【不思議な夢】私が選んだ相手とは?
知らない男性と幽霊が私の前に姿を現した夢の話。
初夏の少し寝苦しい夜に見た不思議な夢は今思い出しても本当に謎が多い。
今までの私が見てきた夢とは全然違っていたからだ。
その夢を見る直前、目の前に突き付けられた現実を受け入れることが出来ない状況でかなり不安定だった。
一体どうすればいいんだろう?
なぜ、こんなにも心が苦しいんだろう?
誰かに救いを求めたい気持ちが強かった。
誰か、誰か私の手を取って引っ張って欲しい。
そういう気持ちが見せた夢だったのかもしれない。
夢の内容は以下から記していく。
気が付いた時には知っているようで知らない田舎村に居た。
もしかしたら子供の頃に住んでいたあの田舎に近いかもしれない。
私はここで何をしているのか。
こんなところに居ても仕方がない、歩いてどこかに移動しよう。
そう思っていた矢先に誰かの気配を感じた。
目の前に知らない男性が現れた。
白いTシャツの中央部分に緑色の小さな蛙の絵が描かれている。
顔は靄がかかっていてはっきり見えない。
体型はスラっとしており、透き通るような綺麗な色白の肌、力強く長く伸びた足、長すぎない黒い髪に私は少し興味を抱いてしまった。
仕事以外で異性と対面するなんて久しぶりかもしれない。
ちょっと待った、知らない相手だから気を緩めてはいけない!
当然ながら現実では知らない相手である。
信頼していいのかどうかの判断がつかなかったために身構える。
両手に力を入れすぎて少し震えていたかもしれない。
影のようなものではっきりと確認出来なかった彼の表情が一瞬優しくなったように感じた。
おかしいな、どのような顔をしているのか分からないのに。
優しく微笑んでいることが分かるのは何故だろう。
私は一歩後ずさる。
何が起きるか分からない。
その瞬間に彼が両手を伸ばして私の手を掴んできた。
私は条件反射で手を引っ込めようとしたが、彼の掴む力はそこそこ強かったために手を振りほどくことが出来なかった。
私の思考は完全に固まってしまった。
男の人に力で対抗できるわけがない。
何が起きているのかすら把握できない。
全身凍り付いたように動けなくなった私に彼は優しく語り掛けてきた。
男性「あなたのことを全力で守ります!」
私「あ、あの・・・なぜ私のことを!?」
男性「私はずっとあなたの力になりたいと思っていました」
私「どちら様でしょうか・・・?」
男性「あなたもよく知っていると思いますよ?」
私(そんなこと言われても・・・顔が見えないし声も聞き覚えがないよ)
知っていると思いますよと言われても、一度も会ったことがない人だ。
思い出そうにも、そもそも異性との縁が薄い私に異性の知り合いなんて居るはずがない。
では、彼は一体何者なのか?
彼の優しい微笑みに私の心は徐々にほぐれていく。
彼に連れられるがままに歩いていく・・・。
私の手を優しく握ってくれている。
知らない人なのに安心できる。
もしかしたら・・・私はこの人に惹かれているのかもしれない。
心の中に生まれ出てきた温かい気持ちに身を委ねたくなったその瞬間!
急激に空気が冷たくなっていく。
真冬のような寒さが私達に襲い掛かって来る。
視線を寒さの中心部にやる。
黒い霧のようなものが集まっている。
それが人の形を成していく。
私は目の前の黒い霧が幽霊だと理解した。
このままでは危ない!
彼を守らないと!
私は目の前の幽霊をどう処理するか考えていた。
片手に力を込める。
ぎゅっともう片方の手を彼が握る。
彼は「行ってはダメだ!」と私を止める。
私は何の迷いもなく彼を振りほどいて幽霊の前に進んでいく。
片手を幽霊に差し伸べる。
幽霊は微動だにせずに私を見つめている。
私も幽霊を見つめている。
私の背後で寂しそうな表情を浮かべた彼が居た。
きっと彼を振りほどいてしまったことに傷ついてしまったのだろう。
それでも、私が選んだのは幽霊の側に行くことだった。
何故だろう。
彼ではなくて幽霊を選んでしまった。
私は幽霊と戦うこともなく、話をすることもなく、ただただひたすら見つめ合っていた。
幽霊の年齢や性別は全く分からない。
ただの黒い霧の集合体にしか見えなかった。
ふっと彼の気配が消えてしまった。
私は彼の姿を確認することもなく幽霊と対面していた。
しばらくすると、すっと幽霊も姿を晦ましてしまった。
私以外誰も居なくなってしまった。
沈黙が重い、私の選択は正しかったのだろうか・・・。
いつの間にか目が覚めていた。
目覚めた直後に私は不思議な感覚に囚われていた。
夢の中の私は何をしたかったのだろう?
優しく私の手を握ってくれていた彼を振り切って幽霊の前に進んでいったのに、その幽霊も消えてしまった。
もう訳が分からない。
あと、勿体ないことをしたなって思った。
あんなに優しい異性なんて初めて出会ったかもしれないのに。
なぜ傷つけてしまったのだろう。
後悔してもしきれない。
ごめんなさい・・・。
私は心の中で夢の中の彼に謝った。
後日、勤務先のオカルト仲間のTさんから興味深い話を聞かされることとなる。
T「昨夜の夢にあなたが出てきたんだけど、隣に男の人が一緒に居たの」
私「男の人!?」
T「そう、男の人と一緒だった」
私「どういうこと!?」
T「その人見た瞬間にピンときた」
Tさんは淡々と語っていく・・・。
T「多分将来的にあなたのパートナーになりそうな感じがしたよ」
私「マジですか!?」
私「どんな人だったの!?」
T「色白で痩せ型、目は細くて髪は長くもなく短くもなく」
私「それでそれで!?」
T「服装は上も下も白っぽくてボーダー柄のTシャツ着てたよ」
Tさんはさらに続けて語る・・・。
私「何か会話したの?」
T「会話はしてないよ、ただ一緒に出てきただけだったよ」
私「雰囲気とかは?」
T「うーん、何となくあなたとそういう仲になりそうな感じだった」
T「それ以上のことは分からなくて、いつの間にか目が覚めてた」
Tさんの見た夢の中の男性は私が見た夢の中の彼に似ているようだが・・・。
同一存在なのか、それとも似ているだけの別人なのか。
服装は若干違っていたが、それ以外の色白で長すぎない黒い髪でスラっとした体型・・・ここまでは合っている。
予知夢を見ることが多いTさんの夢の内容が気になって仕方がないが、また何か変わった夢を見たら教えてくれると言ってくれた。
今後のTさんの夢に期待したいところだ。