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【心霊体験】真夜中の足音

ミナミの母親キタコは過去に病気で入院していた。
その時に奇妙な出来事に遭遇したという。
キタコの元にやってきた存在は一体何者だったのか。

実際にあった出来事に多少フェイクを入れて書いていく。


◆登場人物紹介◆

・ミナミ(仮名)・・・子供の頃から眼鏡をかけている近眼の女性。
性格はかなりの天然で気が小さいところがある。

・キタコ(仮名)・・・ミナミの母親。
ミナミと同じく近眼で眼鏡をかけている。
性格はおっちょこちょいでかなりの慌てもの。

・ソラ(仮名)・・・ミナミが信頼している霊感のある知人。
神出鬼没で謎が多い。


ミナミ「ソラさん、私のお母さんは過去に子宮内膜症で入院したことがあるんです」

ソラ「手術したんだね」

ミナミ「はい、あれは30年近く前だったと思います・・・」


・・・現在から30年ほど遡る。


キタコ「ミナミ、お母さんが入院していた時のことなんだけど」

ミナミ「うん、某病院で子宮内膜症の手術した時のことだね」

キタコ「病院って色々不可解な出来事があるってよく言うじゃない」

ミナミ「誰も居ない病室からナースコールが鳴るとか、そういう心霊的な話かな?」

キタコ「そう、その手の話ね」

ミナミ「お母さんが入院した時にも何かあったの?」

キタコ「あれは手術直後の夜中だったと思うの・・・」


・・・キタコは術後の夜中のことを思い出す。


キタコ(う~ん、暑苦しくて眠れない)

キタコ(夜中に目が覚めるなんて嫌な予感しかしないわね)

キタコ(静まり返って不気味ね)


・・・時間だけが過ぎていく。


キタコ(・・・・うん?)

キタコ(何者かの・・・気配を・・・感じる!)

キタコ(でも、こんな夜中に誰かが来るわけがない)

キタコ(病院には色々出るって言うから・・・まさか・・・)


・・・ひた、ひた、ひた。


キタコ(足音!?)


・・・ひた、ひた、ひた。


キタコ(段々近づいてくる!?)


・・・ひた、ひた、ひた・・・ガタ。


キタコ(誰かがドアに手をかけた!?)


・・・シーン。


キタコ(入ってこない、でも、この気配はまさか!?)


・・・そのうち眠気が襲ってきてキタコは眠りについた。


次の日の朝、目覚めたキタコは昨夜の気配について考えた。
最初はびっくりしたけれど、何となく霊的な何かがやってきたことだけは理解した。


・・・ミナミとキタコの会話の時間軸に戻る。


ミナミ「それって、幽霊ってこと!?」

キタコ「たぶんね、でも・・・」

ミナミ「どうしたの?」

キタコ「もしかしたらだけど、悪い存在じゃなくて知ってる人な気がするの」

ミナミ「ご先祖様の幽霊とか?」

キタコ「いや、生きている人の出した念じゃないかと思うの」

ミナミ「それって・・・生霊とかいう存在?」

キタコ「よく身内の生霊が心配でやってくるとか言うじゃない」

キタコ「そういう感じじゃないかと思っているの」

ミナミ「なるほど・・・体験した本人がそう感じるならそうなのかもしれないね」


・・・ミナミとソラの会話の時間軸に戻る。


ミナミ「・・・という出来事があったんですよ」

ソラ「なるほど・・・それは確かに身内の生霊かもしれないね」

ミナミ「やっぱりそうなんですか?」

ソラ「キタコさんのお母さん、ミナミさんにとってはお祖母さんにあたる人物が視えた」

ミナミ「おばあちゃんだったんですね!」

ソラ「離れて暮らしているでしょう?」

ミナミ「はい、その通りです」

ソラ「だから手術すると知って気が気じゃなかったんだと思う」

ソラ「普段側に居ない分心配な気持ちが強くなって無意識のうちに念を飛ばしちゃったんだろうね」

ミナミ「入院だけじゃなくて手術もしたから、おばあちゃんも心配だったんですね」

ソラ「だから、何も心配することはないよ・・・」

ミナミ「ソラさん、話を聞いてくれてありがとう」

ソラ「いえいえ、いつでも話は聞くからね」


・・・ミナミは病院にまつわる不可解な話を聞いてもらい、ソラと別れた。


ソラ「・・・・・」

ソラ「う~ん・・・」


・・・どうやら、ソラには何か視えたようだが、ミナミには言えなかったようだった。


ソラ(教えた方がよかったんだろうか)

ソラ(知ればショック受ける可能性もある)

ソラ(あの時、訪問したのは間違いなく身内の生霊だった)

ソラ(それに関しては何の問題もない)

ソラ(でも・・・)

ソラ(ミナミさんもキタコさんも知らないことがひとつだけある)

ソラ(キタコさんが入院していた病院は・・・)

ソラ(かなり評判が悪いところだなんて・・・)

ソラ(知らずに入院していたなんて・・・)

ソラ(ご愁傷様です・・・)


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