【人怖話】コンビニの理不尽な話3
真面目な人ほど損をする、ずる賢い人は影で何を言われようが気にしなければ強気でいられる。
周囲の人間達は自分に害が及ばなければ他人事、対岸の火事状態。
だが、いざ自身に降りかかるとギャーギャー騒ぎ立てて煩い。
ずるい人間は何があってもお咎めなし。
放っておかれるから調子に乗って暴走を始める。
そうなると余計に止められない。
むしろ誰も止めたくない、だって、面倒なことに巻き込まれたくないから。
立場の弱い人が苦しもうが知ったこっちゃないと見て見ぬふりばかりなり。
こんな理不尽な世の中にため息しか出ない。
最初に更新した内容はコチラ。
研修を受けずに一番忙しい土日のシフトを希望し、周囲を振り回した男性バイトの話。
2回目に更新した内容はコチラ。
経営者と店長に気に入られるために嘘の情報で周囲を振り回した女性バイトの話。
ちなみにそのコンビニはすでに閉店しており、当時のメンバーが今どこで何をしているのか全く分からない。
それでも、多少はフェイクを入れることにする。
ケース3 景品を配りまくるおばあさん
体力はありそうだが、あまり物事を深く考えない70代女性の内田さん(仮名)。
彼女のコンビニ歴はそれなりに長いのだが、今まで働いてきたお店が相当甘いところだったようで、何か問題が起きても注意されることがなかったらしい。
そういう事情があったためか、今のお店の経営者が難色を示すような行動をたまに取ってしまうことがあった。
長く勤めているだけあって接客は得意なのだが、違う意味で問題があった。
対象商品を〇点お買い上げで数種類ある景品の中からひとつ貰える、というキャンペーンをご存じだろうか?
本来ならば買ったお客様だけが貰えるものなのだが、内田さんはどういうわけか対象商品を買ってないお客さんにまで配ってしまう。
配布期間内であってもだ。
そのせいで一部のお客さんから「ずるい」と指摘されることがあった。
経営者もその問題を把握してたので「今まで働いてきたコンビニではその行為が許されても、ここは同じではないから以前と同じ感覚でやらないで欲しい」と何度か意見したようだが通用しなかったという。
むしろ内田さんは「だって、あげた方が喜んでもらえるから」と笑い飛ばしていた。
いやね、何のためのキャンペーンだよって言いたい。
欲しいから対象商品買うんだよ。
その人のためにちゃんと景品置いておいてあげないと。
内田さんの問題行為の影響で一緒にシフトを組んでいるパートやバイトにも被害が及ぶ。
「なんであの人雇ってるんだよ!」と文句を言われたこともあった。
雇ったのは経営者だから私ではどうすることも出来ない。
だが、内田さんはどんなに注意されても改善が見られない。
元々の性格なのか年齢がそうさせているのか何とも言えないが、他のお客さんのことを考えて景品を配りまくるのは辞めて欲しいものである。
特に今の時代はSNSで気軽に発信する人が多い。
時折「〇〇店で景品をタダで貰っちゃった」と書いてしまう人を見かけるが、これはまずいのではないかと感じている。
タダで貰えたことが嬉しいから書いてしまったのかもしれないが。
だが、わざわざ対象商品を買って手に入れた人がこの投稿を見たらどう感じるかは容易に想像できるはずだ。
「ずるい、何であの人だけ特別扱いなの!?」
お店に直接クレームを入れる人もいるかもしれないし、場合によっては本社のお客様相談室にメールで苦情を入れる人だっているかもしれない。
そうなればそのお店や対応した店員がどんな目に遭うか想像できるだろう。
きつく注意される可能性だってある。
こういう問題があるからこそ、勝手な行動を取ってはならないわけで・・・。
内田さん以外でも軽い気持ちで景品を配る店員を過去に見たことがあったが、やはり後日経営者からお叱りを受けたそうだ。
その時は他のお客さんから言われたことでバレてしまったらしいが、この時はどうやら貰った人が欲深い人で別の日にも「景品ちょうだい!」と要求してきたことで発覚したらしい。
世の中には色々な人がいる。
遠慮する人格者もいれば、あれこれ欲しいとさらに要求してくる強欲な人もいる。
問題を起こさない一番の方法はルールに乗っ取って対象商品を買ってくれた人にだけ渡した方が良い。
経営者の中には「どうせ残るからあげてもいいよ」と言う人もいるかもしれない。
おそらくは内田さんはそういうお店で働いてきたのだろう。
ただ、そのお店の内情は全く分からないので、お客さんからの苦情があったかなかったかは分からないが、たぶんあったと推測される。
内田さんの耳に入らなかっただけだろう。
私はそのうち系列店に異動命令が下ったことで、店を離れることとなった。
内田さんはその後も景品を配りまくっていたかもしれないが、数年前にそのコンビニは閉店になってしまったので、彼女が今どこで何をしているのかは分からない。
もしかしたら、今もどこかのコンビニで働いているかもしれない。
お客さんや経営者を困らせるようなことをしていないことを祈るばかりだ・・・。