![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/88157820/rectangle_large_type_2_95aea592e7a677d562a3dd13ef17c21e.png?width=1200)
【心霊体験】迫りくる巨大な手
押し入れから巨大な手の気配が出てきた心霊話。
ある年の4月頃に悪夢か心霊現象か、どちらか判断できない体験をしたことがある。
遅番勤務だった私はまだ時間に充分余裕があったことで、曰く付きの和室で仮眠していた時のことだった。
テレビをつけながらうとうとしていたのだが、どうも調子がよろしくない。
その時は風邪でも引いているのだろうかと軽く考えていた。
愛犬2匹は隣の台所でぐっすりと眠っている。
いつものよくある光景に何の不安も抱くことがなかった。
少しでも眠りについた方が体が楽になるかもしれないと思い、迫りくる睡魔に身を任せることにした。
しばらくするとガクっと体が下に落ちる感覚が私を襲ってきた。
うわ、この感覚嫌だなぁ。
急に意識がはっきりしてきた。
その直後に急に体が動かなくなってしまった。
これは・・・金縛りにかかったようだ。
目を開けようと思っても開けられない。
感覚の中で一番冴えているのは聴覚だけだ。
聞こえてくるのはテレビの音と愛犬の寝息だった。
愛犬は相変わらず眠ったままのようだが・・・。
何故こんな時間に金縛りにかかるんだろう、そう思っていた矢先に嫌な気配が私の心を支配してきた。
得体の知れない何かが近寄って来るような感覚だ。
気配の出所は和室の押し入れからだ。
ぬっと大きな気配が迫ってくるではないか。
近づいてくる気持ち悪い気配に警戒心がマックスになる。
目が開けられないのに、なぜか迫って来るものがとても大きなものだと感じ取ることが出来た。
迫って来る気配は徐々に何かの形になっていくのが分かる。
黒い粒が密集してひとつの形になっていく。
頭に浮かんだ映像は巨大な手だった。
真っ黒で巨大な手が私に迫って来るのは恐怖でしかない。
人間ひとり軽く握れるほどの大きな手だから余計に怖い。
私はパニックになってガクガク震えるしかなかった。
動きたくても金縛りにかかっているために動けない、声も出せない。
段々迫って来る巨大な手は重苦しいオーラを醸し出している。
そのオーラが私の周辺を取り囲んでくる。
ガシっと巨大な手は私を容赦なく掴んできた。
ぐぐぐっと少し力を入れてくるのだが、私は苦しさよりは恐怖心の方が勝っていた。
何とかしなければ・・・焦ったところでどうすることも出来ない。
頼みの愛犬は何の反応もない、以前のように助けてくれないのはどうしたものか。
年を取って感覚が鈍ってきたのか、だとしたら助けは期待できそうにない。
私ひとりで何とかしなければと思ってみるものの、悲しいことに何の抵抗も出来なかった。
もうだめだ・・・諦めた瞬間に巨大な手の気配は消え失せてしまった。
すると、体が動くようになり、目を開けることが出来た。
周辺を確認してみるが、うとうとする前と何ら変わりはなかった。
ただ、愛犬2匹の様子が少し変だった。
私の身に起きた異変を敏感に感じ取ったのか、少し困った表情をしていた。そわそわして、何となく落ち着きがないのだ。
その後は何事もなく、普通に出勤して通常通り働くことが出来た。
その後、パートを終えて帰宅したのだが、午前中に体験した出来事を家族に話すことはしなかった。
霊感のある母に何か感じるものがなかったか聞いてみたかったのだが、悪夢か心霊現象かはっきりしなかったことで聞くのを躊躇ってしまった。
話したところで「疲れているだけだ」と言われるだけだろう。
そして次の日もまた、時間に余裕があったことで曰く付きの和室にて仮眠していた。
昨日と同じくテレビをつけたままうとうとしてしまった。
愛犬2匹も同じく隣の台所で眠っていた。
キーン、と耳鳴りがした瞬間に体が動かなくなった。
またしても、金縛りにかかってしまったようだ。
昨日感じたのと同じような嫌な気配が漂ってくる。
気配はやはり押し入れからだ。
押し入れから迫って来る嫌な気配は徐々に巨大な手の形になっていき、ガシっと私を掴んできた。
昨日と同じでぐぐぐっと力を入れてくるのだが、私は金縛りのせいで身動きひとつ出来なかった。
愛犬も昨日と同じで全くの無反応だった。
2日連続で金縛りに遭わされて、さらには巨大な手にまた掴まれてしまったのは気のせいではないと理解する。
もちろん恐怖心はあったが、何よりも連続で出てきた巨大な手に段々腹が立ってきた。
私は反撃してやろうと思い、巨大な手の親指の付け根あたりをガブっと噛みついてみる。
喰らいついて引きちぎってやる!
