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【不思議な夢】夢の色

ミナミは幼い頃に不思議な夢を見たことがあった。
海の上に建てられた塔の中には青い水が流れており、茶色のレンガ造りの通路をつき進んで行く。
そのうち赤い服を着た男性を発見するものの、何と銀色の鎖に繋がれていた!

実際にあった出来事に多少フェイクを入れて書いていく。


◆登場人物紹介◆

・ミナミ(仮名)・・・子供の頃から眼鏡をかけている近眼の女性。
性格はかなりの天然で気が小さいところがある。


・キタコ(仮名)・・・ミナミの母親。
ミナミと同じく近眼で眼鏡をかけている。
性格はおっちょこちょいでかなりの慌てもの。


・ソラ(仮名)・・・ミナミが信頼している霊感のある知人。
神出鬼没で謎が多い。


ミナミ「ソラさん、実は子供の頃に変わった夢を見たことがあるんです」

ソラ「どんな夢を見たのかな?」

ミナミ「あまりはっきりと思い出せないんですが、海の上に塔が建てられていて、その中をひたすら歩いていたんです」

ソラ「登場人物はミナミさんだけ?」

ミナミ「最初は私1人だけでしたが、途中でもう1人出てきました」

ミナミ「何となく塔の中に誰か居るのが分かったんです、それで入ってしまいました」

ソラ「ふむふむ・・・」

ミナミ「塔の中にも水が流れ込んでいて、青色だったか水色だったかはっきりしないんですが、水に色がついてました」

ミナミ「足元が濡れようがお構いなしにひたすら茶色いレンガ造りの通路を進んでいました」

ミナミ「そのうち小さな部屋の前までやってきたんですが、中を覗くと赤い服を着た男性が銀色の鎖に繋がれていたんです」

ソラ「それは怖いね」

ミナミ「一瞬びっくりしたかもしれませんが、そこらへんあまり記憶がないんですよ」

ソラ「それは仕方ないよ、子供時代に見た夢だからね」

ミナミ「男性は弱っていたみたいで、動かなかったんです」

ソラ「生きていたの?」

ミナミ「はい、生きていたようですが、その部分もあまり記憶になくて」

ミナミ「誰か居ると思った瞬間に意識がその男性の中に入ってしまったんです」

ソラ「夢の中で自分の立ち位置が変わったんだね」

ミナミ「はい、気付いたら私は男性になっていたんです」

ソラ「それで、大丈夫だったの?」

ミナミ「意識はぼ~っとしてて、何も考えらえないんです」

ミナミ「しばらくしたら、また意識が違うところに移動してしまって・・・」

ソラ「うんうん」

ミナミ「いつの間にか男性は解放されてて、塔もなくなってて、何が何だか分からないまま目が覚めました」

ソラ「ただの夢じゃないかな?」

ミナミ「特に深い意味はないんですね」

ソラ「そうだね、漫画やテレビの影響で普通ではありえないような夢を見ることはある」

ミナミ「確かに、お母さんも変な悪夢を見てびっくりしたって言ってましたし(笑」

ソラ「ただ、時として強いメッセージ性のある夢を見ることがある」

ミナミ「予知夢とか警告夢、ですか?」

ソラ「ガイドやご先祖様からのメッセージも夢に出ることはあるね」

ミナミ「お母さんはあまり夢を見ることはないって言ってたんですが、白黒の夢が多かったって言ってたかもしれません」

ソラ「そういやミナミさんの見る夢はカラーが多いようだね、子供時代の夢もやけにカラフルだったよね」

ミナミ「白黒の夢を見たかどうかすら思い出せないんですよ、そのくらいカラーが多いです」

ソラ「世代やテレビの影響もあるみたいだね、最近身近にカラフルな物が溢れているから、カラフルな夢を見る人の割合も多いそうだよ」

ミナミ「だからお母さんの夢は白黒のことが多かったんですね」

ソラ「若い方がカラーの夢を見やすいというデータもあるみたいだね」

ミナミ「それが・・・大学時代の友達に、白黒の夢しか見たことがないという人がいたんです」

ミナミ「本人曰くカラーの夢見る方が変だとか・・・自分にないものはなかなか理解できないのかもしれませんね」

ソラ「その人はあまり夢の内容に興味を抱かない人なのかもね、だから夢に色がついていたとしても、起きたら記憶として残っていない場合もある」

ソラ「カラーであっても白黒であっても、色だけじゃなくて内容も注目した方がいい」

ミナミ「夢の内容ですか・・・あ、そういえば」

ソラ「?」

ミナミ「この前、夢にソラさんが出てきたんですよ」

ソラ「・・・・・」

ミナミ「ソラさんの側に誰かが居たんですが、男の人だったかもしれないですね」

ソラ「それ、ただの夢だよ、気にしなくてもいいよ」

ミナミ「そうですか・・・」

ソラ「うん、夢なんてそういうものだからね」

ミナミ「今回もたくさん話を聞いて貰えて嬉しかったです、いつもありがとうございます」

ソラ「いえいえ、いつでも聞くからね」


・・・ミナミは過去の夢の話を聞いてもらい、ソラと別れた。


ソラ「・・・・・」

ソラ「う~ん・・・」


・・・どうやら、ソラが出てきた夢について何か思うところがあったようだが、ミナミには語ろうとしなかった。


ソラ(ミナミさんも割と霊的感受性が強い方だから)

ソラ(夢を通じて色々な物事が見えているのかもしれない)

ソラ(起きたら忘れてしまっているけど)

ソラ(それも彼女の才能のひとつ、本人が自覚していないだけで・・・)