に送りたい。
いつも、毎日、ありがとう。

という内容だった。

束縛が激しくてごめんとも書いてあった。


幸せだなーと思った。

彼がいるから頑張れる。心底そう思った。


翌日は夕方に電話をかけてきてくれて、話せた。


この土日は電話もLINEもできた。1周年だからだろうか。土曜の予期せぬ電話はきっとそうだと思う。


彼への【おてがみ】にも綴った文章。

「逢えると嬉しくて楽しくて、でもバイバイする時は悲しい。寂しい。これが最後になるかもしれないと思い、でも最後になるならそんな顔を見せたまま離れたくないから笑ってまたねと言う。そしてその日の終わりにあなたからLINEがくるとほっとする。そんな1年間だった。」


常に別れと隣り合わせ。脆いからこそ気持ちを伝えたい。

契約もしてない。文書で繋がってもいない。何もせずとも一緒にいられる関係ではない。

だから私は彼が大事だということや好きなことや、一緒にいると楽しいということを伝えたい。

可愛いと言われるように努力もしたい。
彼にとって癒しであり、元気の源でありたい。


たった1年しか経っていないけど、不倫は1年未満で終わることも少なくない。

1か月後も、半年後も、また拗ねながら、機嫌をとってもらいながら、月日を重ねていきたい。


そして来年の10月21日も、【おてがみ】を彼におくりたい。

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