歯に思いっきり力を入れて、ぐいっと思いっきり引っ張ってやった。
よくも2日連続で出てきたな、今日の私は昨日とは違う。
徹底的に交戦してやる!
黙ってやられる私ではない。
私の力を思い知れ!
私の心の声が出た瞬間にある感情が私に流れてきた。
巨大な手が酷く動揺していたのだ。
ガクガク震えているようだった。
手の持ち主は私の反撃に驚いたのか、焦りながら消え失せていった。
しばらくすると、金縛りは解けて目を開けることが出来た。
愛犬2匹が心配そうな表情で私を見つめてくるのだが、もう変な奴はどこにも居ない。
私は愛犬の頭をなでなでして「もう大丈夫だよ、居なくなったよ」と落ち着かせると、2匹とも尻尾を振ってくれた。
さすがに2日連続で同じような恐怖体験をしたことで、これは絶対何かあるなと感じ取った私はSNSで知り合ったヒーラーに相談することした。
メッセージで事情を説明し、モニター価格で遠隔霊視をしてもらうこととなった。
2~3日経ってから返事が来たのでメッセージを開いてみることに・・・。
ヒーラー「巨大な手の持ち主は生きている人ですね」
私「生霊ですか?」
ヒーラー「あなたに負の感情を抱いている人の姿が見えてきました」
私「誰かに恨まれているんですか?」
ヒーラー「あなたの存在を疎ましいと思っている人があなたの周囲にいます」
ヒーラー「これこれこういう感じの人に心当たりありませんか?」
(ここでヒーラーから生霊を出している人の詳細を聞かされる)
私「確かに周囲にそういう人がいるかもしれません、仲もあまりよくないです」
ヒーラー「その人があなたを恨みがましい顔つきで睨んでいる姿が見えました」
私「どうすればいいんですか?」
ヒーラー「問題ないですよ、相手もかなり弱っているみたいですから、放っておいてもそのうち消えます」
ヒーラー「生霊をもらっていることより、今のあなたの運勢が低迷している方が問題です」
ヒーラー「運気が低迷していると、様々なトラブルに見舞われたり、急な体調変化が起きてしまいます」
私「どんな感じの運勢なんですか?」
ヒーラー「6月下旬くらいまでは運気は低迷していますね、それ以降は徐々に上がってきます」
私「分かりました、ありがとうございました」
実はヒーラーの言う私によろしくない感情を抱いている人物には心当たりがあり、前々からかなり相性の悪い人じゃないかと分かっていたのだが、その人が私に生霊を出していたことが判明した。
生霊を出すほど私の存在が疎ましかったようだが、私の思わぬ反撃に相手も弱ってしまったのかもしれない。
おそらくは、指を噛みつかれたことで相手もびびってしまい、噛まれた時のダメージも何かしらの形でそちらに影響が出てしまったのだろう。
人を呪わば穴二つ、生霊を出す方ももらう方も両方不幸になるというのは本当らしい。
人に恨まれない生き方をしているつもりでも、いつどこで誰に恨まれているか分からないものだ。
どんなに気をつけていても、人の感情まではコントロール出来ない。